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Romance夢紀行

Archangel's strom /ナリーニ・シン あらすじ


Archangel's Storm【電子書籍】[ Nalini Singh ]
※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、
内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

第1章 「しー、静かに。ここに隠れているのよ、何を聞いても出てきてはだめ」母親に言われて、床板をあげて入るスペースのなかで待っていた。変なにおいがしてきて、いつまで隠れていたらいいのか不安になって、とうとう我慢できなくなって、隠し扉を全身の体重をかけて押し上げてみると、そこで見たものは・・・。

第2章 ドミトリとオナーの結婚式と披露宴が、ラファエルの大邸宅の庭で行われています。この日ばかりは、ラファエルは花婿付添人として主役をドミトリに譲り、セブンたちはお祝いのため全員集合しています。またハンターのオナーの付き添いはエレナ。そしてこの日仕事についていないハンターたちはみんな集合して和やかに過ごしています。

インドの大天使ネハのもとに潜入させているスパイからジェイソンに連絡がありました。ネハの隠遁した伴侶エリスが殺され、ネハが一線を越えてしまったようだと。

ラファエルと書斎で落ち合ったジェイソンは、事情を伝え、部下が逃げる隙を作るため、また状況をさぐるためにネハに連絡してもらいます。ネハは以前からスパイとしてのジェイソンの手腕を高く評価していて、ジェイソンをスカウトしていたようですが、ジェイソン自身は興味を持てないでいました。再度ネハの伴侶の前妻の子供マヒヤを交換条件として表示して、誘いをかけてきます。ラファエルはいったん返事を保留にします。

ジェイソンは血の絆、という古い慣習を利用して、ネハの義理の娘でもあり姪でもあるマヒヤと、ひいてはネハといわば血縁のような関係を結び、部下では潜り込めないネハの宮廷の深部にまで探りを入れたいとラファエルに提案します。血の絆を結ぶことで普通は関係が感情的な深みにはまってしまうため、それだけの価値がないのではないか、またジェイソンの忠誠心が引き裂かれてしまうような事態や血の絆を公に裏切ったということになると、不死の者の世界では尊敬されなくなってしまうため、居場所がなくなってしまうという危険もあり、ラファエルはジェイソンのことを思って渋りますが、ジェイソンが自分は誰かと感情的に深みにはまるとも思えないし、情報を収集するだけであれば、裏切るような事態にはならないのではというので、今まで制約なしにやらせてきたのだから、今回も自分で決断するがよいとジェイソンに判断をゆだねます。

第3章 披露宴はたけなわ。ドミトリは妻となった女性を熱く見つめています。そこへジェイソンがやってきて、心話でエリスが死んだこととネハの宮廷に行くことになったと告げます。ドミトリはネハの宮廷にいたことがあり、娘のアナウスカが子供の天使を殺そうとして処刑されたあの事件以前の大天使は素晴らしいレディで、仕えるに足る人物だったと。

自分にはわからないやり取りを知りたがるオナーに、二人きりで話そうと誘うドミトリ。オナーがドミトリをすっかり支配してしまったフェラーリでの熱い出来事のアンコールを考えているようです。長い寄り道になりそうです。

第4章 ジェイソンは10数時間飛びつづけ、ネハの領土へ到着しました。闇に溶け込む彼の翼と密やかさで門衛をすりぬけ、詩心などないはずの大天使のティタスががその美しさに感嘆していたネハの宮殿まで進みます。宮殿の高い位置に置かれた大理石の椅子にはネハが待っていて、ジェイソンを迎えてくれました。

宮廷を抜けて美しい庭を通り、別の建物でネハに義理の娘のマヒヤに引き合わされました。彼女は宮廷では重要な位置におらず、軽んじられていますが、血脈という意味ではネハの身内にはもうパートナーのいない人物は彼女しかおらず、選択肢が限られていたようです。

マヒヤはハニー色の肌に黒髪、茶色いピューマのような目を持った女性ということしかジェイソンは知らなかったようですが彼女はこの世に二つとない素晴らしい翼をもっていて、エメラルドと鮮やかなコバルトブルーに黒の斑点が降りかけられた孔雀のような翼です。にもかかわらず不思議と宮廷で目立たずにいるようです。「彼女を驚かさないように、ジェイソン。ときには役に立ってくれる子だから」とネハに命じられます。

ネハが古の儀式を執り行います。この誓いはジェイソンの核となるラファエルへの忠誠心と相反するものではないものの、仕事の間はマヒヤに対しては誠実でいるということをジェイソンは考えているようです。本来は首筋にナイフで傷をつけ、血と血を触れ合わせるというもののようですが、ジェイソンがネハが首に刃物をあてることは拒否したため、ジェイソンの手首の傷と、マヒヤの首の傷をあわせ、お互いの血に唇をあて、儀式が完了しました。

儀式完了後すぐに「エリスはどこです?」と切り出したジェイソンをネハは笑いますが、衛兵に厳重に警備されたある部屋に案内します。そこには香がたち込められていました。

正装していたエリスは手をしばられ、ギグを噛まされ、舌と唇が切り取られ、腹は切り裂かれて内臓は取り出されていて、どうやら意識があるうちに拷問されたようです。

マヒヤが呼ばれてネハと共に駆け付けたときには、その状態だったということで、死体にポーズをとらせたのはネハではない様子。ジェイソンは、宮殿に入り込むことは不可能ではないにしても、ネハをとことん挑発するに等しいこの行為を誰が行ったんだろうとジェイソンは考え込んでいます。

ジェイソンのそばで、マヒヤは自分の後ろに立たないでくれと言われたことを考えています。ラファエルのスパイマスターでもあり、腹心の部下である7人衆のひとりで、だからこそ能力が高いだろうということは想像できるけれど、それ以上のことは知らないにもかかわらず、血の絆を結んだ相手のことを・・・。

実質的な監禁部屋となっていたエリスの私室をあらためながら、マヒヤの忠誠心のありかや自分にとって脅威となりうる存在なのかをジェイソンは内心はかりつつ、エリスの事情を聞いていきます。マヒヤは非力で宮廷のプリンセスにもかかわらず、ジェイソンと同じように犯行現場で犯人がやったことの道筋をたどることができるようで、ジェイソンは好奇心をくすぐられます。

ネハと伴侶になってから150年後くらいの大天使ウラム主催の舞踏会で、自分が一番大事というナルシストの男性にエリスは目をとめたようです。愛ではなかったようですが、エリスには自分のプライドを慰撫してくれる相手が欲しかったのか。ネハからの罰として、監禁された上に彼の宮殿に出入りする女性はネハとマヒヤだけ、使用人も男性のみになったと。さらにエリスは羽を奪われたという噂があったので、ジェイソンはマヒヤに確認すると、自分はそのころまだ生まれていなかったので聞いた話ではそういうこともあったと。ただ再生したあとに、ネハがまた羽をもぐようなことはなかったと言っていました。そう説明したマヒヤにはもっと口にしていない秘密が他にもあるようで・・・。 

エリスの監禁されていた部屋の地下には沐浴室があり、成人の天使が5人でもつかることのできる巨大な湯船があり、マヒヤがネハの使いでエリスを訪ねると彼はよくそこのお湯につかり、くつろいでいました。そんな時も「まだ生きていたのか」程度の声掛けしかしてくれなかった父親でした。実際ネハからは悪意しか向けてもらえず、今生きているのもジェイソンの監視という任務があるゆえだとわかっています。失敗したら、彼女の遺体はうずめられてうじの餌になるのでしょう。 

