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Romance夢紀行

Mistral's Kiss/ローレル・K・ハミルトン あらすじ

※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、 内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね 。
メリーは夢を見ています。ロサンジェルスの家のキッチンに多くの近衛兵たちが集まり、クッキーをかじったり飲み物を飲んだりしています。本来なら数人でいっぱいになるはずの狭いスペースのはずなのに。メリーの姿を彼らは見えないようです。近衛兵のひとりがクッキーを口にすると、口から血が流れてきているにもかかわらず、そのままおしゃべりを楽しんでいます。

メリーはやめてほしいのに、彼らには聞こえないようで、気が付くとひとり別の世界に来ていました。遠くに白い子豚が見えます。トコトコと近づいてきますが、見る見るうちに大きくなっていき、白い牙のあるイノシシになり、さらに白いバッファローのような大きさになって迫ってきて、メリーは命の危険を感じ、駆け出します。躓いてしまい、もう駄目だと思い、地面にある手に触ったものを突き出すと、動物は血を流し死んでいきますが、そこに光があふれ茶色いシマの豚が現れ、その動物からは敵意を感じなかったので抱き上げると、近くにフードを目深にかぶったがっしりした体格の神が現れます。神はさきほどの動物の白い牙のようなコップをメリーに差し出し、飲んで、楽しめといいます。

夢から覚めると、メリーはベッドにいて手にはそのコップを握りしめていて、隣にはabeloecアブロエックがいました。他の近衛兵の面々もベッドを囲むか、部屋のなかにいるようです。彼は昔シーリーのシーでしたがいまでは飲んだくれです。噂では禁じられた女性に手を出したために追放されたということでしたが、実際には彼の能力がなくなったためだったのかとメリーは気づきます。彼は女王を選ぶ力があり、蜂蜜酒の神でもあり、このコップも昔は彼のものだったことがわかります。手にしたコップを彼に渡そうとすると彼はなかなか受け取りませんが、神の伝言は彼へのものだったと思う、とメリーは話し、コップに湧き出た蜂蜜酒を彼は飲み干し、メリーにも飲ませます。二人の間に魔法が生まれ、広がります。周りにいた近衛兵たちがその魔法が液体のように体を伝うと苦しみはじめます。キットーとバリンサスだけは、その液体が及ばない場所にいますが、バリンサスが部屋を出ようとノブに手を伸ばすと、そのドアからミストラルが飛び込んできて、メリーとアブロエックのところへやってきます。

彼らは気が付くと、枯れはてた庭園へと近衛兵たちと共に移動していました。メリーとアブロエックとの熱が高まって風がうまれてきたところでオンディーアイスが庭園に踏み込んできました。自分が自身の近衛隊長を呼んだにもかかわらず、どこにもいない、と探しにきたようです。メリーは本人が望めば、私の近衛兵に招いてもよいとおっしゃいましたと抗弁しますが、女王は私の近衛隊長はだめです! と譲りません。

女王はなぜここにいるのかとミストラルを追及し、ネリス一家の件でメリーに助けを求めてやってきたと言い訳します。女王は自分とメリーの暗殺をたくらんだネリス一家を、ネリス自身が自分の命と引き換えに一家の存続を願い、約束されましたが、女王は男子は禁欲がルールの女王の近衛隊へ入隊させ、女性はケルの近衛隊に入隊するか、拒んだものは拷問担当のエゼキエルによって塀の下へと埋められ、ただし不死のものたちのため、飢えて、乾いて、苦しみながらも生き延びることはできるということで、女王が巧妙に約束を破らない範囲で罰を与えていたことがわかります。

ドールが、庭園に風が吹いたことがあったでしょうか、と女王に問いかけ、ミストラルがこの魔法に参加することで、庭園が再生する可能性があります。もしも庭園に命の蘇る兆しが少しでもあるなら、その可能性を閉じることを女王は望まれないのではないでしょうか。もしも命の蘇る兆しがうまれたら、メリーが反逆者たちの罰を決められる、という約束をとりつけることに成功します。女王は渋りますが、この場に限って、ミストラルがメリーと関係を持ってもよいと譲歩して、庭園から出ていきます。

