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Romance夢紀行

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Archangel's Legion/ナリーニ・シン あらすじ

<あらすじ>Angels are falling from the sky in New York, struck down by a vicious, unknown force.Vampires are dying impossibly of disease.

Guild hunter Elena Deveraux and the Archangel Raphael must discover the source of the wave of death before it engulfs their city and their people, leaving New York a ruin and Raphael’s Tower under siege by enemy archangels.

Yet even as they fight desperately to save the city, an even darker force is stirring, its chill eyes trained on New York…and on Raphael. Rivers of crimson and nightmares given flesh, the world will never again be the same…

※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、
内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

第1-2章 ラファエルが二つ話があると切り出されたエレナ。ラファエルの母キャリエーンから舞踏会の招待があり、おそらく2週間以内に出席しなければならないだろうということ。もう一つは大天使ミカエラが妊娠してラファエルの領内での保護を求めているが、どうするか。子供の父親はダハリエルらしいですが、彼女の伴侶ではないため公的な力も立場も持っていないようです。自分を殺そうとしたミカエラにはそばに寄ってほしくないと思うものの、赤ちゃんのために受け入れようとエレナはラファエルに話します。

二人が本宅である天使大邸宅に帰宅すると追いかけるようにして不穏な黒い雲が近づいてきました。強風にあおられた鳥が地面に打ち付けられます。空を飛んでいた天使も。ラファエルは即座に救出に向かい、エレナは執事のモンゴメリやスタッフと協力して屋敷を救急手当の場にしつらえ、運んだり看護を手伝ったりします。ハドソン川に浮かぶ多数の被害者たち。

数時間経過し、被害状況がわかってきました。アオドハンの報告によれば天使は880名ほど負傷し、大抵は癒えるだろうということですが、5名死者が出ました。不死と思われがちな天使ですが、残念ながら若いほど傷が癒えにくく、墜落したときに車に轢かれてしまったり、ビルの屋上で機械に巻き込まれてしまったりと現場に居合わせた人間もできることはしたようですが、難しい状況だったようです。犠牲者の5人は数としては少ないように思えますが、天使は数十年にひとりしか生まれず、貴重な存在で、大切に育てられるので大きな悲劇と受け止められています。

ラファエルは表には出そうとしないものの、自分が守るべき対象を守り切れなかったと強い怒りと悲しみを感じていてエレナはそばで支えています。二人は着替えると負傷者を見舞い、ラファエルの新しく芽生えた癒しの力を与えていました。 

第3-4章 今回の悲劇は自然現象のように思えますが、ひょっとしたら大天使の目覚めの反動でおこった現象かもしれないし、リージャンや誰かの新しい能力による陰謀かもしれないという疑いをラファエルは持っているようです。

エレナほどには睡眠を必要としないラファエルですが、そばにいてほしいと願うエレナのために夜は寝室で休む習慣ができたらしい二人。ラファエルは昔の夢をみますが、夜明けにエレナに起こされ、悲劇のあとでもニューヨークにかわりはないことを対外的に示すためにラファエルは精力的に外で活動し、エレナはハンターとして活動することにします。

エレナはギルドアカデミーでクロスボウの授業を教えた後、半分だけ血のつながった妹から半泣きで携帯に連絡をもらい、心配で飛んでいきます。ギルドの学校の外にいた彼女を抱いて本宅まで飛んでもどったエレナは、温室に連れていき、優しく事情を聞きます。どうやら父のジェフリーに褒めてもらいたくて、ギルドでよい点数をとったことを報告したら、私から見えないところに行っていなさいと言われてしまい、傷ついたようです。エレナ自身はもう父との関係は修復できないところまできてしまっていますが妹と父との関係は壊さないようにしたいと注意深く言葉を選びながら妹を慰めていました。

ギルドに戻ろうとしていたところに親友でギルドディレクターのサラから連絡があり、ハンターのひとりが堕ちてしまいランサムのバックアップに入ってほしいとのこと。狂気に落ちたヴァンパイアが自分の妻と子供と一緒に焼身自殺をしたのをみて、乱心してしまったそうです。


