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ロルファーサイトウのつれづれ日記

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2006年07月の記事

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コマ劇前の熱気の出処

日曜日、朝１０時すこし前のコマ劇場周囲はすごい熱気と人手。劇場前の広場でたむろする年配のご婦人や、隣のビルの階段に座り込む年配の殿方。驚いていると、曲がり角から旗を持った添乗員が１５，６人程度の小グループを率いてやってくる。尋常ならぬ人数のファンを集めているのは・・・松平健。言わずと知れた、マツケンサンバ。その勢いに押されて、仕事帰りの水商売のオニイさんたちが脇に逸れて歩く。すごいなあと、後ろを振り返りつつ読売文化センター新宿にたどり着く。今日は、読売文化センター新宿で「ボディワーク入門」講座（講師：ばう犬＆MSaito）があった。今回はリリース感覚を十分に体験してもらうプログラムを組んだ。触察からすぐにハンズオン（施術練習）というプログラムにするのは受講生の方の大半が手技療法経験者の場合で、未経験者の方が多いときにはペースをゆっくりにし、リリースの実感をつかんでいただいてから先に進むようにしている。今日は、特にリリースが分かり易い部位を選んで練習していただいた。今日は知人（指圧のＮさん）が体験受講にいらしてくださった。２時間は、いつもあっという間に過ぎる。ペアリリースなど、気をつけないと片側に集中している間に交代の時間になったりするので、タイムキーピングをしながらクラスルームを移動しつつ、一緒に練習させていただく。ちょっとした世話話などするのも楽しい。終わってから、ラウンジにて受講生のＴさんＳさんと、解剖学の英語を勉強する。話しているうちに、明日に予定している浴衣の着付け練習会にＳさんが飛び入り参加することになった。新宿講座お休み中の方がもう一方参加してくださって、私を含め４人で着付け練習だ。今からとても楽しみだ。

2006.07.23
大切な思い出

現在、ユニット３のトレーニングが進行中。元クライアントさんが何名か、トレーニングに参加している。それ以外にも、セミナーや今は無き「ボディワーク研究会」で楽しい時間を過ごした方たちも、ロルファーになるための最終段階に入った。ユニット３はロルファーになるための最終トレーニングで、外部クライアントを募って臨床セッションを行なう。きっとトレイニーの皆さんは、来る日も来る日も目の前のクライアントさんと真摯に対峙していらっしゃるだろうと思う。私はコロラド州（ボウルダー）でユニット３のトレーニングを受けた。１０セッションのクライアントが３名、ポスト１０が１名、ムーブメントが１名、合計５名の臨床を経験した。１０セッションのクライアントのうち一人は卒業式の日にスパークリングワインを届けてくれたが、彼はＮＹでちょっと名前の知れたパントマイムの俳優になったと聞いた。過ぎ去るは日々に疎しとは言うが、一緒にトレーニングを受けた仲間のことは、折に触れ思い出す。未だ交流を欠かさない仲間も居れば、どうしているかと思いをはせるだけの人も居るし、残念ながら折り合いがよくない仲間もいる。でも、昔取った写真を見返すと、昔の良い思い出ばかりがよみがえる。浴衣の写真を探していたら、唯一日本で受けたトレーニングの、ユニット２の写真が出てきた。８月に再び会うムーブメントのインストラクター、キャロルの姿も見える。家族が居て、愛する人が居て、大切な仕事があって、それぞれに自分の日々を一生懸命に生きている。みんなが幸せであるように、そう思いながら懐かしい写真を眺めた。

