仕事のできないホテルウーマン

2009/06/30(火)02:42

IL FUNERALE 2

なぜじゃイタリア(50)

家の前の道路からもう走る車の姿はほとんど無く、バイクかタクシー、バス、パトカーだけが道行く4月8日。そこら中に警官(POLIZIOTTI)と交通警官(VIGILI)が立って交通規制をしています。あちこちが通行止めですからバスはどこを走るか分かりません。運転手ですら。昨日はLARGO ARGENTINAから歩きました。10時からローマ法王の葬儀でした。ヴァチカン市国、世界最小の独立国家と言うけれど、ちっとも独立国家じゃありません。ローマの中にあるから仕方ないけれど、そしてラテラノ条約がどんなものであるかは知らないけれど、ローマとローマ周辺の警察官、消防、救急隊員、清掃員、つまり公務員をごっそり使ってイタリアに依存しているわけですから。臨時採用でしょう、警備員やボランティアの誘導係もたくさんいます。通行止めのせいで、歩き回って入り込んだサンタンジェロ城では、ポーランド人のグループが何十人も地べたで寝ていて驚きました。職場近くまでやっとの思いでたどり着くとホテル周辺の道路はすべて閉鎖。入ろうとすると、「どこへ行くの?」と警官に止められました。あとで聞くと、身分証明を求められた人も同僚にはいました。昨日の新聞には付録として法王のポートレートが付いているものがあったし、ポーランド語の法王の遺言状も載るなど内容も歴史的なものだったので、みんなが記念に何部も買い占めていたのが印象的でした。ポーランド人のルーシーは自分がどれだけ感動しているかと法王の偉大さをとうとうとわたし相手に述べます。法王があまりに素晴らしい人だったのでこれだけの人々が葬儀に集まるわけだし、ボランティアの人々もたくさん集まってくるのよ、と。でも彼らが歩く道は彼らの捨てるゴミだらけ。モラルもマナーもない巡礼者の集まる葬儀じゃ、ヨハネ・パウロ2世も草葉の陰で泣いているんじゃないでしょうか。あとおもしろかったのは、屋台で小さいペットボトルの水が5ユーロで売られたりするなどという「ぼったくり」業者が出現したとの情報があったこと。そのせいでGUARDIA DI FINANZA(税務警備隊)が回ってきて、ホテルも取調べを受けました。法外な値段を客にふっかけていないか、というチェックをされるのです。幸いまったく問題はなかったのですが。お弁当を届けてくれるひとみちゃんはホテルまで入ることができず、途中の道までわたしが迎えに行く羽目になりました。通行止めされ警察官の立つガードレールの向こう側とこっち側でお弁当の受け渡し。ひとみちゃん、いつもいつもありがとう。5月以降もぜひお願いします。そういえばおとといはホテルにものすごい量の電波が流れており、もちろんそれは屋上のテレビ局の存在によるものなのですが、イローナの気分が悪くなり、ロベルタはヘルメットをかぶっていないのにかぶっている気がすると言うのです。携帯電話も通じなくなりました。鈍いわたしはしばらくは平気だったのですが、そのうち口の中が痛くなり、その理由が電波が歯の詰め物に届いているからだということが分かりました。マスコミでしょうか、ヘリコプターもぶんぶん飛び回っており、マッテオはふざけて「マミ、ほらほら、エアフォースワンだよ」と窓の外を指差して言います。ヴァチカン周辺のホテル、飲食店、キヨスク(新聞・雑誌取扱店)、そしてスリやジプシーは儲かって笑いが止まらないでしょう。ボランティアによって巡礼者に配られていた小さい水のペットボトルはどこかの会社が提供したのでしょうか。それともその会社も儲かったのでしょうか。空いたものは道端に投げ捨てられていますけれど。便乗商売といえば、法王が亡くなった翌日にはもう、「さようなら、ローマ法王」、「ありがとう、ローマはあなたのために泣く」といった大きな写真入りのポスターが選挙のポスターとともに街の至るところに貼られていましたが、これらも死ぬ前から用意してあったのでしょう。宗教心篤いかと思いきや。昨日は写真とメッセージ入りのTシャツが売られているのも見かけました。大騒動のほんの一端の話です。こちらでも葬儀の様子が読めますのでどうぞ。

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