厨房からの風景

2006/08/31(木)20:00

六泉寺日記 the final chapter

食菜坊 六泉寺(25)

元来お酒にあまりつよくない私は 飲みすぎると大抵トイレにしがみついている 負荷をかけすぎた体に自衛団は 体内からその原因となるものを排除しようと半鐘をならす。 井戸がからっぽになるまで 「食菜坊 六泉寺」はもう存在しない。 まるで彗星のような店だった その輝きは最短記録 一瞬目の前を通り過ぎた その記憶さえもあやふやだが 巡り合えたのは幸せだったのかもしれない 民族の数だけ大義がある それぞれの舌で感じてもらう 主観的な世界でめしを食う 僕らの宿命だ仕方ない。 ただあの場所を楽しんで期待していただいていたお客様 立上げに運営に協力していただいたすべての皆様 そして私の一言がなければ高知にくる事もなかったT岡 にはどんな言い訳もない。 またいつかT岡と六泉寺のような店をやってみたいとも思うが 今はまだ時機早々もう二度とこんな お客様を馬鹿にしたような事が起こらないよう 私個人に具体的な底力をつけなくてはならない とはいっても今後については今だ白紙 今度はどっちに向かって転がっていくのか だだひとつ分かっていることは この宿命を背負ってこれからもどこかで料理をつくり続け どこかで「いらっしゃいませ」と言っているということ さあ転がるか!石のように 追記 さわ田は壁をひとつ越えた こんな時は本当にわくわくするものだが これで三年先まで約束された訳では勿論ない U山T所。まだ若く経験の無い二人にとって 本当にこれから大変だろうと思う 基礎をつくり武器は渡したが それに取り扱い説明書は残念ながらない 個人的には一生懸命精一杯やればそれでいいと思う その結果がどうであろうと気にする事は無いが さわ田が今後追い風をつかもうとするなら 「気付けるかどうか」 二人に託された命題はそこだけである。 「六泉寺日記」 完

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