2006.07.21
花のある日々

ドアを開けたら、朝顔を手にした長身の男性が立っている。ガタイの良い男子が大切そうに朝顔の鉢植えを片手にぶら下げて立っていて、可笑しいようなお似合いなような。入谷の朝顔市に行ってきました、とおっしゃる。サイトウさんが花がお好きかどうかも分らなかったけれど、花を見たら差し上げたくなって、と入谷から横浜までの長い道のりを電車を乗り継ぎ持ってきてくださった。朝顔を長持ちさせるコツは、花がしぼんだらすぐに摘んで、種を作らせないことなのだそうだ。なんがか可哀想な気もするが、説明どおりに花を摘むと、すぐに次のつぼみが出来る。宵越しの金は持たない、一瞬一瞬を華やがせる江戸っ子気質に通じるものがある気がするが、それは「入谷」の地名と持ってきてくださった江戸っ子とがそう思わせるのかも知れない。元来朝顔は、はかないものなのに。ぎっくり腰で苦しんでいらした大ちゃんのマネジャーの千恵さん。動けるようになって、こんなときこそ何かの役に立ちたい、という私の気持ちに応えるべく、お忙しい中自ら運転して来てくださった。ずうずうしくも、ボルダリング１ｓｔブックをお願いした私のために、３冊持参してくださった。腰痛がある方に重いものを持たせてしまい反省。手には、花束を入れた手提げ袋を持っている。覗いてみると、薄青色のアザミと一緒に大輪の百合が包まれていた。腰が痛いのに、わざわざお花を持ってきてくださるなんて。生憎２つしかない花瓶にはすでに花が活けられていたので、コーヒーサーバに活けてみた。コーヒーサーバは役不足なので、明日にでも百合に似合う花瓶を買おうと思う。千恵さんは、すごくサバサバしている方なのだが、冷たいのとは違う。クールなのだ。自分は「浜っ子」だね、と言うが、千恵さんの器の大きさは港町が育んだものかと思う。私は時に姐さんと呼ばれるが、私のお手本は千恵さんだ。大姐さんというべき存在なのだ。朝顔は、明日はどんな花を咲かせてくれるんだろう。百合は、味気の無いセッションルームに素晴らしい香りを添えてくれている。生花は期間限定の楽しみだ。でも、なるべく長持ちしてくれますように。

2006.07.14
ぜひご参加ください。

そろそろ夏休みの計画を立てている方もいらっしゃるだろうと思う。自由業の私は、夏休みという感覚が薄い。ボーナスでももらえば使い道に「温泉旅行」とか「海外旅行」とか考えるから、お休みを取ろうという意欲も出てくるのだろうけれど・・・。８月はムーブメントの資格取得のためにカリフォルニアのサンタクルズに２週間ほど滞在する。でも、研修中は月曜日から金曜日、９時から１７時の間ずっと勉強しているわけだし、バケーションの気持ちにはなれない。９月に入ったら、どこか行きたいなあと考えているところ。９月なんてまだまだ先と思っていると、あっという間に年末になってたりして・・・さて、今年も「ボディワーク入門セミナー」を開催します。土曜日・日曜日の開催ですので、どうぞ奮ってご参加ください。２００６年７月２９、３０日開催OPENPATH 主催「ボディワーク入門セミナー」のお知らせ７月２９日（土）　ボディワーク入門（１）時間 :　１０：００～１７：００場所 :　井の頭線　高井戸駅下車３分講師 :　小川隆之　斎藤瑞穂　受講費 :　１５,０００円７月３０日（日）　ボディワーク入門（２）時間 :　１０：００～１７：００場所 :　中央線　高円寺駅下車７分講師 :　小川隆之　斎藤瑞穂　受講費 :　１５,０００円◆ボディワーク入門（１）「触れる」をテーマにしながら、ボディワークのテクニックを習得していきます。体験学習を多く取り入れ、楽しみながら学べる構成になっています。カリキュラム：　筋膜について／筋膜の触察法／筋膜を変化させる／触察によって心の動きを知る／重要な身体各部位への働きかけ／他　◆ボディワーク入門（２）「観る」をテーマにしながら、ボディワークのテクニックを習得していきます。体験学習を多く取り入れ、楽しみながら学べる構成になっています。カリキュラム：　重力について／姿勢分析／歩行分析／ムーブメント・エクササイズ／他＊　いずれのカリキュラムも、初心者の方、身体に興味のある方、各種手技・セラピー経験者の方を対象としています。会場につきましては、お申し込みいただき次第、お知らせいたします。お申し込みは openpath@hotmail.com 、もしくは tel & fax 03-5936-3071 ( 9:30～20:30 )

