2012/01/17(火)02:20
OMICIDIO A ROMA
18日早朝、アイルランド人の20代の女の子2人が
車に轢かれて亡くなりました。
場所はテヴェレ川沿いの道でサンタンジェロ城近く、
わたしの職場からもすぐそばです。
加害者はベンツを運転していた30歳の男、
飲酒運転、スピード出し過ぎ。
いやはや早朝までどれだけ飲んでどれだけ騒いでいたんでしょう。
アルコール摂取許容量の4倍以上の数値を記録したそうです。
轢いた直後はおそろしくなったのでしょう、一旦逃げています。
被害者の女の子たちはやはりお酒を飲んだあと
ホテルに徒歩で帰るところだったそうです。
そして轢かれたのは横断歩道を渡っているところでした。マスコミでとりわけ取り上げられたのが、加害者青年の父親の発言。
息子が2人の若い観光客の命を奪ったことに対して
「大変なことをしてしまった」、
しかしこう続けます、
「息子はごくごく普通の子なんです。
あの日の夜はわたしたちと一緒にピッツァを食べて、そのあと出かけました。
夜更けに出かけることはあの世代の子たちなら誰でもすることです。
そのあと本当に何が起きたのか、誰と会っていたのかは知りません。
わたし自身どうしたらいいか分かりません」。
さらには、「普段は下戸と言ってもいいくらいだ。
だからどこで飲んだのか、誰と飲んだのか想像もつかない。」
彼が下戸ならわたしは何だ?
この父親、息子が明らかに人を殺していながらちっとも謝罪していないんです、
やっぱりイタリア(謝罪してしまったら罪を認めたことになるから)。その「ごくごく普通の子」、刑務所になんか入りません。
なぜなら先の発言者、つまり彼の父親は地元の有力者で、
元ローマ第17地区(ウチの職場やわたしが住んでいるのアパートも入る)の
地区会長、さらには元交通警官でもあったからなのです。
ウチの社長一家をはじめ、同僚たちもよく知っている人だそうです。
弁護士を付けて根回ししちゃえば、
かわいい息子は家に隠れているだけでいいのです。
自宅拘留という名目になっています。これに対して同僚たちは「冗談じゃない」と憤慨していました。
大方がそう思うでしょう。
同時に「しかしどうにもならない」とみんな言います。
イタリア人って、わたしが思うに、みんなが文句を言いつつも、
結局コネや根回しで物事が動くことに対して諦めを抱いているので、
批判や何やらはとりあえずするものの、世の中がどうにも変化しないのです。
それに比べて日本は、最近ではありますが、
飲酒運転を取り締まる法律が改正されました。
そして誰かがミスや不正をすれば根こそぎ洗って
ネットやマスコミやらでこてんぱんに叩く時代ですから、
今回の事件のようなことは起き得ないと思います。
だからどっちがいいとか悪いとか言うつもりもありませんがね。一日経て、さすがにイタリアの世論も
こいつをブタ箱に入れようじゃないかという方に流れてきているようです。彼は自身のブログに、
(きっと)パパに買ってもらった愛車を手放し運転しつつ、
踊ってはふざけている自分の動画を載せていました。
どういう神経しているのだ?
そしてパパが懐から出す金ってもちろん国民の血税ですよねえ。
死んだ2人の女の子は決してうかばれんよ。
そして彼女らのご両親はこんなイタリア社会をどう思うかな。
決して許しはしないでしょう。さてこのフリードリヒ・ヴェルナレッリ青年の今後はいかに?この記事をイタリア語で読む
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