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社長室 業務日誌

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2005/03/13
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どういう金融サービス事業者を目指すべきか。

特に、ローンビジネス。お金を貸す事業。

この国では、「カネ貸し」はあまりいいビジネスとして認められていない。

どうしてなのかな? 

「カネを貸す→返してよと催促する」
「金利が高い」
「自己破産に追い込んだ」

と悪く言う人もいるが、それはマチガイ。
やっぱり、返さない人が悪い。
なぜなら、約束を破っているからだ。

借手が悪いよ。返せないんなら、最初から借りるなよ! 

しかし、もし、貸手側に責任があるとすれば・・・、

・貸し方がエゲツナイ(ex:返せないってわかってんのに、貸すとか)
・催促の行為がエゲツナイ(ex:返さないと殴る、とか  (^^;)

批判されるべき行為の本質はそこにある。

どうして、貸しちゃうんだろう?
どうして、厳しく取立てしちゃうんだろう? 
どうして、エゲツナイことしちゃうんだろう? 

――――――――――――

ローンビジネスの経営モデルは、至極シンプル。

利ザヤ=貸出利回り-(借入コスト+貸倒コスト)

である。

これに人件費+広告費が加わる。

利回りと借入コストは経済情勢から所与であるから、
貸倒コストのコントロールが、経営者が留意すべき要諦となる。
「ポートフォリオ管理」ともいう。

もし、貸倒コストが1%でも下がっちゃったら。
1,000億円の債権残高があれば、10億円の増益効果だ。
100億円でも1億円の増益効果。
ス、スゴイ・・・。

消費者金融専業大手5社の平均貸倒コスト=約8% である。
100人に8人、倒れたり、トンズラしたり、している。

これを頑張って、7人にできたら。
要は、残り93人のうちから、1人だけ気合で取り立てたら。
10億円増益です。


・・・うーん、やっちゃうね。取り立てちゃうね。


儲かりやすいから、エゲツナイことしちゃうんだ。
エゲツナイことしたら、数字が上がりやすい。

これが誘惑の本質だ。
このビジネスだけが持っている、特有の誘惑。

これに負けてしまう会社がいかに多いことか。

――――――――――――

ローンビジネスは、
一定の債権残高を積んでしまえば、利益を得やすい。
また、経済の促進効果(後押し効果)も直接的で、かつ高い。

だからこそ、経営者には高いモラルが必要とされる。

エゲツナイ行為を通じた経営指標Upへの誘惑に負けない、
高いモラルが必要とされる。

そのモラル維持は、貸してから考えるのは不可能。
だって、貸したら、返してもらわないといけないもの。

だから、入口時点で厳しく、
貸手としてのモラルを保つ以外、方法がない。

・50万円必要な人には、50万円だけ貸す
・50万円必要といわれても、
 30万円しか返せなそうな人には、30万円しか貸さない
・返す方法が、ちゃんとある人にしか貸さない
 (=キャッシュフローがちゃんとあるとか)

とか、そういうルール。

そしたら、取り立てしなくていいはずだもん。

ローンビジネスでモラルを維持するために、注目すべきなのは『入口』だ。

誰に貸すか? なぜ貸すか? 

ポートフォリオ管理手法が全盛である今こそ、
あえて、定量的管理手法の前段階として、
定性的な、誰、なぜ、に注目すべきなんだろう。

もしかしたら、みんな忘れているかもしれない。

――――――――――――

全てのビジネスには「社会的正義」がある。

「儲かるから、やってます」というビジネスは永続しない。
それは、プロジェクトであり、ビジネスではない。

ローンビジネスにも社会的正義が必ず存在する。
だからこそ、このビジネスは何百年も続いている。

確かに、ローンビジネスには悪どい経営者もいる。
しかし、社会的正義の本質があるからこそ、
このビジネス全体としては、何百年も存続しているのだ。

もし、僕達がローンビジネスを手掛けるのであれば、
その本質だけキューッと抽出して、それだけに邁進すればいい。

その本質とは何だろうか? 考えてみたい。

答えのカギは、定性的分析による「入口」基準の明確化にある。


以上







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Last updated  2010/02/02 06:04:10 PM
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