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ロルファーサイトウのつれづれ日記

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2006年10月の記事

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ベイトソン応用

引き金は、変化にふさわしい大きさである必要はない。違いが違いを生んで初めて、それが情報となる。一部の切り取りが全体を呈することない。目的を持たない動きは最終地点へとたどり着かない。エクササイズ的ムーブメントセッションは、有害ではないが、有効ではない。

2006.10.31
セミナー「腹横筋・多裂筋・大腰筋」

個人セッションは基本、カルチャー講座も面白いけれど、自分たちの研究を存分にシェアする場は、やはり「ワークショップ」です。今回はばう犬の研究・臨床による「腹横筋・多裂筋・大腰筋へのアプローチ／体幹深層筋のバランシング」を開催します。【日時】　１２月９日（土）１０：００～１６：５０【会場】　井の頭線　高井戸駅下車（詳細は、お申し込み後にお知らせいたします）【講師】　シン・インテグレーション・プラクティショナー　小川隆之【主催】　OPENPATH【受講費】　１５，０００円（振込）【内容】◆　現在、ＳＩ（注１）で最も注目される筋肉は、〈腹横筋〉と〈多裂筋〉でしょう（注２）。これらは、体幹深部の筋肉ですが、他の筋群と全く異なる「機能」を持っています。本セミナーでは、これらの筋肉に対し、いかに働きかければよいかを学びます。また同時に、〈大腰筋〉や〈腰方形筋〉などにも注目します。◆　ＳＩの用語で〈ティシューワーク tissue work 〉と呼ばれる、筋膜を始めとする身体組織に対する「用手（手技）法」（マニュアルワーク manual work ）に加え、ＳＩ技法の中で重要度を増しつつある、〈ムーブメント movement （注３）〉や〈トラッキング trucking 〉などの、いわゆる「促通法」（ファシリテーション facilitation ）も含めて学んでいきます。（注１） Structural Integration 「構造的身体統合法」の略称。アイダ・ロルフが創始したボディワーク・メソッドの総称。日本では、ロルフィング、シン・インテグレーション、ヘラーワーク、ＧＳＩなどが知られています。（注２）ＳＩだけでなく、リハビリや身体技法、スポーツ界でも注目され始めています。（注３）ロルフ・ムーブメント Rolf movement ではないことをお断りしておきます。【対象】　小川隆之か斉藤瑞穂が講師を行なった講座・セミナー・講習会などへ参加されたことのある方、各種ボディワークや手技療法、セラピーの施術者・初心者・経験者の方が対象です。【お申し込み】　お申し込みは、OPENPATH （openpath@hotmail.com）へお願いいたします。件名に「セミナー参加希望」とお書きください。返信により、お申し込み手続きの詳細をお知らせいたします。なお、会場につきましては、手続きが終了次第、お知らせいたします。追伸！！申し込み締め切りは１１月末までです。奮ってご参加ください。

2006.10.30
小山田大さん、おめでとう！

クライミングツアーでフランスに入っていた小山田大さんんと小山田ファミリーのメンバー。セユースからフォンテンヌブローへと岩場を移しつつの様子はマネージャーの千恵さんのブログで拝見しておりました。去る１０月２４日、ツアー最大目標だった「ファタモルガナプロジェクト」を完登したそうです！大ちゃん、おめでとうございます。小山田ファミリーのみなさん、おめでとうございます！