第5-7章 タワーからギルドへの応援要請もあり、2つの目的で動くことになったエリーとランサム。まずは乱心したハンターが立ち寄ったという超高級住宅街のヴァンパイア宅に調査に入ると、屋敷には腐臭のようなにおいが漂い、そこには傷から膿がわいているヴァンパイアの死体が。通常は天使同様に、人間の病気やウィルスには罹患しないヴァンパイアなので、エリーはアオドハンに連絡をとると、15分後にはリフュージの医療担当の天使といっしょに直接現場に飛んできました。死因の究明のため死体は彼に任せ、ランサムは情報収集に、エレナは父親ジェフリーから連絡が入ったのでそちらに向かい、あとで合流することにします。

自分の娘を勝手に学校から連れ出すなと言い出したので、エレナは父親を慕う娘に自分の視界から消えろというようなことを言うものではないと言います。ジェフリーは父親に向かってなんて言い草だと、お前の母親のマルグレーテはそんな口の利き方を教えたはずはないと激怒します。エレナは内心の悲しみを隠して、自分は家から放り出され、父親はいないと。同じ会話を10年後に別の娘としたくなければ、娘に優しくしなさいと言い置いてその場を離れます。

身のうちにわき上がる激情にまかせ、妹を抱えて飛び上がった時とあわせて2度も翼に負担をかけてその場から飛び立ったため、エレナの翼は傷ついてしまいました。本宅のバルコニーに倒れ込むようにたどりつくとイリウムが心配して寄ってきますが、追い払ってしまいます。今度は心配したラファエルがやってきて、これから戦争に向かうという大切な時期に何をやっているのだとエレナを強く叱り治療してくれます。もっと自分を大切にしてくれと激怒するラファエルですが、エレナが妹が父親に傷つけられたので、彼に会ってきたと話すとすんなり事情を理解してくれます。エレナが父親を愛していないならさっさと排除してやるのにというラファエルに、父親を愛しているのかどうかわからないけれど、彼には彼を必要としている妻や娘たちがいるからとエレナは話します。

領内の非戦闘員は中心部から少しずつ移動させているとラファエルが説明すると、エレナは彼らがのけ者にされていると感じないか心配しますが、天使としての礼儀やマナーがなっていないとしても、彼女はその心持ちが大天使に伴侶にふさわしいとラファエルは感じ入っていました。

戦争に向けて、ラファエルはイリウムにはタワーにいる天使の飛行部隊を訓練させているようです。

第8-11章 大天使のイライジャが伴侶のハンナを連れて夕食にきました。来る戦争に備えて、お互い大天使10人衆のメンバーである二人が協力体制をとれるのか、お互いの意見と立場を見極めたいという目的です。10人衆の伴侶はハンナとエレナだけ。特殊な立場の悩みを将来的に話し合えるような仲になれたらとエレナは考えています。また大親友のサラとは、いつか寿命でわかかれなければならない時がくると改めて感じて胸を痛めています。ハンナはエレナに親しみを込めて対応してくれ、4人の食事と会合は夜明けまで続き、ラファエルはリージャンの能力を打ち消すという新しい能力のことを話し、イライジャはパンサーと意思を通じさせたり、鳥を使役できる能力が生まれたと打ち明け、お互いの信頼関係を確認し、共同戦線を張ることに合意します。
エレナはサラから、不審死の情報を受けます。ランサムが5人を発見したようです。治療師が病気で亡くなったヴァンパイアは梅毒が死因だったとラファエルに報告しますが、天使の墜落死、病気にかからないはずのヴァンパイアの伝染病死と立て続けの出来事に、ラファエルはNYに戦争を仕掛けられていると確信します。

ミカエラが領土に侵入したという報告があがり、ラファエルは出迎えて、屋敷に案内します。妊娠した彼女を保護するつもりでしたが、ミカエラが誘惑するそぶりをみせ、触れてくると、彼女が妊娠していないことがわかります。真夜中までに退去するようにと通告すると、いつか後悔するわよと毒づきますが、立ち去らせます。
 
第14-15章あたり 墜落死してしまった天使たち、不条理にも命を絶たれたヴァンパイアの5人、事業を傾かされた女性、さらにはラファエルの大天使然としたやり方にも内心激怒しているエレナです。気遣ってくれるイリウムに当たるわけにもいきませんが、不条理ということでいうならイリウムは自分の翼を奪い、愛する女性から離れているようにという命令を下したラファエルを恨んだのではないかと尋ねます。イリウムはその女性を愛しているようでしたが、周りに秘密を話さずにはいられなかった彼女は若すぎたし自分も気が付いた時点でラファエルに相談すれば、あそこまで問題にならなかった。ラファエル自身もあの罰をイリウムに下すことで苦しんだし、それを理解した自分は自分の人生で一番自分を恥ずかしく思ったと。過去の出来事でエレナから距離を置かれてしまうのは、そのほうが自分にとっては悲しいと。