ジェイソンが沐浴室で指輪を見つけますが、マヒヤはそれがエリスのもので、あまり気に入っていない品だったから置き忘れていたのかもと言うと、盗むつもりなど毛頭なかったんだがとジェイソンに言われます。彼を悪く言うつもりはなかったのですが、もしもジェイソンが彼女を衛兵たちのまえで侮辱しようと思いついたとしても、宮廷の他の誰からも戦うすべを教えてもらうことなく過ごしてきた無力な彼女にはとどめるすべはありません。ただし衛兵たちはネハの命令で衛兵隊長が鞭でマヒヤのことを打ち据えるのを見てきたので、簡単には驚かないだろうとマヒヤは考えています。

マヒヤは若いころに宮廷で唯一できた友人がいましたが、ある時めちゃめちゃに傷つけられて、彼の傷は回復したけれど、もう二度とそんな愚かな真似はせず、宮廷の変わり者として孤高を保つことに決めています。一時期同棲していたアラブという男性のことは愛していたのに、ネハのご機嫌をとるために彼女を手に入れ、また捨てたようです。今の彼女の夢は、ネハが彼女に注ぎ込もうとしている毒に毒されず、自分に悪意を向ける人のいない自分自身の家をもち、誰か愛する人をみつけ、希望と喜びをもって人生を送りたいということです。

山側の宮殿の一角に、マヒヤが家とは思っていないアラブと同棲していた住まいがあり、ジェイソンにもその一角が準備されていました。

第7章 ジェイソンは薄暮のなか近くの空を偵察にでながら、マヒヤには見せなかったもう一つの指輪のことを考えています。ネハの嫌いな石であるオパールを中央にすえた繊細な金の指輪を。エリスはネハによって贅沢に着飾らされていましたが、その装飾品などをどう扱っているかなどには関心がなかったため、エリスはおそらく自由になる財産を持っていて、自室の出入りを制限している衛兵から恋人を通すよう目こぼしさせる位のことはできたかもしれない。ネハの嫌いな石を使ったアクセサリーを身に着けるという愚かなことをする人物だとしたら、おそらく若くて、宮廷人かもしれないけれど、中心にはいない立場かもしれない。
また、エリスの指輪を見せたときのマヒヤの反応のことも考えています。注意深く隠されていたけれど、彼女はおとなしいだけの人物ではないのではないかと。

第8章 ラファエルは自室のバルコニーでエレナがタワーのほうにジグザグに進みながら戻ってくるのを感じていました。エレナはランサムの狩りの仕事を手伝っているようです。ラファエルとは携帯電話でやり取りしていますが、そのやり取り以上に「捕まえた!」という心に伝わってくる喜びの声のほうがエレナの状況を直に伝えてくれていました。

大天使のファヴァシからは、まだギルドの仕事を続けているなんて、貴方の伴侶という立場にいる自分の名誉をどう思っているのかしら?とラファエルは言われましたが、大天使の伴侶という存在は本当にまれな存在で、現在そういえるのはイライジャのハンナとエレナだけ。伴侶のそばに控えて力になるという様子をみせていないので変わっていると思われているようです。

進化しているリージャンや1人かけた大天使10人衆、ラファエルの母であり、蘇った古の大天使であるキャリエーンなど、予測できない事態に備えて、ラファエルは自分の新しい力を意識的に強めていかなくてはと考えています。

エレナはマンハッタンを離れているジェイソンのことを心配しています。ラファエルは、ジェイソンはドミトリとは真逆で、ドミトリはいろいろなことに情熱を傾け感じているがゆえに生きる倦怠感を覚えているが、ジェイソンは何も感じないことで自分を守っている。永遠に生きるためには、義務と任務と間の生きがいのようなものを見つけないといけないが、簡単ではないだろうと考えています。

第9章 ジェイソンが宮殿で朝を迎えました。中庭に出てみると、以前は丹精されていたらしい素晴らしいもので、おそらくここはエリスのものだったのではないかと。彼はおそらく何かやって、より狭い監獄へと移されたのだろうと。

マヒヤが出てきて、朝食になります。この宮殿には通いの掃除婦が週1日くるだけで、使用人はいないようです。旦那様と呼びかけるマヒヤに、ジェイソンと呼んでいいと言いますが、血の絆がより親密なものに見えると二人ともいらぬ視線を集めることになるので、周囲に人がいないときだけ名前を呼ぶことにしようということになります。ジェイソンが出されたミルクティーに口をつけてみて『水が欲しいな』と思ってお皿に戻すと、すぐにマヒヤは扉の向こうに下がり、何も言わずにブラックティーを用意してくれました。彼女は周囲に思われているよりも頭がいい、とジェイソンは感じます。

捜査のためさらに宮殿を調べたいので案内してほしいとジェイソンに頼まれますが、宮廷に顔を出すとネハに悪意を向けられる可能性がありそれは避けたいマヒヤですが、ジェイソンを監視するのもネハからの任務のため、内心板挟みになりつつ、ジェイソンを案内することにします。

第10章 宮廷まで出向くとネハは普段陳情をうける玉座にいませんでしたが、マヒヤがそこから少し離れた場所にいるネハをみつけます。葬儀には喪の色の白は身に着けないようにと言いつけられますが、父としての親愛の情がないマヒヤにはそれほど難しいことではありません。

ジェイソンには、捜査の状況を尋ねられて監獄の衛兵に問題があったのではないかという疑いを話しますが、ネハに対しても遠慮のない話しぶりに、マヒヤはそばで見ていてハラハラ。ネハは傲慢な7人衆はこれだからというかんじで、意外に冷静に受け止め、7人衆のリーダーのドミトリはどうしているのかと追及の矛先をかえます。自分の結婚式に呼ばないとは無礼ではないかと糺します。ジェイソンは、ドミトリからお悔やみとしてエリスの素晴らしい剣舞が忘れられないと伝えてほしいと言われていて、ラファエルとネハが不仲の今、自分がネハの宮廷で歓迎されるかわからないが、よろしければ訪問させていただきたいと言っていたと伝えます。ドミトリのネハへの信頼と敬意を表明する機会を設けるにはやぶさかではないようで、自分たちの不和はあくまでもラファエルとの間のことでドミトリ夫妻が訪問しても罰しないとネハは答えます。マヒヤも、お悔やみの言葉を聞いて、自分も昔エリスとネハが宮廷で剣を交わしている様子をみたことがあり、二人の息の合っているのが見受けられ、似合いの組み合わせだと感じたことを思い出していました。

ネハはマハヤが守らなくてはならない子供でなくなった日に、彼女を目障りだと罰することにし、背中を血だらけにしました。彼女は罰を受けている間、生き残ることだけを唱えていましたが、その罰は明らかに目に見えるものではなくても、彼女の身体に痕跡として残っていて、他の宮廷人たちに見せしめとしても効果を与えていたのでした。おそらくマハヤが他の天使ほど高くも早くも飛べないのは、そのせいかも。