2006.07.10
爆笑！クライミング講習会＠ランナウト

今頃、みんなは筋肉痛に苦しめられているだろうな。ぐふふ。私は平気、ぜーんぜん余裕。あと１時間は登れたね。パンプすらしてない。ふふ。何でこんなに調子に乗っているかというと、昨日は思ったよりも登れて、しかも大ちゃん＆千恵さんと仲間が一緒のクライミング講習会があったからだ。爆笑シーンが続々の、楽しくてしかも初歩はしっかり学んだ講習会だった。プロクライマー小山田大さんにお願いして開催していただいた「初心者向けクライミング講習会＠西国分寺ランナウト」、参加者７名のうち５名は、今日初めてクライミングジムに足を踏み入れたという超初心者。ホールドに足を乗せる練習をちょっとして、トップロープに挑戦。ビレー役は、マネージャの千恵さん。初めてで８Ｍの高さは恐いだろうなと思っていたら、結構登ってる。でも、鬼顔になってる。余裕が全く無い。最初に登ったＴ場さん、降りてくると涙目になってた。Ｓ山さんも、途中でストップしてしまって「初心者ですから！」と叫んでいたが完登するまで降ろしてもらえず。Ｋ山さんは長い手足を活かして難なくクリア。男子は初心者のＩ賀さん、余裕。同じく初心者のＴすぃ～さん、最初は緊張したみたいだけどすぐに慣れた。途中でホールドが見えなくなると、自動ビレーでビレーした大ちゃんが助けに来てくれる。登れることは登れるけれど、降りてくるのでまた大騒ぎ。背中から降りてくるって言うのは慣れないとものすごく不安で恐い。Ａ羽さんと私は経験者なので、初心者の中に居て威張ってコメントなどしている。自分が登り終えると元気になり、下から「もっと右！」だの「足上げて！」だの余裕の掛け声をかけたり、どう見ても無理な体勢をしている仲間を笑ったりしている皆さん。登っているのも楽しそうだが、登り終えたときの達成感・充実感や安堵感の素晴らしさを早くも知ってしまったらしい。途中で２０分休憩。「自販機で飲み物を買うのに、指が震えて小銭が入れられなかった～」と言って参加者Ｋ山さんが外から戻ってきた。そうそう、クライミングを終えた西国分寺の駅で、旧式（一枚ずつ小銭を入れるタイプ）の自動切符販売機前に立って財布のチャックがつまめず、小銭もスリットに入らず、わらわらと震え続ける手に困らせられたことがあったなあ。国分寺のランナウトは、私にとって沢山の思い出があるジムだ。一番最初にインドアクライミングを経験したのが、ここランナウト。クライミングをするクライアントさんの動きの研究をするために、実際にボルダリング（ロープを使わないクライミング）を体験しようと思い立って訪れたのがこのジムだった。２００２年の秋だったなあ・・・としばし思い出に浸る。後半戦、２回のボルダリングエリアにて、大ちゃん課題に挑戦。大ちゃんの課題は、途中でホールドが切れてちょっと離れたところに次のホールドがあったりする。腕力で登る課題じゃなく、頭で考えてバランスを使って登る課題が多い。トップロープはトープで支えられていたから落ちる心配は無かったけれど、今度は「命綱」無し。トップロープとは別の恐さがあるみたいで、ゴールを決めた後でソロソロと降りてくる姿が笑える。課題の難易度が上がってくると、今度は登れない悔しさが引き起こす中毒症状が出てきたようで、自分の番が待ちきれないらしい。順番待ちの間に別の壁（課題）に挑戦し、無駄に体力を使って課題が登れなかったりしている。誰かが課題をクリアすると拍手が起こり、拍手をしながらも顔には「次は自分も」の闘志が伺える。途中、あり得ない、奇跡的なムーブ（蝶番のようにからだが１８０度回転して、でも落ちない）を見せてくれる参加者がいたりして、腹の底から、涙を流しながら笑った。最後に大ちゃんが、フィンガーボードを使った脅威の練習法を見せてくださって、全員感動と驚きでどよめく。握手してもらったり、写真摂ってもらったりと、最後まで大ちゃんの側から離れなかった。次は外岩に行きましょう、と大ちゃん自らが提案してくださって、全員大喜び。帰りの駅では参加者全員、まだ興奮冷めやらず「楽しかったね」「大ちゃんカッコよかったね」を繰り返し言い合っていた。早速openpathクライミング部を作ろうという話が持ち上がった。もちろん、私も乗り気で、月２回の練習日を設けようなんて企てている。大ちゃん、千恵さん、本当にありがとうございました。参加者の皆さんもお疲れさまでした。次回を楽しみに！