帰宅したエレナの鬱屈した気分をラファエルは感じ取り、口をつぐむエレナをどこまでも厳しく追及します。娘二人が殺されたことで自殺してしまった母マルグレーテ、さらに自分を家から放り出した父ジェフリーのせいで、エレナは自分が大切に思う人に不幸を運び、愛する人に突然見捨てられてしまうのではないかという不安を心のどこかに感じているとラファエルは感じています。

エレナが口に出せなかった不安は、他の大天使たちの攻撃的な能力が顕在化してきたにもかかわらず、ラファエルにはリージャンの能力を打ち消すといった受け身の能力しか現れないのは、定命だった自分がそばにいるからなのではないか、自分がラファエルの急所になってしまうのではということでした。ラファエルは自分が他の大天使の能力の発達に触れたからといって裏の意味はないし、自分のもつ能力のすべてがなくなったとしても、エレナにそばにいてほしいと話します。

二人は大喧嘩しますが、ラファエルは羽ごとエレナを抱き上げ、ニューヨークの空高くまで飛翔し、エレナが反対するのを無視して一気に下降します。タワーすれすれに、また飛び上がり、今度は飛行機すれすれに。エンジェルダンスを踊るうちに、二人の心はほぐれて、お互いだけに気持ちが向かったようです。

第16-21章あたり アマナットに出掛ける前日、エレナがラファエルの顔に黒いシミのようなものを見つけます。最初は汚れかと思いますが、ふき取ろうとしても取れず、何かの病気かウィルスなのではないか、エリにみてもらおうと言いますが、大天使は病気にはかからないものだから彼を悩ませるだけだと取り合いません。エレナは心配しています。

ヴィヴィクのヴァンパイアへの転化が認められ、エレナは彼が転化したらどうなるか、おそらく転化できてもギルドハンターとしての本能は残るかもしれないし、消えるかもしれないリスクや、身体不自由な面はおそらく解消されるにしても普通に動けるようになるには大変な時間がかかるだろうという厳しい見通しなど伝えます。またヴァンパイアとして使える100年については、ハンターとしてギルドに奉仕するのと同時にタワーでの仕事を優先してもらってセブンに仕えてもらおうとエレナは考えています。ヴィヴィクは自分があける仕事の穴のことを心配しますが、サラが彼の代わりに6人補強してくれることになり、彼は転化してもらうことにします。

古の大天使キャリエーンの領土アマナットに日本経由で入ったラファエルとエレナ。二人を七人衆のひとりナージルが出迎えてくれます。エレナと入れ替わりにアマナットに常駐しているナージルのことをエレナはまだよく知りませんが、獰猛な雰囲気をまとい、危険な捕食動物のような動きをするヴァンパイアです。ラファエルにエレナの血を飲んでもいいかと聞いて駄目だと言われると「これほど若い天使の肉をあじわったことがなかったのに」と真顔で残念がっていたので、エレナが冗談だと思っていると、本気のようです。彼がどんな人物かラファエルに聞いても、わからないことが多いほうが退屈しないだろうから、自分で知り合うといいと教えてくれません。エレナが誰にヴァンパイア化されたのかナージルに尋ねると、昔に亡くなった天使で、首を掻っ切って、心臓を食べてやった。他の部分はまずいから他の連中に与えたと応え、単なるヴァンパイアではないのではないかとエレナが身構えてしまう雰囲気を持っています。

打ち沈んだ様子で草原にいたキャリエーン。ラファエルのことは温かく迎えますが、エレナのことはギルドハンターと呼び息子の妻とは認めない対応を見せ、エレナはサラに義理の母との関係を後で愚痴ろうと心に決めます。ラファエルはキャリエーンに夢にささやく力を持った大天使のことを聞いたことがありますかと尋ね、キャリエーンは聞いたことがないと言います。重ねてキャリエーンの夫であり、自分の父であった大天使ナディエルにその能力があったように思ったのですがと聞くと、婉曲的に狂気に侵されてから聞こえないものが聞こえるようになっていたと認めます。