自分たちの宮殿に戻ると、ジェイソンは「君はなぜ、ネハに自分を屑のように扱わせているんだ?」と口にしてしまいます。マヒヤはジェイソンに殴られたようなショックを受けます。彼女の反応を見て失敗したと思いますが、監視の目があるため、さらに「しっかりしろ」と叱咤し、庭へと場所をうつします。

捕食者にはへつらってはだめなんだ、大天使というのはいうなれば惑星の頂点にたつ捕食者だ。「臆病者だと言われて感謝しなくてはいけないかしら?」と内心激怒しながらマハヤが反撃すると「君が死んだふりをする必要はないはずだ。」彼女は間違いなく気骨があるはず。

その後宮廷の表舞台である宝石宮殿に二人は向かい、ジェイソンは歓談する人々の話がさりげなく聞けるようにバルコニーに抜け出します。彼には恋人がいたんですって。・・・まさか、誰なの・・・恋人をネハに厳しく罰せられたコマル・・・それ以上のことは聞こえてこず、マヒヤにどういう人物か確認すると、紹介するわとのこと。宮廷の中心部にいるようになって50年ほどのヴァンパイアで、抜群の美人。黒髪に赤い唇、カーブのある体形と、ヴァンパイアらしさがにじみ出る魅力的な女性のようです。紹介されてすぐにひれ伏さなかったジェイソンには口をとがらせてみましたが、「あなたが味わったことのない快楽を見せてあげるわよ」と誘いをかけてきたので、「エリスも喜ばせてやったのか?」とジェイソンが返すと真っ青になりました。

第11章 誰がそんな噂を流したの? ネハに知られたら何年も生かしたまま拷問されて、処刑されてしまうわ! とコマルはパニックになります。「誰が言ったんだかしゃべらないと、またお前を鞭打ってやるわよ」とマヒヤを脅しますが、「私があなたならほとぼりが冷めまで宮廷とは距離を置くわね」と助言します。ジェイソンはその慌てぶりや対応で、エリスの不義の恋人ではありえないだろうと考え、そのまま彼女を見逃します。彼にとっては横にいる複雑な女性のほうがよほど興味深い存在です。

なぜ鞭打たれたのかと聞かれ、高い地位の宮廷人に十分な敬意を払わなかったからとマヒヤは説明します。敬意を払うに足る人物だったのかと聞かれるといいえと。それならむち打ちの価値はあったわけだとジェイソンに言われると、いいえ、私はむち打ちの後で彼の足元にひれ伏して、許しを請わなくてはならなかったの。戦いを選ぶことを学んだわ、と。

君はずっと戦い続けてきたんだなとジェイソンは小さくうなずきます。「申し訳ない。君が乗り越えてきたことや、生き残るための選択をした事情を知らなかった」

誰も彼女に謝罪したことなどなく、この男性が謝ってくれたことにマヒヤは絶句します。

彼はマヒヤに魅了されていました。危険さ、変わりやすさ、そして驚くべき知性。脅威だ。その上、彼の刀に指を滑らせたがっている。血が滲もうと、火の近くで踊ろうと、彼女を壊すかもしれない危険を冒そうとしている。

先に進むジェイソンについていこうとすると、そばにいる衛兵が自分をみてうなずきましたが、ジェイソンには気が付いていないようです。ジェイソンは花の茂みの陰に立っているようでしたが、誰からも気が付かれていません。思わず彼のすべらかな羽に指を伸ばしそっと撫でると、ジェイソンの全身が緊張でこわばります。

マヒヤが自分のやってしまったことに赤面すると、すぐ手をひっこめ、私にはこんな権利はなかったと謝りますが、ジェイソンは自分たちは血の誓いを交わしていて、羽や肌よりも血はもっと深いところにあるものなのだから、君にはその権利があると話します。

宮廷内を調査しながら、二人はネハのプライベートエリアで立ち入り禁止となっている区域に入り込んできてしまったため、マヒヤは慌てますが、ジェイソンを見失ってしまいます。ネハに言い訳のきかないほど奥深くまで入り込んでしまったところで、マハの毒蛇がドアノブになっている地下室の入口でジェイソンに見つかります。どこか人の目のないところで話そうと、ジェイソンはマヒヤを誘います。

第12章 ジェイソンが連れてきたのは砂漠のオアシス。飛んでいく途中、ネハの領土の人間たちには手を振ってもらったり、この土地で天使は歓迎されていることが伝わってきます。意外にもネハは寛大で公平な統治者として領民には慕われているようです。

時間を節約するために、御託は抜きだ。自分が切り札を持っている。ネハが自分の宮殿の地下に隠しているものはなんなんだ? とジェイソンは切り出します。マヒヤはネハが隠しているものが何なのかは知らない、ただ地下の近くは震え上がるほど寒くて、様々なものが凍っていたと注意深く答えますが、ジェイソンはそこに何か隠していることがあるのではないかと感じます。

マヒヤは自分が観察し、集めてきた情報を切り売りして、自分の身の安全をなんとか確保してきたのです。この秘密を話す見返りが欲しいと話します。

マヒヤはエリスが亡くなってしまった今、私には彼への脅迫やいたぶりの材料という価値がなくなってしまったので、早晩ネハに殺されるでしょう。どこか安全な場所へ行きたいと話します。ジェイソンは行きたいなら行けばいいと言いますが、マヒヤにはどこにも行く場所がありません。隣の領土はリージャンの領土ですが、ジェイソンがリージャンの名前をだすと、マヒヤは震え上がります。

ジェイソンは、その秘密に価値があったなら、ラファエルに話してやってもいいが、マヒヤ自身はネハのものであり、ネハが好きに扱う権利があり、彼女の命だけのためにラファエルがネハとことを構えることはない。と残酷なまでに正直に伝えます。

マヒヤはショックを受ける一方で現実をみつめ、生き残るための自分のたった一つの手段かもしれないジェイソンを信じて、ネハと地下で話していたのは幻影のリージャンだったようだと話します。

話し終わると、ジェイソンはさっとその場を飛び立ち、あっという間に見えなくなってしまいます。

第13章 ドミトリとオナーはラファエルが結婚のお祝いとして贈ってくれたトスカーナの土地でハネムーンを過ごしています。ドミトリが目覚めると横にはオナーがいて、彼女を妻と呼び、夫と呼ばれる喜びをかみしめています。永遠に続いてほしい。この幸せは守り続けると固い決意を持っています。
オナーにはすぐにでもヴァンパイアになってほしいと言っていたドミトリですが、少し気持ちに変化があったようです。オナーが命の危険を感じつつヴァンパイアになりたいという決意をしたのは、その状況がさせたからなのではないか、本心から永遠の命を得たいと、ドミトリのそばにいたいと思って決意してほしいと思うようになったようです。

第14章 幼いころ、暗闇が怖かったジェイソン。でも父親と同じ黒い翼をもち、夜間警備隊?の血を引くあなたなら、いつか暗闇に親しみを覚えるようになるわ、と母親に言われていた通り、150歳ほどになるころには暗闇でも昼間と同じようにみえるようになり、さらに自分の意志で暗闇を身体にまとうことができるようになっています。

宮廷の一角では、明日がエリスの火葬の日とは思えぬほどにぎわっている舞踏会がひらかれています。エリスの親せきには誰も葬式の案内が来ていない、ネハが嫉妬のためにそうしているのだというような噂が流れていましたが、ジェイソンは彼女自身が深い悲しみにいて他者の悲しみにまで思い至らないのではと推察しています。

