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カテゴリ:思想
引き続き、先日の下條博士の講義から。
学生さん向けに、興味深い体と心の相互作用の話があった。 ●まずは好き、という定義。 服飾を目指した学生さんは、なぜそれを選んだのか。「好き」だからだろう。それでは「好き」とはどういうことか? 好き、魅力的、きれい、記憶に残る、などなど好きを現す言葉があるが、元になるメカニズムは同じ。「好き」とは、からだごと志向すること。 ●好きだから見るのか、それとも見るから好きになるのか? 検証のために、2枚の写真を用意し、どちらかがより魅力的かを判断してもらった。決めたらすぐにボタンを押す指示を出し、眼球の動きを追った。すると、ボタンを押す1秒くらい前から視線がどちらか一方に偏り始める。つまり、ボタンを押す直前までは自分の判断ができていないのにも関わらず、視線は一方を多く見ている。目の動きという身体反応が、意識よりも先に判断を示していることになる。「見るから余計に好きになる」ということだ。 好きとはからだごと志向すること、という言葉がとても印象的だ。 肌感覚、とでも言うのだろうか。理屈を越え、身体で得る情報が「好き」という情動なんだ。一目ぼれもこの類かもしれない。ちなみに私は、会ったその瞬間に「私はこの人が好きなる!」と確信したことがある。理屈の前に情動&身体(動悸)が反応していたのだから、これこそが好きになるってことなのではないか。 それから、つけたし。 「見るから余計に好きになる」という理論を応用し、好きな人が自分に会うように強制しても効果は無い。受動的に行動した場合と、能動的に行動した場合では、活性化される脳内部位が違う。自ら見るときと、見せられるときでは情動の起こり方が違うということなので、無理強いしても無駄ということになる。 ざんねんー!!単純に「会えば会うほど好きになってもらえる」なら、毎日会いに行くのになあ。ああー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.08 23:37:00
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