ラファエルの許可をもらっているので、ナージルが見ていただきたいものがあるとエレナを連れてきたのは古い寺院のそば。アマナットの住民のひとりカーラがウィルスでの感染死と思われる状態で亡くなっていました。彼女は誰かの差し金でウィルスを感染させられたものの、体力が弱く、周囲に感染させるまえに亡くなってしまったのではないかと思われます。他に感染者がいないか調査すると同時に、舞踏会は急には中止できないので、その死は他の住民にも伏せナージルのパートナーと思われる天使のイザベルの助力で魚を冷蔵するトラックを森に運び、遺体を隠しておき、舞踏会後にお葬式を行おうということになりました。

第22-23章あたり キャリエーンの舞踏会にはミカエラやアスタッド、イライジャとハンナなどの大天使たちも現れました。エレナはアスタッドの美しく知的な愛人と楽しく会話しますが、彼女と離れた後でラファエルにアスタッドを味方につけたなと言われます。アスタッドと一言も話さなかったエレナは戸惑いますが、愛人は天使に相手にされないこともあるにもかかわらず伴侶という立場のエレナが彼女を尊重して対応したからのようです。またラファエルの幼馴染みの天使も現れ、どうやら彼女は昔の恋人でもあるようで、エレナは嫉妬していました。

突然リージャンが空から現れ、招待されてもいないのに現れるとはマナー違反、あなたとはずっと相容れないとキャリエーンは他の天使たちの前で彼女を侮辱します。リージャンはあまり応えた様子もなく、贈り物をもってきたのにと言って、飛行隊を披露しますが、キャリエーンは拒絶します。

舞踏会が終わった後、ラファエルとキャリエーンは長い散歩をします。今後リージャンとの戦いになったらキャリエーンが向かうと話すと、ラファエルは守りの力がアマナットになくなったら蹂躙されるでしょうと、戦いが終われば、大天使二人が同じところにはいられないから領地のアマナットを大切にしてくださいと言います。伴侶を見送った今、子供より長生きしようとは思わないというキャリエーンに、また自分がもし戦いに破れたら、リージャンに対抗できるのはキャリエーンだけ、領民やみんなへの責任として彼女を倒してくださいと頼みます。この会話でラファエルが成長したことを感じたキャリエーンは初めてあなたの伴侶との出会いを話してちょうだいと、エレナを伴侶として認める発言をします。戦いに倦んでいるキャリエーンは島に引きこもろうかと話しています。

第24-27章あたり 半分血のつながった妹のイヴと親しくなるにつれ、ちょうどエレナたち家族がスレイターパトリスに襲われた年齢に近いこともあり、エレナ自身が気が付かないうちに不安が高じて悪夢もひどくなってきているようです。ラファエルはしぶるエレナをスパーリングに連れ出し、無理強いされたエレナは怒りを通り越した冷たい憤怒をナイフにこめてラファエルと対戦します。ラファエルのほうが上手ですが、エレナも一矢報いてほぼ引き分けという結果でした。その熱戦の様子を外からエリやナジール、イザベルたちが見ていてナージルはタワーに自分が行ったときに一戦交えようとエレナに宣言していました。

NYに帰国し、ハドソン川上空をラファエルとふたりで飛んでいると、川の上流から血のような赤い流れが押し寄せてくるのが見えます。ラファエルが赤い水を指ですくうと、血のようです。新たな攻撃の予感に、タワーに急いで戻って警戒態勢を強め、情報統制を命じます。ラファエルの力が赤い水に触れたことで爆発的に増えているようで、彼の身体の中で荒れ狂う力がにじみでて、非人間的な天使らしさしかエレナに感じられず、恐怖を覚えます。彼から離れたくないものの、エレナはイリウムと一緒に不安を募らせている一般市民の不安を和らげる役割を果たすため出かけることにします。

イリウムは、エレナをキャッチボールに誘ってきます。川辺についてみると他の飛行隊の天使たちもすでに始めていて、エレナも参加してみると角度などなかなか難しいことがわかります。遊んでいるうちに川辺に観戦する市民たちや飛行機でレポートする記者まで現れました。そして意外にもアオドハンが途中で参戦してきました。綺羅綺羅しい初顔の天使の登場は周囲を驚かせ、エレナと他のメンバーはイリウムとアオドハンの対戦を観戦にまわります。イリウムの作戦はあたり、川が血に染まった事件はいっときトップニュースから押しやられたようです。