舞踏会の会場にさりげなく入り込み、マヒヤをそれとなく視線で探すと、客の間を歩き回っていた彼女が突然立ち止まり、まっすぐにジェイソンに視線を向けてきました。彼女にはジェイソンを感じ取る不思議な能力があるようです。

割り当てられた自室のバルコニーに戻り、マヒヤに忍び寄ると、彼女はバルコニーの手すりを握りしめ話し始めます。「彼女の名前はオードリー。背が高い金髪のバンパイアで、ネハの宮殿にきて20年くらい、でも宮廷の中心にはいなかったの。エリスの殺された日に姿を消したみたい、同じ日に参加するはずだった2つのイベントにいなかったから。でも彼女が来なかったことを友達は誰も気にしなかったみたい。友達関係は薄そうね。彼女がエリスを殺したと思う?」「無理のない推論だな」

「ねぇ、これで私は利用価値が出たかしら? あなたの中のリストでは、私の命はどのあたり?」ジェイソンは「君には価値がある。取引成立だ。」と伝えます。ジェイソンはもう、取引はどうあれ彼女抜きでネハの宮廷を去るつもりはありませんでした。

飛び立とうとするジェイソンに「オードリーなら部屋にいないわよ、今朝確認したの」とマヒヤは言います。ラファエルにすら細かいことを説明せず行動する彼ですが、マヒヤには説明の必要を感じて「他の用事がある」と言い置きます。「待ってる」とマヒヤに見送られ、不思議な気持ちでジェイソンは飛び立ちます。

ジェイソンは海岸の岩の裂けめにひっかかっていた遺体を発見します。遺体にはあざがいくつもあり、亡くなる前に痛めつけられたことがわかります。エリスの事件同様、犯人の怒りが感じられます。遺体をそのままに宮殿に戻るのに抵抗を感じますが、ネハには手ぬかりなく対応しないとならないため、遺体に必ず自宅に帰してやるからと約束して、帰宅します。

マヒヤの部屋のドアは開いていて、中に入るとお茶の支度がされてマヒヤが待っていました。ジェイソンは他の客を待っているのかと思い内心がっかりしますが、マヒヤは温かく微笑みかけ、あなたを待っていたのよと説明します。ジェイソンは自分の接近を感じ取る特別な能力がマヒヤに備わっているのではと警戒しますが、マヒヤ自身は、秘密でもなんでもないの、空を見つめていたら、貴方がみえたから、それだけと言います。ただジェイソンは宮殿には誰にも見られずに戻りたいと思っていたから誰にも見られなかったはずなのに、十分に近づく前に自分のことが見えたということは、マヒヤの視力はこれから天使の中でも際立った能力へと発達していくのは間違いないと確信します。彼女のやさしさや静けさ、静かに石に流れ落ちる水のような印象だけで判断するという間違いを犯していたと彼は気付きます。彼女は強力な不死の二親から生まれている存在だったと。

第15章 エリスの部屋の衛兵からは事件の夜に不審な出入りや出来事はなかったという報告があがっていました。血だらけで部屋を出てきて衛兵に誰何されないのはネハだけです。もしくはネハの命令をうけた衛兵の誰か。ジェイソンは彼女がエリス殺害の黒幕ではと思いますが、マヒヤは「私も最初はそう思ったんだけれど、それだとあなたが調査を担当する理由がわからない」と話します。ネハはあなたをラファエルから引き離したかったのかも?そのくらいしか思いつかない。「いや、それはない。私が愛を誓った相手を殺すような人物には絶対につかえないということを彼女は知っている」

「マヒヤを自由にする手段も見つかっていないので、まだこの宮廷を離れられない。嘘をつく必要はないが、ネハに直接誰何されない限りは細かい事情を話さないでくれ。おそらく、この事件を君を処刑するために利用することはあっても、君に調査するようには頼まないだろう」とジェイソンは話します。

マヒヤはネハが自分を処刑するのに言い訳は必要ないと感じていますが、ジェイソンは違う意見のようです。マヒヤはマハにとって養い子であり、天使の世界では自分の子供と等しく考えられるので、マヒヤを理由なく殺せばネハは子供殺しという汚名を背負いつまはじきにされる。パワーゲームを愛するネハは、自分の世界からはじき出されることは望まないだろうと。

宝石宮殿でまた遺体が発見されます。今度は天使によって空から落とされたような遺体の状況ですが、オードリーとは違い首が切り落とされていました。ただオードリーと同様、亡くなる前に暴力を振るわれていたことが見て取れました。エリスの火葬の準備を山頂で終えて宮殿に降りてきたらしいネハがいたので、ジェイソンは遺体が誰なのかわかるか確認すると、自分のおつきの侍女の一人のシャブナムだと言います。自分はこれから数時間でエリスの遺灰を撒き号泣するエリスの母を支えなくてはならず、オードリーの親族にも悲しい知らせを伝えなければならないのに、さらにこんなことが・・・。怒りをひらめかせつつ、悲しみの重さを強く感じている様子です。ジェイソンは侍女たちに事情聴取する許可を得ます。

宮殿に戻ると「侍女たちは奥庭にいるわ。全員まとめて話を聞いたほうがいいと思うの」とジェイソンが何も言わないうちにマハが話しかけてきます。宮殿では噂が風のように伝わるようです。

庭にいる侍女たちを観察し、本当に悲しんでいるのはシャブナムの親友である一人だけで、あとは悲しんでいるだけだとしぐさから読み取ります。彼女たちは一族を代表して宮廷のパワーゲームに参加していて、ご褒美はネハの厚意だったり褒美で、とても知的だとマヒヤはアドバイスします。

あとで身構えていないときに個別に話を聞くことにして、ジェイソンたちはその場を離れます。

第16章 シャブナムが殺されて得をする人物はいるか?とジェイソンに命令調で問いただされ、マヒヤは内心イライラします。前回ジェイソンと距離が近づいたと思ったのは幻想だったのかも。「シャブナムの後釜を狙う人はいつでもいるけど、人選はネハが担うし。シャブナムは長くネハのお気に入りだったわ。一族の後援者たちも満足していたと思う」と助言します。

逃げるときのために翼を鍛えておけと助言するジェイソンに、自分は300歳で若いということもあるけれど、どんなに訓練しても大天使のネハにはかなわない。だけど二度と私自身を弄らせたりしない。リージャンに蝶の羽をピンでとめるように私をコレクションのひとつにさせたりしない。

ジェイソンはリージャンに彼女のコレクションのために甘い死を約束されましたが、断ったことがあり、イリウムも誘われたようです。ジェイソンは彼女のおぞましいコレクションを彼女の宮廷でみたことがあり、それをみてよく生きてリージャンの宮廷を出られたなと驚いています。

ネハにはジェイソンの監視を言いつけられているため、マヒヤはネハに報告へ向かいます。

第17章 「自分の娘が殺され、エリスにも先立たれた今、自分のしてきた業、カルマがめぐっているのだという人もいるらしいけど・・・」というネハに私はあなたの温情で宮廷においていただいている身ですからと、感情をおさえて言葉少なに応えるマヒヤ。ふっといなくなってしまったネハでしたが、そこにアラブが現れました。どうやらエリスの後釜を狙っているようですが、それだけでなくネハの伴侶になったらお前をペットとしてもらい受けるとマヒヤに宣言します。マヒヤは、ネハは姦通には容赦しないことで知られているから、エリスの拷問よりも恐ろしいことが起こるかも?と反撃し、心落ち着く厩舎へと向かいます。