2006.07.08
独占する権利２

●「僕らは友達だよね」と言っていた友人が、あなたのお財布からお金を抜き取りました。●「痩せたい」と言いつつ間食を止めない女性が居ます。●「お父さんを大切にしなくちゃ」といいながら夕食を作らずパチンコに行くお母さん。●「エンコーは良くないって知ってるんだけどーw」といいながら援助交際を続ける女子高生。●「大切なことだと知っている」と言いつつも行動に移さない団体。あなたは彼らの一人ひとりを良く知りません。例えば一緒の時間を過ごしたことがあるとか、同じ趣味を持っているとか、同じグループに属しているとしても、深く話し合った事はありません。こういう前提ならば、彼らの言葉と行動のどちらが信頼しやすいですか？中毒だとか病理だとか、そういう理由で「出来ない」場合と違い、大抵は「しないこと」を選択しています。選択の先には目的があります。その目的が全ての人に利益をもたらすのであれば、それは隠し立てすることではなく、むしろ胸を張って目的に向かっていくことができるのではないでしょうか。

2006.07.06
独占する権利１

アドラー心理学は、「他者を支配しないで生きる決心をすること」「他者に関心を持って相手を援助しようとすること」を思想として治療体系が作られている。理論体系については過去のブログに簡単に説明したものがあるので、興味のある方は参考にしていただきたい。アドラー１、アドラー２アドラー心理学の講演は、会員も非会員も共に聴くことができるし、ワークショップやセミナーに参加するのも自由だ。学会のサイトには、アメリカで活躍しているアドレリアン（アドラーを勉強する人）と日本で基礎講座を教えるアドレリアンに「アドラー心理学とはなんですか？」という題目で４つの質問をしているページがある。それぞれのアドレリアンの答えに個性があって、非常に面白い。以下、サイトからの引用で少々長くなるが一部掲載する。=====================================================質問「アドラー心理学会には、非専門家の会員もたくさんいると聞きました。専門家と非専門家が一緒に学ぶことについてコメントをいただけませんか？」ジェーンネルセン博士回答：それはアドラー心理学の基本です。すなわち、すべての人への平等と尊敬ですね。人はお互い同士学びあうのです。教育程度が高いからといって他の人の上にいるわけではありあません。すべての人は違う体験を持って生きていて、その中に、他の人の助けになるようなものがあるのです。野田俊作氏回答：アドラー心理学はすべての人間のための宝物です。それはあらゆる人に向かって開かれていなければなりません。独占する権利は心理学や精神医学の専門家にはないのです。専門家にとっては、非専門家とともに学ぶことはとても有益で、狭い視野に陥る危険を、非専門家の健全な常識が予防してくれるのです。非専門家にとっては、アドラー心理学運動を通じて人類の未来に貢献する機会をもつことは、とても興奮する体験だと思います。岸見一郎氏回答：アドラーは、ある時、ニューヨークの医師会が、アドラーの理論だけを精神科の治療に使うために採用したい、ただし医師だけに教え、他の人には教えないという条件を提示した時、その申し出を断わりました。アドラーはいいました。「私の心理学は〔専門家だけのものではなくて〕すべての人のものだ」と。アドラーの時代も今もアドラー心理学は「すべての人」ものなのです。　アドラー心理学を学び始めてまもない頃、野田先生にこんなことをいわれたことがあります。「井戸端会議のできる哲学者でなければ意味がないよ」と。　ソクラテスは一日中アテナイの青年たちと議論をしていました。アドラーは講演が好きで講演の後、質問をしにくる人に囲まれるのが好きでした。場所を変え、熱心な学生や友人たちと夜遅くまでカフェで議論をしました。　私もそんなソクラテスやアドラーのように研究室を出て、井戸端会議を楽しめる哲学者になろう、と思いました。以来、「肱掛椅子の哲学者」(armchair philosopher)ではなく、市井の人として生きたい、と考えるようになりました。「井戸端会議」から多くのことを学んでいます。　アドラー心理学は専門家と非専門家が共同して作り上げてきた心理学なのです。