第28-30章 タワーで治療中のイザクを見舞ったエレナ。彼女は不死の代償のことを今まで深く考えたことはなく、死なないとはいえ、麻酔薬がきかない天使の治癒の過程では涙するほどの痛みがずっと続くということがわかり、いまでは彼女の家族ともなったタワー所属の傷ついて苦しむメンバーを見舞うのは彼女にとっても楽なことではないようです。

ラファエルのバラの伝令をした可愛らしい天使のイザクも大怪我で苦しんでいますが、エレナが来ると喜びます。ラファエルにそのことを話すと、イザクがよくなったら、エレナのガードの一員となる準備としてイリウムやドミトリの下で厳しい訓練に耐えてもらうと言えば、彼の快復の励みになるだろうとアドバイスされます。エレナは怖がってしまうのではと思いますがイザクはひるんだものの、僕への同情でガードに任命してもらえたんではと思っていたので、嬉しいです、頑張りますと明るい表情を見せていました。

妹のベスとは、彼女のヴァンパイアへの転化が却下されてからというもの数週間あっていませんでしたが、ジェフリーがマルグレーテの死後に銀行に預けてあった遺品をエレナは倉庫に運んであり、彼女とはそこで落ち合う約束をしていました。ハリソンとの間にはわだかまりがあるものの、夫婦としての愛情は残っているようで子供ができたと打ち明けられます。遺品にまつわる思い出を二人で話し合いながら、涙を流し、マルグレーテがいまそばにいてくれたらと願う姉妹でした。

エレナの夢にはじめて事件の時とは関係ない母マルグレーテが出てきます。彼女は娘の誕生日ケーキを作っているようです。エレナ自身は子供の姿のようですが、どうして私を置いていってしまったのと訴えるエレナに、貴女の名前は強かった私の母からとったのよ。あなたの姉たちは強くみえて実は繊細なところがあったし、私も強くなかった。彼女たちにさみしい思いをさせたくなかったの。ジェフリーも壊れてしまったと訴えると、ジェフリーはあなたのことを今でもとても愛しているのよと教えてくれます。

第30-33章 半分だけ血のつながったアミイから急な連絡があり、父親のジェフリーにイヴが部屋に閉じ込められていて、数時間以内にヨーロッパの寄宿学校に送り込むと言っているから助けてと言ってきます。マルグレーテの言ったことを考えながら、急いでジェフリーのいる家に乗り込みますが、イヴを閉じ込めたことを責めると、ジェフリーはこれ以上自分の娘や身内を殺されるわけにはいかない、自分の母親はハンターで復讐にきたヴァンパイアに自分の目のまでで首を引きちぎられ殺されたんだ、お前だってギルドの訓練で骨折をしたりひどい目にあっていたじゃないかと言います。エレナは、自分が家を出た後もジェフリーが自分の訓練中の怪我を気にかけていたことに内心驚きつつ、ヴァンパイアハンターが狩りをするのは本能で、訓練するのは自分自身にとって必要なことなんだと再度説明しますが、今までのジェフリーのギルドへの強い拒否感は過去のトラウマとひょっとしたら愛情からきていたことだったのかと初めて気が付きます。ギルドアカデミーに参加させることに賛成している後妻のイヴァンジェリンが帰宅して、彼らが話し合うまでイヴを本宅で預かることにします。イヴに会うと顔に青あざができていました。

むしゃくしゃしてもできることはなく、エレナはギルドから連絡をうけて狩りに出ます。いまは引退していますが信頼できる元ハンターであり、親友のサラの夫ディーコンと犬のスレイヤーがバックアップについてくれることになり、シアターとよばれる地域へ向かいます。そこには問題のヴァンパイアが首から胴体を切り離され、額に罹患者と血でマーキングされ、殺されていました。目立ちませんが手に小さく膿のできものができていました。エレナはその場にいたとおもわれる複数のヴァンパイアを追跡し、居場所を突き止めますが、そのうちの何人かはすでにウィルスに伝染していました。

ラファエルがタワーに戻ると、領土内の300人以上のヴァンパイアが亡くなるか、罹患していました。更に800人ほどが監視の対象になっているようです。エレナはラファエルが無理に言って本宅で休ませましたが懸命に働いていたようです。