ラファエルがジェイソンを心配して、ネハの宮殿にヴェノムを送ってきました。ヴェノムはネハへの挨拶の品として、シンバルを叩く猿のおもちゃを披露します。これは何なの?とネハは冷たく対応しますが、この辛い日にあなたに必要なのは笑いではないかと思いましてとヴェノムは説明し、ネハはその品を自室に運ぶようにと侍女に言いつけ、態度をやわらげます。ジェイソンからみて、エリスとアナウシュカ以外でネハからこんなに寛大に扱われている人物はヴェノムしかいないようです。

マヒヤも、ヴェノムのような眼と能力を持ったヴァンパイアをもっと生み出したいとネハは何度も挑戦したけれど成功しないと聞かされていると話します。

ジェイソンはヴェノムと庭で自分がこちらに来てからの状況を聞き、こちらにやってきたマヒヤにヴェノムを紹介します。その気になれば魅力的にもなれるヴェノムには、マヒヤに手を出すなとさりげなく釘をさしていました。

第18章 ジェイソンは123歳のときに、当時はまだ大天使ではなかったけれど女王ではあったミカエラにダンスを申し込んだそうです。当時から、彼女は世界一美しいとしても、残酷だということはジェイソンも気が付いていて、自分の凍り付いた心がその美しさで溶けるかどうか試してみたかったようです。思いあがった若造だと思ったとしても、ミカエラは付き合ってくれ、戻ってきたジェイソンにラファエルはその場で殺されていてもおかしくなかったんだぞと言って数百年もののスコッチを一杯飲ませてくれ、ドミトリと二人で思い切りからかってくれたのでした。そんな思い出が7人衆の間の絆を作ってきたのです。

自室にもどるとマヒヤが正装をして、たくさん料理の並べられた食卓の前で待っていました。これからネハの晩餐会に呼ばれているんだけれど、私はこういった会では胃がよじれるような思いがするので食欲がわかないし、貴方は調査で目や耳を使うのに忙しいでしょうから、食べてくださいとすすめてくれます。ちょっと心配事があったから手を動かしていたくてたくさん作ってしまったと。アラブが晩餐会に同席することに神経質になっているようです。ジェイソンは自分が食事をきちんととれるかどうか気にしてくれる人が長らくおらず、嬉しく感じているようです。晩餐会にはきちんとした格好をしたほうがよいというマヒヤの助言をうけて、食後には黒のスーツに着替え、お互いの羽が触れ合うほど引き寄せて彼女をエスコートしてくれます。

第19章 「今後自分たちの関係をどうしたいのか、今晩返事を聞かせてほしい」とジェイソンに言われ、どぎまぎしているマヒヤ。ジェイソンは二人の関係について何も約束してくれていないけれど、自分を尊重してくれて、残酷なほどに嘘はつかないでいてくれた。彼が提案するものに愛が介在しないのは残念だけれど、マヒヤの過去に甘い言葉で残酷な誘惑を仕掛けた人物に比べたらよほどいいわ。返事はイエス。

食卓の上に乗った母の首のまなざしはうつろで、机やいすは血みどろ。
彼は悲鳴を上げず、仕掛け扉の上をふさいでいた身体の一部分がまとっている洋服が明るいアメジスト色だということを見てとりました。
アメジスト色。彼の母がいつもお気に入りだと話していた色。
ジェイソンがなかなか正しく発音できなくて、舌足らずな言い方を嬉しそうに笑っていたっけ。

「ジェイソン! 昼食が覚める前に食べてしまって」

晩餐会に向かうマヒヤをエスコートしつつ、ジェイソンは「アラブのことは心配しなくてもいい。彼は孔雀のようなものだ」と話します。「ところでエリスは本当に君の父親なのか?」と聞くと、「彼が私に死んで欲しいと思っているとわかるまではそう思っていたけど」とマヒヤは言います。ネハに毎週会わせられるハンサムなエリスに嫌われているとわかるのは、子供心に悲しいことだったと。たぶんネハは私を使ってエリスを傷つけていたの。アナウスカとエリスの関係はどうだったかというと、彼女が幼いころはうまくいっているように見えたけど、私と知り合う頃にはエリスが弱くて腰抜けだとみなすようになって軽蔑をみせていたわ。でもネハに対しては全くそんなそぶりは見せなかった。たぶん、母親に対してはそのような行動を見せないくらいには賢かったのだとジェイソンは内心考えています。

事件のあと、リフュージに連れてこられたジェイソンは口がきけない子だと思われていました。実際にはどうやって話すのか思い出さないといけないだけだったのに。幼い彼は、周囲を観察して注意深く耳を傾けることで話す能力を取り戻し、その経験がいまの彼を作っているともいえるのでしょう。

晩餐会の会場で、二人にライスが近づいてきました。ネハが信頼する側近のヴァンパイアです。ジェイソンは彼と面識があり、マヒヤは和やかに挨拶をかわします。彼の伴侶のブリジットは暗号製作者?で、ジェイソンがスカウトしたいと思うくらい優秀な人物のようです。逆にジェイソンのことをネハがスカウトしたがっているのではとライスは目の奥には冷たい計算がひらめかせつつ、口では温かに対応します。

ライスのことを教えろというジェイソンの言い方にマヒヤはカチンときます。命令を受ける立場ではないと抗議すると、君とは同等の立場ではないと挑発します。マヒヤは貴方が欲しい情報を握っているのは私。だからいま、切り札は私が握っているのよと逆襲します。

彼は、父がキッチンで朝食を作っている妻を戯れでダンスにさそい、母も嬉しそうにしていたこと。「降ろして! ホットケーキが燃えちゃう! 」と笑う妻に「降ろしてくださいと頼まなければ」と言っていた出来事を思い出し、「教えてくれ、・・・頼む」と言い直します。彼女とは踊ったことはないが、自分の忠誠心を他の誰よりも勝ち得ているから。

第20章 ネハに晩餐会ではアラブの隣に座って旧交を温めるようにと言われますが、ネハの別のお気に入りであるクイン先生と歓談のお約束をしているのでといい抜けます。思ったほど悪くなかった晩餐会が終わりホッとして、ジェイソンとマヒヤは自室に戻ろうと宮殿の前庭に通りがかったところ、上空からなにか動くものを感じます。マヒヤは最初は鳥かと思いましたが、落下して、地面に激突したのはアラブでした。

ジェイソンは即座に犯人を追って飛び立ちますが、彼の飛翔力をもってしても、追いつくことができず見失ってしまいました。戻ってみると、マヒヤが衛兵に指示して現場の立ち入りを制限し、現場を保存していました。衛兵に明かりを持ってくるように言いつけると、ジェイソンは遺体をあらためます。首や腕、翼が切り取られていてジェイソンやライスであれば再生したであろう傷ですが、アラブの限界を超える怪我だったようです。

ネハは鏡を凍らせるほど激怒していて、どんな相手が大天使である自分を相手にゲームをしているのかと、ジェイソンに捜査の全権を与えるから犯人を見つけるようにと指示します。ジェイソンは、確認したいことがあるので、しばらく宮廷を離れることをお許しくださいと申し出て、ネハは私の信頼を裏切らないようにと言って許可を与えます。ジェイソンはエリスとオードリーを殺したのは、ネハではないと思うようになっています。