ミストラルの好みは相手に痛みを与えることも含まれるのでまずはアブロエックと関係をもって、メリーの痛みが快感にも感じられるくらい高まってからミストラルと、ということになります。アブロエックが優しくメリーを愛した後で、ミストラルが激しくメリーを愛します。嵐の神でもあったミストラルとメリーが反応して生まれた魔法は、風と雷をうみ、嵐を呼びました。興奮が頂点を超えると、あちこちに雷が落ち、優しい春の雨が枯れた庭を湿らせ、月のような薄明かりがあたりを照らしはじめました。

メリーが我に返ると、ミストラルとアブロエックはバリアーの中にいましたが、その外ではドールとフロスト、リース以外の近衛兵が近くに見当たりません。ドールが、自分とリースが組んであとはメリーを守れと命令すると、彼らは素直に従います。頭で理解しているかはともかく、ドールには王の素質があり、みんなに認められているとメリーははっきりとわかります。ドールたちがアデアが腰かけていた近くの木立に警戒しつつ向かっていくと、アイスリングがいたようです。ミストラルたちは木立とメリーのあいだに壁として立ちはだかり、視線を遮っています。見ない方がよいです、と助言する彼らにそこをどきなさい! 私は血と肉の王女ですよ、近衛兵のはずが誰へ忠誠をつくしているの と一喝し、フロストが彼女の命令に従え、と彼らに指示をします。

メリーが木を見上げると、太い木の枝に心臓を貫かれたアイスリングがぶら下がっていました。シーを殺すのは難しいですが、心臓を亡くしては生きられなかったようです。

また姿が見えなくなったニッカやゲイレンは大気や大地に飲み込まれ、ホースローンは喜んで木に同化していったと他の近衛兵たちが証言しました。彼らがアマテオンが一時的に泥に飲み込まれて戻ってきたように戻ってくるのか、それとも彼らの命と魔法を得て庭園が泉や湖、探検できるほど深い森へと変化したのか、誰にもわかりません。

そこに女王が戻ってきて、庭園の劇的な変化を確認し、メリーにエゼキエルの拷問部屋にいってネリス一家を救ってもよいという許しを出します。メリー一行は拷問部屋へ向かうために妖精の丘に扉を出してほしいと頼むと、そこに扉が現れます。ドールが先にたって進みますが、はいってきた扉は消えてしまいました。メリーに消えてしまった扉を出してくれるように「庭園への扉を開いてちょうだい」と妖精の丘に頼むと、扉が再び現れます。ドールは出口の先でなにかをみて「戻れ!」と命令します。ミストラルが入ってきた入口から出ようとしますが、今度は「戻れ!」と命令し、フロストがこの隊に命令できるのはひとりだけだと怒ります。

スルーアに追われるようにして一行が新しく現れた扉を飛び出すと、そこは元の庭園とは全く違う場所でどこかの池のような場所でした。アブロエックが負ってきたスルーアの一味ボーンという種族にひどく怪我をさせられています。フロストが応急処置を施し、とにかくこの場の離脱を目指しますが、そこに黒のアグネスやセグナ、ボディガードと共に現れたのがショルトでした。ショルトは包帯を巻いていて、怪我をしている様子です。

招きもなく彼の庭園に現れたことでメリーは礼儀正しくお詫びし、挨拶します。アグネスやセグナはショルトがシーの恋人とのひと時を夢見ている王を忌々しく思っていることを隠そうともせず、また姉妹のネリスを前回メリーに殺されてしまったことも嫌悪感に拍車をかけているようです。