ラファエルは大天使ティタスとスクリーン越しに対談し、彼の領土でも飛行機で移動した患者経由で伝染し、さらには隣のカリセムノンの領土からも患者が送り込まれていると話します。どうやら今回の伝染病の犯人はカリセムノンのようですが、リージャンとも手を組んでいるようです。彼が堕ちてしまったのかすぐに判断はできないものの、ティタスとラファエルは今回共同戦線を張ることにし、ラファエルはワクチンを作らせているので治療者に情報を送ろうと申し出ると、ティタスは自分のところの治療者を協力させようと決断します。

第34章 エレナが9時ごろ起きて階段をおりていくと、半分だけ妹のイヴが床の上に寝そべって上の天井越しに空を見上げています。執事のモンゴメリに「私寂しくて食欲がない」と言ったらケーキを持ってきてくれて、さらに頼んだらもっと持ってきてくれて、持ってきてもらった以上は食べないといけないと思ってお腹いっぱいケーキを食べちゃったというので、エレナは頬の中を噛んで笑わないように必死でこらえ、羽をイヴの背中にしいて一緒に寝転がりました。

イヴは母親譲りの華奢な骨組みに健康的な肉付きをしていて、将来ちっちゃなグラマラス女性になるのではとエレナが内心予想していると、イヴは自分はケーキが大好きなんだけれど友達のお母さんに白鳥のような綺麗なお母さんやお姉さんにあなたは似ていないわねと言われた、と傷ついている様子です。エレナは踊りが得意だった亡くなった自分の姉のことを話して、ハンターの訓練が始まったら贅肉が落ちて素敵な体形になるわよと教えてあげます。優しいエレナにイヴはギルドアカデミーは楽しいけれど、将来のことを考えると怖いと打ち明けます。エレナは私もそうよと教えてあげます。

義理の母グェンドリンが本宅を訪ねてきて、ジェフリーには二度と同じことをさせないからとエレナに約束します。

第35-39章あたり ラファエルの昔の恋人天使がNYに戦いで手助けしたいとやってきます。ラファエルと二人きりで、誘惑をしかけているのをみてエレナは激怒。ナイフを彼女に投げつけますが、その後はわざとエレナを怒らせようとする彼女に対して、ラファエルが愛しているのは私だからと、自分を安っぽくみせているわよと撃退します。ラファエルも昔のよしみで礼儀を守るものの、触られていた手は外して、他の天使に彼女を宿泊所へ案内させます。

リージャンの死せる兵士リボーンが船にのって桟橋にやってきました。ラファエルが船へ稲妻を落としますが、血への飢えとなにも感じない兵士たち、さらにはウィルスに感染させられているリボーンを一人でも見逃すと、大変な被害が見込まれるため、天使たちが水際で生き残りを必死に食い止めます。もともと観光客も乗船していた船だったのか、エレナはかわいいワンピースを着た少女が飢えた目つきで牙をきらめかせて向かってきたので倒します。また水死した死体をあらためていたイリウムも、幼い男の子の遺体のそばに身をかがめ、刀で首を落としていました。生えかけた牙と爪が確認できたからのようですが辛そうです。

ラファエルはドミトリをオナーと共に呼び寄せ、タワーにはドミトリ、アオドハン、イリウム、そしてナージルがそろい、リフュージの守りはガレンとヴェノムが固めることになりました。リージャンの軍団にはウラムの昔の部下も含まれ、およそ5倍の戦力をもって攻めてくる軍団に対して不利な形成のようです。ガレンもタワーとマンハッタンを守りたいと表明しますが、リフュージは襲われてはならない場所で、弱いとみられてはいけないので彼ら二人はそのままということになりました。

ラファエルは侵攻に備えて、ニューヨーク市民を近郊に避難させ、エレナのアドバイスでギルドも今回の戦闘に参加することになります。ランサムたちはエレナに天使のどこを狙ってクロスボウや再生されにくい銃を撃ったらいいのかと助言を求めて、翼が的が大きく狙いやすいと応えていました。さらに若い天使とエレナが協力して、どうやって狙いを定めるか、実地で練習させていました。

