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カテゴリ:冷戦期
※リビア空軍のSF.260WL [原型]SF.260WL SF.260WLは、イタリアで開発された練習・軽攻撃機である。 SF.260シリーズは、イタリア人設計者のStelio Fratiが設計した航空機で、試作機はアヴィア・ミラノ社で製作されて1964年に初飛行した。その後はSIAI-マルケッティ社が製造権を購入し、軍用の練習・軽攻撃機や民間用の曲技飛行機として800機以上が製造された。 SF.260WLは、リビア空軍向けの練習・軽攻撃機型で、260機が発注され、一部はリビア国内で組み立てられる予定だった。納入は1977年または1978年から開始されたが、アメリカによる禁輸措置のため搭載機器をフランス製に変更することになり、納入は遅延したとされる。 [鹵獲] 本機は、1978年から始まったチャド・リビア戦争中にチャド軍によって鹵獲された。 本戦争では、リビアはチャド国内の反政府派と協力してチャド北部を占領し、ワディ・ドゥーム空軍基地を建設、Tu-22爆撃機を含む多数の航空機を配備してチャド国内への航空攻撃の拠点としていた。 しかし、1986年にチャドを支援するフランス空軍のジャギュア攻撃機が基地を爆撃し、基地は損害を受けた。さらに翌年にはチャド軍の攻勢(チャド軍がトヨタ製のハイラックスとランドクルーザーを多用したことから、トヨタ・ウォーと呼ばれた)によって基地は占領された。本機9機のほか、Tu-22爆撃機3機やMiG-21戦闘機1機、L-39ZO練習・軽攻撃機11機など多数が鹵獲された。鹵獲機の多くは保管されるだけだったが、SF.260WLはチャド空軍に編入された。 [諸元]SF.260M(参考値) 乗員:2名 全長:7.1m 速力:333km/h 航続距離:1650km
[出典] (1)原型及び諸元の項について 英語版Wikipedia「SIAI-Marchetti SF.260」 SIAI-Marchetti SF.260 - Wikipedia (2)鹵獲の項について 「全164か国 これが世界の空軍力だ!」柿谷哲也、笠倉出版社、P148 英語版Wikipedia「Toyota War」 Toyota War - Wikipedia フランス語版Wikipedia「Raid aérien sur Ouadi Doum」 Raid aérien sur Ouadi Doum — Wikipédia (wikipedia.org) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/05/25 10:30:42 AM
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