アラブの当日の行動を確認すると、晩餐会を早めに引き上げたアラブはドアから庭に出て、煙草をのんでいたことが複数の衛兵の証言をつなぎ合わせてわかりました。そこに天使が飛んできたようなのですが、アラブが特に警戒する声などを出さなかったので、友人なのかと思ったということです。おそらく女性だろうけれど、ひょっとしたら細身の男性かもしれない体形だったと衛兵の一人がジェイソンに証言しています。

ネハの伴侶を狙っているアラブが女性と密会していることも考えにくく、彼自身のスパイとやむを得ない理由で会っていたのではないかと推理してみますが、確かなことはわかりません。

第21章 ライスの意見では、ネハが例え激怒したとしても、エリスを殺したのはネハではない。もし彼を殺していたとすれば、間違いなく彼女は狂気に陥っていたはず。彼を心から愛していたから。ジェイソンも幼いころに愛の狂気を目の当たりにしていました。この世で一番恐ろしく危険な感情は愛だと確信しているようです。この世は狂気に陥った大天使二人には耐えられないというライスに、ジェイソンは心の中でリージャンだけでも十分だとつぶやいています。

部屋に戻ったマヒヤは、長い時間をかけ遺体の匂いを身体から落とそうとシャワーを浴び、着替えをするとバルコニーに出ました。手すりの下に召使を見かけたので、アラブのことで何か気が付いたことがなかったか話を聞こうと降りていきます。本当のことを話しても罰せられたりしないから協力してほしいと話すと、しぶしぶライスに忠誠を誓っている配下とアラブが話しているのを聞きました。地位を提供することを見帰りに裏切りを提案してましたと教えてくれます。ライスはこのことを知っているのかしら? と尋ねると「存じません」と返ってきますが、マヒヤはライスが知っていることを確信します。

その後帰宅したジェイソンにマハは聞き取りの内容を伝えますが、ライスは普段ライバルを蹴落とすときにはもっと優雅にやるのが主義だから、このやり方は彼らしくないとマヒヤは言っています。

マヒヤはくつろいでもらおうとジェイソンにコニャックを用意しますが、今晩はお茶でいいと断られます。彼は黒いTシャツにジーンズ、裸足という装いで、今までにないほどくつろいでいる様子です。ジェイソンの髪を縛っている首筋に目がいき、「髪をほどいてもよいかしら?」と尋ねると首筋を傾け彼女を受け入れてくれます。髪を指ですくマヒヤに、「どの程度?」とジェイソンが尋ねます。「君は、俺が君の唯一の脱出路だといった。だからどの程度の気持ちの強さなんだ?」「自由のためなら、なんでもするわ」「決意はかわらないな?」「ええ」

マヒヤは心のどこかで、この件が終わった後には二人の関係が終わることを悲しく思っていましたが、彼の目に浮かぶ尊敬のまなざしをみて満足しています。ジェイソンも自分のためにマヒヤに悲しんでほしくないと、荒々しい砂漠の嵐のような二人の関係の深みにはまらないでほしいと考えています。「二人が関係をもっても、君と一緒にはいられない。そんなことはできないんだ」「わかってる」

マヒヤに唇をやさしくこすられ、ジェイソンは必死に自制心を呼び起こしつつ、マヒヤに寝室の鍵をかけるように言い、自分はバルコニーの鍵をかけ、扉に手をかけているマヒヤの首筋にキスを落とします。

第22章 ゆっくりとマヒヤを愛していくジェイソン。彼女の中で高まっていく興奮が、彼の血を湧きたたせ、熱い時間を過ごしました。

第23章 オナーは別荘の敷地で庭を耕すドミトリを眺めています。作業をしながら、イヤホン型の携帯電話で指示を飛ばしています。ハネムーン中でもタワーの仕事を完全に休めないようですが、ドミトリの中で自分が優先順位が高いということをオナーは理解していて、満足しています。

オナーは皿に桃などの果物を盛り合わせて、庭のテーブルにドミトリを誘います。血が足りないなら私から飲んでちょうだいというオナーに変化を前に君の体力を消耗させたくないから、血液パックを手配したとドミトリは言います。自分から飲まないなら、貴方と離婚するわよと脅すオナーですが、他のことは何でも君の言うとおりにするけれど、君の身体についてはダメだ。1週間に1度は自分のために飲むことを許すが、このことは交渉しない、と宣言します。オナーは2日おきならどうなのと綱引きをして、最終的には1週間に2回飲む、ただし愛し合うときにかみつのは別でということになりました。

オナーはハネムーン前に、ギルドの医師に相談し、これからヴァンパイア化される人間が知っておいたことがいいことなどのレクチャーを受けたようです。ドミトリは、「ヴァンパイア化したときに、過去の事件で出会ったような劣化してしまった悪い存在に、ひょっとしたら自分がなってしまうかもしれない」という不安をオナーが抱いているのではないかと気をまわしていますが、オナー自身はヴァンパイアのドミトリをみて、彼が女性や子供を傷つけたりしないことがわかっているし、どんなに変化したとしても人の根っこの部分はかわらないと感じているので、心配していないようです。

オナーは犯罪者たちによって傷つけられたけれど、サバイバーであり、被害者だったイングリードとは違う人格なのだと、ドミトリは改めて感じていました。「貴方の心はどこにあるの」とオナーに聞かれ、「君の手の中だ」と答えるドミトリ。私の心はあなたの手の中にある。そのことさえわかっていれば、大丈夫。永遠に一緒にいられるために手続きを進めましょうとオナーが言います。

第24章 めくるめく夜が過ぎた翌朝。ジェイソンは真夜中に立ち去ったようです。マヒヤは一人で目覚め、身支度をしているとネハの宮廷で一番年上のヴァンパイアのヴァンヒが部屋に現れました。この人物はネハ自身の乳母で、アナウスカやマヒヤの乳母でもあり、ネハに愛されているのでマヒヤ自身が愛情を抱いても問題ない唯一の存在です。

アラブはなぜ死んだのかしらとマヒヤが口にすると、ろくでなしにはぴったりの死にざまで、間違った場所に間違ったときに居合わせたのではとさばさばこたえています。ヴァンヒはすぐにマヒヤの寝室に落ちていた黒い羽を見とがめます。マヒヤはジェイソンは嘘をつかない人だから、というと乳母はあなたは大事にされる価値があるんですよと言ってくれます。

ノックが聞こえたのでマヒヤがドアをあけると、ヴェノムが立っていました。次のご予定のある場所にエスコートしましょうかと申し出てくれます。

ジェイソンもバルコニーに現れたので「出かける前に朝食を食べる?」と問いかけたマヒヤに「これから打ち合わせがあるので出かけるが、帰ってきたら会おう」と告げて、飛び去っていきます。

マヒヤにはネハからガーディアン宮殿の外にある廃墟になっている神殿に来るようにという呼び出しがカードで来ていたので、ヴェノムには「送ってもらうには遠すぎるから大丈夫」といいますが、どうやらジェイソンからマヒヤを見守るようにと頼まれているようで、ついていくことになります。ネハからの命令では立場上拒絶できないものの、この呼び出しにうさん臭さをかんじていたマヒヤは、久しくなかった誰かに見守ってもらうありがたさを心強く思っていました。