自分の怪我に驚いているメリーをみて、ショルトは「君は知らなかったのか」と話します。ショルトは、シーリーコート、つまりタラニス王の計略でシーリーコートの貴族の女性に一度だけの逢引きを提案され、出向いていったところ、陥れられて腹にあるスルーアとしての触手や腕を切り取られてしまったそうです。シーリーコートが相談なくやったとすれば、それは戦争の原因にもなることなので、おそらく女王と相談してやったことだろうと、また自分が男として十分な魅力がなかったから、また力強くなかったから、自分の油断から怪我をする事態になったということで自分を恥じて女王に言い出せなかったということもあったようです。

ショルトはメリー一行が泥まみれで、沼から抜け出してきたような様子なのを不思議に思います。枯れた庭園ではこういった汚れ方はしないからです。メリーは枯れていた庭園に春の雨が降り、湿った土が現れたと話します。宮廷に新しく現れた泉や小川をみなかったかと。

ショルトがメリーと約束している一夜の約束が果たられておらず、メリーも受け入れる意思を表してショルトの心は期待に膨らみますが側近で恋人のアグネスやセグナがいきりたちます。メリーにセグナが襲い掛かると、ショルトが背中でかばい、怪我をさせられつつもセグナを池のほうへと突き飛ばします。

スルーアであれば、溺れて死んだりしないため、セグナが死ぬとは思っていませんでしたが、墜落したセグナは池にいたボーンたちに食い荒らされ、瀕死の状態です。いわば一騎打ちをしたような事態のためセグナの息を止めることがメリーのけじめとなり、もしも殺せなければアグネスがメリーを臆病者とそしることは避けられません。宮廷のメンバーを守りたいだけで、殺したいわけではないメリーは内心怖気をふるっていますが、恐怖をみせるわけにはいかず、池のなかでセグナを沈まないように抱えているショルトやアグネスのそばへとちかよってきます。ネリスだけでなく、セグナまで殺したとすれば、アグネスはどこまでも自分を殺そうと迫ってくるだろうとメリーは思い、アグネスはもう殺すしかないと考えています。ひとまずショルトがアグネスにこの場を彼らが去るまではメリーを殺そうとしないという誓いを立てさせ、メリーがセグナを殺そうとすると、池の中におちてちたセグナの腕などの一部がメリーにつかみかかり、溺れさせようとします。誰かの手がメリーたちを引き上げてくれました。顔が水から出て見回すと、セグナがショルトを襲っています。メリーと勘違いしているのでしょうか。ショルトは槍でセグナを突き刺します。

池には小山のようなものが現れていて、現実か幻想なのかははっきりしませんが、ドールやフロストなどの姿は消えていて、ここにフードをかぶった女性と男性が現れます。男性がショルトにナイフを差し出し、それはスルーアの力の象徴ともいえる伝説のナイフでした。ここはスルーアの消えたと言われていた聖地であり、王の血により蘇ると。セグナの血だけでは十分ではないと。スルーアの民のために何を差し出すかと神に問われ、ショルトは全てを捧げますというと、女神は不用意にそういうことを言うものではないとたしなめられます。神はショルトがもし死ねば誰が治めるのか、ここには王家の血筋のものがもう一人いるぞとメリーを示します。なんでも差し出すと言ったなと言われます。ショルトは妖精に命を取り戻しているメリーを失うことはできません、また彼女が死ねばケルが即位することになり、それもまたシーにとって望ましいことでもありません。彼女の命は私が取引できるものではありませんと抵抗します。メリーは横で彼らのやり取りをみつめながら、神と女神が本当に自分の命を望んでいるとは思いませんでした。秘宝と魔法の角のコップを与えておいてただ奪うというのは神のやり方ではないように思ったからです。生と死は背中合わせ。彼女とショルトが命の営みを行うことで、アマテオンのときと同じ効果があるとメリーは考えます。ただしメリーのハンドパワーはアンシーリーのものですが、再生の魔法がシーリーの効果が生まれています。そのため、もし二人の魔力が高まれば、その効果は自分たちでコントロールできるようなものではなく、野性の魔法となることをあらかじめ知っておいてもらわないととショルトに言います。つまりアンシーリーの一番の野生の魔法であるスルーアですが、それは過去の魔法がそうであっただけで、例えばショルトとメリーが楽しさや喜びの魔法をそこに加えたらそういった魔法へと変化していく、つまり闇を表現しているようなグロテスクな形状もスルーアたちにとってはアイデンティティでありましたが、ひょっとしたらシーのような姿に変化するかもしれないと説明します。ショルトはメリーの命を奪う、もしくは彼女との営みの結果民の姿が変わるかもしれないということを天秤にかけたら、迷う理由がないと彼女との営みを選択します。