田中禎氏回答：アドラー心理学そのものが専門家、非専門家をわけない心理学だと思うのです。誰が勉強してもいいし、誰がそれを実践してもいい。他職種の専門家が集まっても、非専門家がそこに同席しても同じ話ができる心理学です。諸氏が異口同語にして言わんとするのは「良いものは外に向かって開かれなくてはいけない。」「学びは共同作業によって生まれるものだ」「教えは全ての人のものだ」であろう。閉じられた空間で物事が行われるとき、そこには新しいものは生まれにくく、選民意識だけが高まっていくだろう。「知る者」はそこに存在する人々のみだという錯覚が生まれ、内部には新たな紛争が巻き起こっていくだろう。アイダ・ロルフが生きていたら、きっとアドラーと同じ考えを持っていただろうと想像した。

2006.07.04
横浜読売講座（裏話）

今日は読売文化センター横浜で、第１０期「ボディワーク入門」講座があった。講座についての真面目な（正統）なブログは間違いなくばう犬が書くと思うので、私は今日の講座の裏バージョンとでもいえるものを書こうかと思う。今日のばう犬は、熱があった。平熱が３７度５分と高めのばう犬だが、今日はさらに高かった。３７度７分（８分？）あるという。一緒に駅まで向かったが、歩き方が違う。体重が大幅に増えて以来、左右に身体が揺れがちだった歩き方が、大腰筋を使い、地面をしっかりと踏みしめる歩き方に変わっている。「今日は歩き方が良いねえ」というと「うん、この方が楽なんだもん」と答える。今日の私は、ばう犬に優しい。なぜかというと、ちょっとした手違いでばう犬の頭のてっぺんの毛を「若干」切り落としてしまい、一部髪の毛を＜地肌に近く＞してしまったからなのだ。大きさにして、わずか０．５センチ、いや１センチ平方だから、よーく見ないと全く分からない。だが、大きさと罪悪感は比例しない。以前のブログにも書いたことがあるが、こういうときのばう犬は、眉毛を書かれて嬉しそうにしている犬を思い出させて私の心は痛い・・・。一歩一歩がんばって歩いているばう犬に、授業が終わったら、ジェラートをおごってあげる約束をしてしまった。病気の時のばう犬は、非常に近視眼的になる。ボディワークの歴史を説明する段階で、ホーリズムからデカルトに話を移したまでは良かった。そこで終わるかと思ったら、今度はデカルトを詳しく説明し始めた。ホワイトボードに「我思う、ゆえに我あり」と書いたのを見て、度肝を抜かれた。つばを飲み込んで、いつでも割って入る心の準備を整えて聞いていた。とうとう見かねて、MSaitoが、デカルトの二元論を具体的な療法に絡めて説明する。ついでにホーリズム(世界と自分が一体である)の考えをいくつかの例をあげて説明した。ばう犬の顔を見たら、ぽけーっとしていた。やれやれと思っていたら、今度はフロイトとライヒの話を詳しくし出した。アクション付きである。やや興奮気味だ。ライヒは心理療法の父といわれるフロイトの直弟子だったが、心理療法の掟を破り、当時としては異端な方法で患者を癒していくことになる。小川は、このライヒのことを「破門されたんですよ、破門」と、とても嬉しそうに説明していた。しかもこのフレーズを２度も繰り返した。異端児が好きなのか、それとも破門という言葉に興奮を覚えるのか。やや狂気じみた強調の仕方で、またしてもMSaitoは割って入ろうと身構えた。が、ばう犬、ふと我にかえったらしく、また大人しく説明をはじめた。ばう犬が話しているときはMSaitoが、逆のときにはばう犬が、相手が話し終わるのを待ってコメントするのが暗黙の了解なのだが、例外的にばう犬が走るときにはMSaitoが割ってはいる。セラピーの区分けで説明の順番が自分に回ってきたときは、正直言ってほっとした。ばう犬は何度も言葉を忘れ漢字も思い出せず、可愛そう／可笑しい状態だったので、私が講義しようかと思ったが、結局自分のパートは見事に終えてくれた。講座が終わってから立ち寄った、そごうの地下の食料品売り場では、約束どおりジェラートのトリプル（カップで）をオーダーしてもらい、どれを食べようかと嬉しそうに冷蔵庫をのぞき込んでいた。幸せな人だなあと感心した。今期から参加してくださった３名の受講生の方、懲りずに次回も来てくださいますように。

