仕事のできないホテルウーマン

2011/02/26(土)08:45

ROCCO E I MIEI VOCABOLARI

ホテルのお仕事(136)

うちの職場のベルボーイにロッコ(Rocco)という男の子がいます。外見はディズニーの『白雪姫と七人のこびと』の小人にちょっと似ていて生粋のローマっ子。何しろ「六個(ロッコ)」と、われわれには名前が覚えやすく親しみやすいのです。往年のイタリアの名画にルキーノ・ヴィスコンティ監督の『若者のすべて』というのがありました。この原題が“Rocco e i suoi fratelli”(ロッコとその兄弟、という意味)といいまして、主人公のロッコを若かりし頃のアラン・ドロンがそりゃあかっこよく演じたのです。ストーリーはちょっと重くて暗いのですけれど。ヴィスコンティにしては異色の作品で、ネオレアリズモっぽい出来で理解しやすいのでおすすめです。さて、その日本語の「六個」の意味を話していたのですが、名詞を数える時に数字のあとに付ける「個」だの「人」だの「羽」だの「台」だの何というのかしら、あれらを同僚たちに説明するのに四苦八苦してしまいました。5年もいるのにイタリア語がおぼつかないわたしはイローナに「マミ、あのね、ぜーんぜん分からないから」と言われ、イタリア語で上手く説明したサイトをプリントアウトして「ほれっ」と投げたのでした。いかんねー。しまいにイローナは「細くて長い物を数える時に使う“本”」を使って、「ラウルが1本、ラウルが2本」と数えていました。ちなみにラウルは背が高めの同僚。しかしまあ、こうしてイタリア語で日本語文法を教えることの難解さを実感するにつれ、思い出すのはひとみちゃん。イタリア語あんまりできないで来伊して1年目とかからイタリア人に日本語教えてたよねー。この人はまさにプロでした。日本人の子供たちにも教えていたね。ほんっと尊敬します。しかも当時若かったのにな。もちろん今も若いけどね。

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