2006.10.30
ボディワーク的「クリスタルの個性と相性判断」

ロルフィングのセッションに於いて、目に見えないものは扱わない、というのが自分に対する規則です。「ポリシー」なんていう堅苦しい考えではないのです。誰かと話をするときに、目に見えないものの話をするのはとても難しいからなんです。例えば、私の感じる「びりびり感」が相手の感じる「びりびり感」とは同じものなのか分からない。どこまで正確に、共通の「あること」について話し合えているかがつかみきれないからなんです。親しい人と二人で、あるいは親しい人たちとのグループで話しているならば、ちょっとした感覚の曖昧さは、信頼感や安心感が埋めてくれる場合があります。でも、カルチャー講座やワークショップではそれを正確にお伝え出来る自信が（まだ）ありません。感じていることを、感覚と言語で説明できないと、相手に伝えるのは非常に困難だと思います。理論という媒体を仲介にすることによって、それに沿って、お互いの経験を重ねつつ、考える・調べることがしやすいでしょう。だから、自分でははっきりと自覚があったとしても、講座やワークショップで扱えないものもあります。例えば「クリスタルの個性と自分との相性判断」。講座で練習するテクニックを利用すれば、（手持ちのクリスタルならば、という条件つきですが）目を閉じたままで「クリスタル」「ローズクオーツ」「ムーンストーン」など、かなり高い確率で当てることができます。どういう時に身に着けると有効かどうかも身体感覚を使って診断することができます。だけど、こういう感覚はどうやってお伝えしたらいいんでしょうね・・・。１時間の講習で伝えられるものなのか、それともある程度の練習が必要なのか・・・それも、始めて見ないと分かりませんね。

2006.10.27
読書月間も残りわずか・・・

今月は私の誕生月なので、読書月間にした。娯楽本を好きなだけ読んでもよし、とルールを作ったので、仕事の本はそっちのけで、いつもは読まない類の本を取り混ぜて読んでいる。読書は楽しい。移動中、お風呂の中、布団の中に本を持ち込んで、物語が繰り出す世界にダイブする。楽天ブログの更新もそっちのけ、プライベートブログの更新も気まぐれに（これは元から）、次々と乱読している。深く考えずにひたすら楽しんで読んでいるだけので、書評までは書けないけれど、こんな本を読んでいる。〇『オアシス』生田紗代著河出書房新社主人公メー子は、高校卒業後バイトをしている女の子。仲の良い姉サキちゃんと共に、父親の単身赴任と共に一切の家事を放棄した母親（粗大ごみ）の面倒を見ている。主人公の住む世界は、理不尽に満ちている。主人公の行動も、正義と不正で出来ている。この小説の救いとなるのが、不在の父の弟である叔父の存在と、家族をかろうじてつないでいる食事の場面だ。そして、メー子と姉との軽快なやり取り、小説を通じて流れてくる音楽。イギリスのバンド「オアシス」を「オエイシス」と発音した姉に対して「死ね。もう一回」と言い直しを命じるメー子と「オアシス」といいなおすサキの会話は、昔の自分と妹を思い出させます。〇『サイドカーに犬』（猛スピードで母は）　長嶋有　文春文庫これまでに何度も読み返している。再読の理由ははっきりしないのだが、子供だった自分に会いたいと思うとき、この小説の「サイドカーに犬」という一遍が読みたくなる気がしている。この小説は、小学校４年生の女の子が、母親が家出をした夏休みに「洋子さん」という年上の女性と出会う小説だ。洋子さんを通して、女の子は未知の世界を体験していく。洋子さんは奔放な女性で、母親が禁じていたことを、あたりまえのようにやってのける。そして、母親はしないようなことを次々に母親不在の家庭に取り入れていく。洋子さんが、女の子を夜の散歩に誘ったときの会話は、こうだ。「コーラって、歯を溶かすんだってさ」「・・・・学校で言われた」「私も中学生の時いわれた」と洋子さんは言った。洋子さんはこの後、こう続けます。「ねえ、じゃあ石油はあと何十年でなくなるって教わってる？」「三十年」「私も三十年って教わった」あれえ、へんだね、と洋子さんは言って笑った。笑ってげっぷをした。良識的な人々の「常識」をげっぷと共に吹っ飛ばしてしまう洋子さんの存在は、多分、恐ろしくも魅力的だったに違いない。竹内結子主演で映画化されるらしい。あまりにも合わない・・・。イメージだと香椎由宇かな。ＲＣサクセションの音楽が流れる小説です。そのほか、タイトル＆気に入ったかどうか（☆が多いほど気に入り度が高かった）〇『孤独か、それに等しいもの』　大崎善生著　角川文庫　〇『文壇アイドル論』　斎藤美奈子著　文藝春秋　☆☆☆〇『ねじの回転　デイジー・ミラー』　ヘンリー・ジェイムズ著　岩波書店　☆〇『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』伊藤たかみ著　河出書房新社〇『笑う月』　安部公房著　新潮文庫　☆☆そのほか、仕事の本１冊。ブログを書いている暇が無いのはあたりまえだ。