メリーとショルトの二人が生み出した魔法で、ショルトの腹部の怪我は癒え、オマケはまるで本物にみえる精密な入れ墨のような模様へと変化しました。またハーブの様々な種類のタイムが周囲をおおいはじめ、特にショルトの周りは横たわる彼のまわりにハーブの茂みがまとわりつくようになっています。また周囲の景色も一変していました。太陽の光があふれ、ゴブリンの血を引くショルトの護衛などは眩しすぎて動けず、ショルトが少し明るさを落としてほしいと丘に頼むと光が和らぎます。また蝶が飛んでいたのが蛾や蛍へと変化し、魔法を生み出す二人の希望で湖の地域が変化していきます。

いまでは湖の中心にボーンでできた小島が隆起していて、メリーたちはそこにいるようです。ドールたち近衛兵は急いでメリーたちのところに駆けつけてきますが、アグネスはフードをかぶってまだ岸辺にいて、シーになりたがっている王が自分たちの国をシーの宮廷にかえてしまったと激怒しています。どうやらアグネスやボディガードたちの姿にも変化が表れていたようで、元に戻してくださいと懇願されます。

ショルトの満ち足りた恋人のようだった雰囲気がガラっとかわり、メリーに「逃げるんだ、これから闇の力を呼ぶ」と通告します。リースがおまえはあまりにもシーになりすぎてしまい、闇の力もおまえを王と認めないかもしれないぞと忠告しますが、その時はその時だと言って、空のはざまに切込みが入り霧のような恐ろしいものが現れはじめました。

メリーは近衛兵たちと全速力で岸辺に戻り始めますが、アブロエックがボーンによってすでに怪我を負わされていて、泳ぐのは難しいです、なんとかしてくださいとメリーに頼み、メリーは橋を架けることを思いつきます。さらにシーリーコートに戻る扉を開きますが、ショルトが「この場所には扉は開かない!」と宣言し、扉は閉じられてしまいます。闇の力はショルトを覆い始め、ショルトは戦いつつ脱兎のごとく逃げ出しました。ボディガードたちがショルトの逃げる時間を稼ぐためにはかない抵抗をしているようです。

メリーはドールに引きずられるようにして走りますが、再び扉を開こうとしても開けないため、四葉のクローバーを呼び出すことにします。メリーたち一行がクローバーの生える地域にはいると、そこは聖域のようになり、闇の力は入り込めないようです。さらに逃げ道を探るべく、普段は抑えている周囲の魔法を探査する力を解放して、あたりの様子を探り、この場の魔法が薄くなり、もともとの扉があるだろう場所を探ります。

ドールが近衛兵はまとまって扉を通り抜けるぞ、と指示します。バラバラの場所に着くとメリーを守り切れない可能性があるからです。メリーはショルトを振り返ります。ショルトはなんとかクローバーの草原へと足を踏み入れたところでした。リースはあなたのお考え次第です、と言い決断をゆだねます。自分を闇の力で殺そうとしたショルトを待つ、それとも闇の力に殺させる? メリーは誰であっても、闇の力にいいようにさせるわけにはいかないと、「ショルト、急いで!」と呼びかけます。クローバーのない場所をうっかり踏んで捕まりそうになりつつ、ショルトがなんとか一行に合流して、扉の向こうへ飛び込むと、そこは妖精の丘の入口のある人間界の駐車場でした。