2006.07.03
ボディワークの歴史

ばう犬と私は全く別個の人間だから体験も違うが、同じような内容のブログを書いている。まあ、自身のための記録と考えているのでそれはそれで構わないんだろうと思う。ばう犬と、詰めて仕事の話をした。といっても、顔を合わせると仕事の話になるので改めてという感じではない。私の印象では、最近講座が「ボディワーク」よりも「治療法」に近い内容になっている気がしていた。もちろん、ボディワークは使い方によっても治療の効果は十分だせるが、私たちが伝えたかったのは「ボディワーク」そのものであって、「治療法として使えるボディワーク」ではなかったはずだ。初心に立ち返る意味もあり、今日のＪＥＵＧＩＡカルチャーセンターでの講座はボディワーク寄りとなった。ボディワークの歴史は、あまり知られていない。別々の文献にばらばらに情報があったり、あるテクニックについての固有の歴史だったり、単純に身体操作の変遷が書かれていたりもする。今回は、ボディワークという大きなくくりから説明してみた。もともとボディワークは、ボディとスピリットが一体となったホーリズムな思想から出来た。この時代は、外側の世界と内側の世界に隔たりは無く、世界と自分が一体化されていた。それが、デカルトが機械論を唱え始めた頃から、人間の機能はシステマティックで、科学で説明可能なものとなった。さらに時代が進むと、心理療法／身体技法／身体感覚における、身体面での探求が進んでいく。いわゆる「ボディワーク」の研究は、８０年代のニューエイジの時代に、カリフォルニアのエサレン研究所で花開いていくことになる。SIは、ここでアイダ・ロルフによって生み出された。歴史を理解していただいたうえで、各テクニックの説明に入った。昨今ではボディワークともボディセラピーとも言われる身体をベースにした技法が数多くある。空間を十字に切り、左をbody（身体）,右をmind（心理）、上をmetapysical（形而上）、下をphysical（物理）と区分けすることにより、それぞれの技法の狙いをビジュアルで確認していただいた。実技練習は筋膜の触察で、「ボディワーク入門」 p.37-38 を参考に、ペアになりお互いの筋膜の模様調べと、大腰筋の筋膜の触察を行なった。個人的には、今日の講義部分は伝えたいことの大部分をお渡しできたような気がして、満足感が高かった。

2006.07.02

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