2006.10.22
心因性の痛みとロルフィング

ロルフィングは、リラクゼーション、治療的効果、機能の向上、身体に対する気づきなど、様々な可能性が期待できる。心理面は積極的に扱わないものの、二次的効果として鬱や引きこもりの改善を経験した。クライアント側が変化を望んでいたこと、そして変化のタイミングとセッションのタイミングが上手く噛み合った結果としての改善だろうと思う。同じく心理面（精神面）を扱うが、改善が非常に困難だと思われるケースがある。心因性の痛みの軽減を目的にしたセッションだ。心因性の痛みの特徴は（１）痛みを感じる以外にもいくつかの症状を訴える（例：抗鬱状態にあるなど）（２）痛みの程度が多様で痛みの場所が移動性である（３）ストレスを合併している（４）患者は痛みを訴えることに固執しているである。参考サイト＊http://www.bentley28.com/shininsei.htmlうつ病が根源となっている場合もある。こういったケースでは、気持ちが痛みにフォーカスされるので、セッションの変化を感じることが難しい。セッション後に楽になった部分を探すより、残っている痛みを探してしまうことが多々あるし、促されて変化に気づいたとしても痛みを訴え続ける。前回のセッション後に感じた身体変化や感覚・知覚の変化をフィードバックしてもらうことが不可能な場合もある。「痛い」をくり返し、「別の側面からご自分の身体を観察してみてください」という問いかけには興味を持たない場合がある。ソマティクスの観点から見ると、クライアントは１０セッションが続いている間は継続的に、身体的・精神的（知覚的）にもセッションに参加している必要がある。それが不可能であり、変化をロルファーに委ねるのであれば、ロルフィングではなくなんらかの治療を受けることをお勧めしたい。痛みは、セッションにおける対人関係にも大きく左右される。クライアントの精神状態が安定しているならば、別途カウンセリングを受けながらロルフィングのセッションを受けていただくことも可能だが、不安定な場合にはロルフィング以外の方法をお勧めするのが良いかもしれない。心療内科に通うなどの精神的治療はもちろんだが、鍼灸治療によって、心因性の痛みが軽減したという研究がある。心因性の痛みが原因にある場合には、構造や機能の大きな変化は望めないだろうと思う。クライアントが、無意識にその痛みを手放すことを拒否している可能性が無いわけでもなく、その見極めは、経験を積んだ心理療法家に任せる方が無難だろう。ロルファーが独自に判断するのはかなり難しいだろうと思う。それを承知でクライアント／ロルファーが共にセッションしていくのかどうかの選択は、さらに難しいと思う。個人的には、セッション前にその可能性が分った場合は他に良いと思われる治療法をご紹介するようにしている。クライアント側が、痛みが心因性である可能性を言わずにセッションを受ける場合もある。セッションの途中で心因性の痛みだろうことが発覚した場合、そしてクライアント側にソマティックな参加の意思が見えない場合、セッションの継続が可能かどうかはお互いの話し合いになるだろう。痛みが軽減する可能性が見えず、構造や機能の変化に興味が無いならば、セッションを途中で放棄する形になったとしても無駄にセッションを受けていただきたくないと思う。１０セッションは、無条件に変化を約束するものではなく、むしろ変化のための期間であると考えられる。

2006.10.12
ムーブメントセッションの小道具

ムーブメントプラクティショナーとなってから、１０シリーズセッションの中に、積極的にムーブメントを取り入れてきた。ムーブメントのみのセッションは、バレエやダンスの方、身体技法（ゆる体操や武術など）の方とのセッションに主に利用している。ムーブメントセッションの面白いところは、自分なりに工夫が出来るところ。レシピに沿って行なう１０シリーズのセッションよりも自由だ。セッションでは、あれこれ小道具を使う。画像は、小さめのクッションと、園芸をするときに、跪いた（ひざまずいた）膝の下に敷くパッド。両方とも、ワークショップがあったサンタクルズから車で３０分ほど移動したところにある「ターゲット」というお店で購入したもの。日本で言うとオリンピックといったところか。大型ディスカウントショップで何でも揃っている。クッションとパッドの両方一緒に使うこともあるし、立位で使うこともあれば、マッサージテーブルに横たわったまま使うこともある。この二つは、数ある小道具のうちの一部。このほかにエクササイズボールやテニスボール、キャンディが入っていたアルミの箱、その辺にあったペンなどなど、目に付いたものは何でも使ってセッションをしている。ムーブメントのセッションは、ソマティクスの意味合いを理解し、かつ身体的にそれを捉えることができるクライアントさんにとっては面白いが、それが難しいとストレスを感じてしまうようだ。