第25章 待ち合わせ場所には誰もおらず、単にマヒヤへと書いてあるカードが挟まれ、金色のリボンのかかった箱がおかれていました。マヒヤを守るためヴェノムは自分が荷物を調べようとしますが、ジェイソンの親友の彼を傷つける可能性は避けたいと、マヒヤは押し問答のすえヴェノムを後ろに下がらせ、自分で確認しようとします。ヴェノムの能力で荷物の匂いからは鼓動のする生き物や爆発物ではないことがわかりますが、まずリボンをほどき何も起こらないので今度は長い棒で荷物を動かし、爆風の可能性を鑑みて身体を伏せながら箱を開けてみると、箱に入っていたのはピンクのクマのぬいぐるみでした。

マヒヤが別行動にして、宮殿で落ち合いましょうというと、ヴェノムはジェイソンから護衛するようにと命令されていると渋りますが、自分とジェイソンの携帯番号の登録された携帯電話を貸してくれて、困ったときに連絡するようにと言ってくれます。

マヒヤが向かったのは、天使が羽を収めるスペースもない小さなお店のならぶ市場の路地でした。目的のお店に着くと、子供が店の前で遊んでいて、母親と思われる店主の女性が対応してくれました。マヒヤがピンクのぬいぐるみを探しているんだけれどと聞くと、ピンクで、足に星のマークが刺繍で縫い取られたぬいぐるみでしたら、自分が作ったもので、1週間ほどまえに赤い髪の無口なヴァンパイアが購入してしまい、一点もののため、同じ品はお売りできないんですと申し訳なさそうに言いました。同じものが欲しいので、譲ってもらえるか直接聞いてみるとマヒヤは女性に話してその場を離れます。

第26章 ラファエルは母のキャリエーンと装置?をつかって会話しています。キャリエーンは近代的な機器を嫌っていますが、狂気に陥っているかどうか疑わしい状態の彼女に力を使わせたくないとラファエルが説得したようです。

母でもある古の大天使は、息子に訪ねてきてほしいと話しますが、いまは仕事が忙しいのでこういう形が精いっぱいですとラファエルは返事します。あなたがニューヨークの統治に関与しないなら私もアマナットの統治には関与しません。ただしエレナに手を出したら、貴女でも許しません。私はもう昔の自分ではありませんからと釘を刺します。

キャスケードという大天使がバラバラになってしまう現象を知っていますかというラファエルの問いに、キャリエーンは重い口ぶりでいま起きている現象はそうではないかと思っていたと話します。リフュージの歴史家が指摘しているように、これは10人衆の間での力の不均衡がきっかけで起こる現象で、ある天使の能力は飛躍的に高まるけれど、ある天使にとっては受け止めきれなくて破滅してしまうのだ、と。

第27-28章 自室のバルコニーでヴェノムから報告をうけるジェイソン。エリスを殺したのはリージャンだろうか、ただそうだとするとネハとは比較的よい関係を保っていたのに、なぜだろうか。それにエリス殺害は個人的怨恨が感じられる点もそぐわない。声を聞きつけて、マヒヤが食事の支度ができたと呼びに来て、その日の出来事を話します。

ジェイソンへの愛をはっきりと自覚したマヒヤですが、この関係をずっと続くとも思ってはいません。夜をともに過ごしたジェイソンは朝になると消えていました。乳母のヴァンヒのところに立ち寄ると、もうマヒヤも当時の事情を知ってもいいころかもしれないとネハとマヒヤの母について話をしてくれました。

マヒヤの母はネハの妹だと思われていますが、実は双子だったそうです。ネハのほうがいつも二人の関係ではつねにリードする側だったものの、幼いころは仲の良い姉妹だったそうです。それがいつしか競争心を抱くようになり、それは周囲の人間関係も巻き込んでいったと。最初はどちらが流行のドレスを着るかというようなことだったのが、次第にエスカレートして相手の陣地の人材を奪い取るようなことも。マヒヤの母は空を飛ぶ生き物に特別な親和性をもつ能力者だったようですが、若いころは空を飛ぶハヤブサが喜んで肩に止まりにきたのをみたとヴァンヒは言っています。ところがネハに宮廷での地位を約束されたヴァンパイアがあるとき空からとんできたハヤブサに目をえぐり取られる事件があったようです。どうやらその人物はマヒヤの母のボーイフレンドだったようですが、その時の叫び声がいまでもヴァンヒの耳をついて離れないそうです。

かくも強大なパワーをもつ女性二人の心を虜にしたのが、人の心すら取引の材料にするようなエリスだったとは、天も不公平なことをするとヴァンヒは嘆いていました。

マヒヤの母は当時ネハよりは力が劣っているように見えたものの、乳母は彼女の能力は遅咲きで、おそらく彼女が生きていたら大天使になったのはネハではなく彼女だっただろうと断言していました。エリスのことがあってから、傷心の彼女は自分が女王として君臨する自分の領地ではなく、のちに大天使となったファヴァシの領土に滞在していたようです。

またマヒヤの母に頼まれて秘密にしていたことをひとつ明かしてくれました。自分は本当は彼女の子供ではないのかと警戒するマヒヤに、彼女の名前の秘密を話します。常々マヒヤはネハが自分の名前を選んだ理由は皮肉なのだろうかと考えていましたが、ヴァンヒによれば彼女の本当の名前は、マヒヤ・ギーク、喜びの声というような意味で、それを聞いてマヒヤは自分自身が母に望まれていた存在なのだと初めてわかり、喜びの涙を流します。ヴァンヒはセカンドネームを明かすと、意図がネハにわかってしまい反対されると考え、マヒヤとだけネハに命名を提案したそうです。

第29-31章 ジェイソンはネハの宮殿から出てネハの領土のはずれで、ラファエルに1000年仕えて義務を放免され、いまは世界中を放浪している天使のカップルを見つけることができました。彼らはラファエルの幼いころを知り、支えてきた人物たちでラファエルへの揺るがぬ忠誠心と愛情をラファエルと、ひいてはラファエルを支えるセブンたちにも向けてくれています。ジェイソンは彼らに赤い髪のヴァンパイアについて質問して、何らかの答えを得たようです。

マヒヤへのプレゼントにも思える品がクマだったのはなぜだったのか、それがマヒヤへの厚意だとするなら・・・。ジェイソンとマヒヤは証拠を集めるうちに、マヒヤへ害をなした人物やネハと親しい人物にターゲットが絞られているように思えてきます。そしてひょっとしてマヒヤの母が生きているのではという推論に到達しました。

そして今度は、ネハの可愛がっている大蛇たちが宮殿内でバラバラにされたのが発見されます。

第32-34章 ドミトリはオナーのヴァンパイア化をラファエルに頼むことにしたようです。安全で干渉されない特別な家にオナーを連れていき、ラファエルがそこへ飛んできていました。普通の人たちは点滴など事務的なやり方で、もしくはドミトリのように自分の意志に反して、または苦しみながら変化を乗り切ることもありますが、オナーはドミトリに注意深く見守られ、穏やかにゆっくりと変化していっているようです。