ラファエルは束の間の休息でエレナの眠る寝室に戻り、夢をみます。今度は光のささない暗闇ですが、エレナがそばにくるとやや明るさがさしてグレーになり、そこが海底だと感じるようになります。どうやらそこは天使の能力の源のような場所のようですが、いまの彼の力では手の届かないところにあるようです。ただ自分が力のみを求めていけば、いずれリージャンのようになる。エレナがいることで、力に明るさがもたらされるのだとラファエルは感じているようです。どうやらラファエルの能力がまた進化しているようなのですが、はっきりとした変化がみられないのでラファエル自身もどかしさを感じているようです。エレナが確認するとラファエルの額の奇妙なあざは変化を続けていて、エレナとラファエルを表すような竜の柄になってきたようです。

第40章~エピローグ
ナージルはアシュウィニとジャンピエールを率いてリージャンの陣の内側に入り込んで内部工作を行うため密かに出発しています。

リージャンが大軍を率いて空からニューヨークに攻めてきます。ラファエルに降伏を勧告しますが、ラファエルは拒絶し、全面戦争がはじまります。ラファエルはリージャンと正対して戦い、ドミトリはタワー本部で戦いの全体を管轄し、アオドハンとイリウムは天使隊のリーダーとして戦い、エレナやギルドハンターたちやヴァンパイアはクロスボウなどで天使を狙い、墜落すると、地上で待機していたヴァンパイアたちが襲うという手はずのようです。天使たちは羽にマークをつけ、誤射されないようにしているようです。またエレナもリージャンに狙われないように髪と羽を染めています。

一度目の襲撃は、なんとか味方の被害を少なく抑えられましたが、2度目はリージャンの血塗られた技でエネルギーを取り戻した敵将軍たちが活躍し疲労してきたラファエル軍も奮闘しつつ、押し込まれてきます。リボーンが満載された船がこちらに向かっている、また未確認の敵部隊と思われる飛行隊もこちらに向かっているという報告が上がり、3度目の攻撃を前にして、ラファエルは部下たちに、お前たちのような部下を持てたことは自分の人生でも得難いことだったと伝えます。

動きが鈍くなってきたリージャンであれば、あと1撃、直接接触して炎を放てば倒せるとラファエルは手ごたえを感じていますが、それまでのリージャンへの攻撃で、ラファエル自身の中にあるエンジェルファイヤーは枯渇してしまっていました。エレナは戦いの最中にもラファエルへ吹き付けられたリージャンの毒を自分のなかに取り込んでラファエルの負担を軽くしていましたが、エレナに残されたパワーをラファエルに取り込み、最後の攻撃を仕掛けようと二人は考えます。おぞましいリージャンが統治する世界に幸福はないと降伏の選択枝は二人にはなく、死を覚悟します。

決戦のとき、リージャンに触れる一瞬の隙を作るため、ラファエルは降伏するか?というリージャンの問いかけに応答します。リージャンはエレナの羽を背中からはぎとり自分のコレクションに飾らせ、ラファエルをリージャンの血隷にし、鎖で宮廷につなぐのに同意すれば降伏を受け入れると申し出ます。まずはエレナをこちらに差し出せと手を伸ばされ、エレナは死を覚悟して踏み出しますが、その時奇妙な姿の天使の飛行隊が二人の間に割って入り、ラファエルがリージャンに触れる隙が生まれ、エンジェルファイヤーを撃ち込まれたリージャンは消え去ります。

奇妙な天使は、蝙蝠のような羽のない翼をもち、筋肉粒々とした戦士たちでした。リージャンが滅したことで引き揚げていく軍隊に追い打ちをかけることをラファエルは禁じて、確実に港まで追い出すようにと部下に命令します。

正体不明の飛行隊は、ラファエルを「サイア」と呼び、自分たちはラファエルによって召喚された「リージョン(軍団)です」と言います。777人所属しているようで、海の中で長らく眠っていたようですがラファエルの新しい力によって呼び覚まされた古来の力のようで、子供への脅しに「悪い子にしているとリージョンが来るよ」というようなときに使われる伝説上の存在で、今回具現化したようです。しかるべき時まではラファエルのもとに滞在することになるようです。

リージャンは滅したと思いたいけれど、どこかで力を蓄えているのではないかという不安も残ります。
大きく破壊されたマンハッタンの街の再生も必要ですが、アオドハンの大怪我、多数の死者や犠牲を出しつつ、タワーを守り切った二人でした。


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