2006.10.08
誕生日月

今月は誕生月なので、自分を甘やかすことにした。読書月間と称して、娯楽小説読み放題にしてあげた。大喜びで、ＰＣにも滅多に向かわず、娯楽小説をむさぼり読んでいる。ブログの更新がなかなか出来なかったのは、日々考えていることに、書くという行為が追いつかなかったからだろうと思う。過去２週間は単調な中にも、書きたいと思う事柄が幾つもあった。○朝日カルチャーセンター新宿の「メルロ・ポンティの身体論」先週水曜日（９月２７日）は、加賀野井秀一先生による講座があった。４回に渡って行われた講座の最終日だった。最終セッションが終わったのが１７時４５分、急いで着替えて駅に向かう途中にクライアントさんから電話が入り、クラスに着いた時には４０分も遅れてしまっていた。受講生のみなさんはすでに講義に集中している。空いている席を探すが、空いている椅子の上には持ち物が置かれているため、なかなか座る場所を確保できない。加賀野井先生は、至極真面目に「女性のオーガズム」に書かれた項について淡々と解釈していらっしゃる。オ、オーガズム・・・ですか？こういう話題の真っ最中に、加賀野井先生のまん前の席しか空きが見つからない。オーガズムに関する説明は続く。できれば席に硬く静座したまま、何食わぬ顔で（もしくは学問ですから、という顔つきで）講義を聴くというシチュエーションが良かったのに。内容に動揺しているのではなく、遅れたことに動揺しているフリで席に着く。人間を語るには、性は避けて通ることが出来ない営みであるが、いちいち反応してしまいそうなキワードが次々に出てくる。時々先生と目が合うので、神妙にうなづいてみせる。ジェントルマンな雰囲気を持っていらっしゃる加賀野井先生じゃなかったら、居心地の悪い思いをしたことだろう。なんだかドキドキした講座の後で、加賀野井先生と受講生の方たちとの談話に参加させていただいた。講座はお金を払えば聴けるが（大抵の場合）、加賀野井先生の私生活はお金を払っても聴けない。ここぞとばかりに突っ込んで質問してしまった。「私の嫌いな１０の言葉」の中島義道センセイとのエピソードや、電車のマナーを守らなかった野郎を退治した話や、お子さんの話など、楽しいお話を沢山聞かせていただいた。肝心のメルロ・ポンティは？って？　きちんとノートを取りました。セッションに活かしております。○横浜読売カルチャー講座の変更ばう犬のブログには「横浜クラス、危機一髪！」などと事実とズレたことが書かれているが、「ボディワーク入門」クラスが、来年１月期から時間帯とタイトル、内容を変えてリニューアルとなる。これまで参加してくださっていた方たちからは、月末の時点で「途中から参加します」という連絡をいただいていたので、継続はほぼ決まっていた。なのに「危機一髪」などと書いてある。これまでの受講生の方が気を使って「早く手続きしますから」とコメントしてくださっていて、申し訳なく思った。実を言うと、今期はお休みにしようか、という話し合いが行われていた。横浜、新宿、多摩と講座ごとに個性があるが、横浜の継続の方たちは、上級講座に移っていただく方がいいかもしれないと意見が一致していた。だから、継続の方がいらっしゃらなくてもなんら困ったことはなく、むしろその方が希望通りだったとも言える。ばう犬のブログには心底呆れ、多少、腹を立てた。自分に誕生日プレゼントを買ってあげようと、カルチャー講座の帰りに三越やそごうを見ているのだが、物欲が刺激されっぱなしで本当に困る。迷って迷って、挙句の果てに何も買わない、なんてことになりそうだ。

2006.10.06

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