マヒヤは母ニヴラーティのお気に入りの城だったという湖上の城をジェイソンと訪れます。自然に埋没している城は、外部からは見つけることが難しい状態でしたが、二人で部屋を探索してみると、それほど古くない真紅のリボンが床に落ちていたり、いかにも誰かが使っていたような宝石や髪留めなどが広げてある化粧台など、人の存在が感じられる気配があり、「娘へ」と表書きした手紙を見つけます。

マヒヤはその場では開封しませんでしたが、ジェイソンと帰宅する途中で開封すると母からのメッセージが記されていました。長く考えていたネハへの復讐を始めること、その間は安全な湖上の城にいること、ジェイソンを選んだあなたの選択は素晴らしいといったようなことで、マヒヤは突然現れた母の存在とそのメッセージをどう考えてよいのか戸惑いますが、そんな自分を黙って背中で支え続けてくれるジェイソンを絶対離したくない、と改めて思うのでした。

第35-36章 アオドハンがジェイソンへの助言のために宮殿に立ち寄ってくれます。6か月ほど前からあちこちの宮廷で年配のヴァンパイアや天使たちが密かに消えているらしい、と。ジェイソンはニヴラーティの部下たちの忠誠心が薄いという話を聞いたことがなかったので、各地の宮廷に散っていた昔の部下たちが密かにニヴラーティの軍隊として集結しているのではと気が付きます。

ジェイソンは熟慮の末、ニヴラーティの復活をネハに伝えることにします。マヒヤは安全な場所に置いておきたかったものの、本人がネハのことは自分のほうがよくわかっているし、母のことも知りたいとついてきます。

マヒヤはネハにろっ骨を折られ、いたぶられるものの、ジェイソンは新しくわかった事実と引き換えにマヒヤを私のものにしたいと交渉します。さらにネハが自分を伴侶にと望むのですが、マヒヤの密かなアドバイスによりエリスをいまだに愛している大天使の伴侶にはなれないと丁寧に辞退して、ネハにニヴラーティの事件への関与の可能性を伝えます。

激怒したネハは宮廷の奥深くに向かい、暗闇のなかの空の独房を見つけるのでした。

セブンとしてニューヨークに帰還するときマヒヤを帯同できる同意を、最終的にはネハから取り付けることができました。

第37-43章 マヒヤとジェイソンはネハの気がかわらないうちにと、急いで荷造りし、秘密の抜け道を使って宮殿を抜け出します。そこでニヴラーティが軍を率いて宮殿に向かうところに行きあい、マヒヤと母子の抱擁を交わします。

ニヴラーティの復讐心は母子の情愛よりも強く、ネハの軍勢と全面対決となります。お互いに殺しあうまで終わらないように見えた戦いでしたが、戦いの余波で町や町の人たちが被害を受け、死んでいく様子をみてマヒヤが争いを止めるしかないと決意します。

二人にこのまま戦い続ければ、しまいには二人の死体が人間たちの競技場の見世物のようになることになりますよとマヒヤとジェイソンで説得し、二人はいったん引き下がることにします。

ニヴラーティは当然のようにマヒヤを伴おうとしますが、マヒヤは内心躊躇しますが、そのままついていくことにします。ジェイソンはニヴラーティと一緒にいれば安全だということと、マヒヤに決断する時間を与えようと考えているようで、彼はネハと帰還します。

さびれているものの、砦としての機能をもつニヴラーティの根城に数時間かけてたどりつきますが、マヒヤは母に子ども扱いされ、やることを指図されていることに気付きます。彼女との関係を作るには、自分が自立しなくてはと、赤ちゃん扱いされるなら、扱いが違うだけでネハの宮廷にいるのと変わらない、ここにはいられないと感じます。

翌日の早朝、バルコニーから飛び立ちますが、すぐさま将軍らしき天使が寄ってきて、押しとどめようとするので、アナウスカのわがまま全開モードの様子を思い出しながら、さりげなく振り切って、飛び出します。
 
将軍が追い付いてきて、身体が痛んでも振り切ろうとすると、そこにジェイソンが現れ、将軍との間に立ちふさがってくれました。ニヴラーティも追いついてきて一緒にいるようにと言いますが、いままではただ生きてきただけ、羽ばたかせてほしいとマヒヤが頼むと、受け入れてくれます。ジェイソンは彼女のやり方は間違っているかもしれないが、間違いなく君のことを大切に思っているよと言ってくれます。

第44-45章 二人はニューヨークのラファエル邸に滞在中。ジェイソンとラファエルが書斎で打ち合わせをしている一方で、エレナとマヒヤは屋上で着陸の練習をしながら気安い会話を交わし、親交を深めています。マヒヤはニューヨークの美しさに感嘆しているものの、自分の居場所はここではないと感じているようです。またエレナとラファエルの絆の強さも二人の交わす視線の様子から感じ取っているようです。

ジェイソンは、ラファエルに仕える見返りとして、もしも自分が壊れてしまったら、この世からあとかたもなく消し去ってほしいという昔の約束から解放すると伝えます。ラファエルは静かにその決断を喜んでいました。

マヒヤがエレナの温室でひとりくつろいでいると、ジェイソンが密やかにやってきました。彼女によさそうな家があるというと、マヒヤはお金を貸してね、必ず返すから。でも私はお金を持っていないから、あなたに奉仕してお返ししていかないとね、と誘惑します。ジェイソンは、君名義の口座を作って自立できる財産をつくろう。貸しは、払えるときに払ってくれたらいい。利子はゼロでいいぞ。と申し出ます。マヒヤはそんな不公平な取引はないわ、あなたが破産しちゃうと笑いますが、君と貸し借りの関係がある限りは、自分の家があるわけだからとジェイソンが答えます。

新しい家の下見にきた二人。宮殿でも豪邸というほどの規模ではないものの、石造りの小ぶりな建物で、広い庭が緑にあふれ、ハーブ園もあるようです。マヒヤが自分は馬が好きで、今後飼育していきたいし、将来的には馬の交配や、家に馬をおいておけない天使やヴァンパイアからペットを預かったりしたいと夢を語ると、ジェイソンは静かに彼女を裏庭に連れていきます。そこには完成した馬場があり、感激で涙をこぼすマヒヤ。

管理人のヴァンパイア二人は、温かいマヒヤにすっかり魅せられ、ここが家になることを喜んでいましたが、ジェイソンも自分が仕事に出る間、守りの能力の高い者たちに安心してマヒヤを任せられることが肝心だと考えていました。

エピローグ 新しい家で二人は絆を深めあう日々を過ごしていましたが、ネハとニヴラーティの関係は予断を許さず、リージャンの動向も不気味で、ジェイソンが仕事に戻らなくてはならなくなりました。エリスがネハに何度も空しく愛をささやいていて、おそらくニヴラーティにも同じことをしていたのだろうと考えると言葉だけの誓いは虚しいと感じていたマヒヤ。ジェイソンは愛しているとかロマンチックなことは言ってくれませんが、不在の間のあれこれに心を砕いてくれ、帰れるようになったらこの家に帰ってくると約束して飛び立っていきました。そして雲の上から素晴らしい声が。胸が痛いほどの美しさでマヒヤは涙が止まらず、気が付くと膝をついていて、口にはしょっぱい水があふれています。でもこれは哀しい涙ではなかったのです。ジェイソンがマヒアへの愛を表現した歌でした。

すぐに帰るよ、プリンセス。(終)


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