突然現れたメリーたちにびっくりしたのは、そこで待機していたFBIや地元の警察官たち。すぐに車に乗れ! 闇の力にシーの肉体を与えれば、車のなかまでは見逃してもらえるかもしれないとドールが命じますが、自分たちは危険から逃げるために給料をもらってないと応じません。フロストは大怪我をしているため、ドールはフロストを警察車両に乗せろ!と命じ、メリーのことは助手席に乗せます。

メリーもフロストも抵抗して車から出ようとしますが、ドールは闇の力を以前見たことがある。とても逃げ切れない。フロストにメリーを守れるのは自分かお前だけだ、でもいまこの場には自分がいるしかない、だからお前はメリーを守れ! と言い、警察官にこの二人を病院に連れていけといって、警察官が運転し、特別捜査官も同乗して走り出します。

メリーは戻ってと叫びますが、人間たちはドールがああいっていたでしょう、ととりあいません。ドールがそばにいてくれるなら、自分は女王になれなくてもかまわらない、ドールを愛している、とはじめて自分自身にこの気持ちを認めます。でももしケルが王になったら自分の民を苦しませることになる、そして自分の王族としての生来の権利も、命もおそらく奪われることになる。絶望するメリーですが、走る車の窓からゴブリンの姿を見ました。普段絶対にやらないことですが、運転している警察官に触ると、メリーに欲情した警察官はすぐに車を停め、メリーに手を伸ばしてキスしはじめました。仰天した捜査官は彼を引き離そうとします。警察官は抵抗し、もみあう二人をそのままにメリーは車からでてゴブリンに近づきます。以前キットーが残酷で実力のあるゴブリンの戦士の双子として名前を挙げていたホリーとアッシュです。ゴブリンの王クーラグとの同盟があるので、私の近衛兵たちを助けてほしいと頼みますが、彼らは敵から逃げたやつの手助けはしないといいます。お前たちが助けなければクーラグは誓い破りとして汚名をかぶると説得しますが、しぶります。彼らは騒ぎの様子を見に来たようです。

現場に残ったドールや近衛兵たちのことを思って胸が張り裂けそうなメリーは 女神! 助けてください!と願いをかけ、怪我をして動けないフロストは警官が病院に連れて行ってくれるだろうとその場に置いて現地へと向かいます。するとワンアイという種族の巨人のゴブリンが現れ、メリーを抱き上げ、素晴らしいスピードで走り始めます。戦地への到着が遅れることは、ゴブリンの名誉にもかかわることのため、ホリーやアッシュもワンアイに負けないようにスピードをあげます。ワンアイは血まみれでしたが、女神の思し召しで血が流れだしたために、メリーに加勢することにしたそうです。

現地の近くにつくと、緑の炎があがっていたり、まだ戦いが続いている雰囲気で、近衛兵はまだ生きていることがわかります。ワンアイの一族はメリーの周りに集まり、その他のゴブリンの戦士たちも現れますが、クーラグはいないようです。統制の取れていない戦力ですが、敵に向かって行きました。

メリーはどうしていいのかわかりませんが、ホリーがキットーが報告してきたことは大げさだったのか、お前はネームレスをハンドパワーで倒したんではないかと言います。メリーは触れたものから血を流させることはできても、はっきりと目標をつけられない相手に力が発揮できるのか不安ですが、やるしかありません。

自分のなかに力を高めますが、最初は目標を定められず周囲のワンアイたちの血を流させてしまいます。いったん自分のなかに力を惹き戻し、再度狙いを定めて闇の力へと力を解放します。猛烈な痛みを感じましたが、次第にその痛みが引いていき、心が凪いでいきます。そして不思議なことに空からガンの一群が現れ、こちらにやってきます。その次は鶴の一群が。戦いも静まってきました。

戦場を見渡すと、ドールが遠くから黒い犬を従えてやってきます。メリーは全速力で彼のもとに駆け付け、飛びつきます。なんと死んだと思っていたゲイレンやニッカ、ホウスローン、アデアなども無事でした。犬たちは触られた近衛兵によって姿がかわり、リースが触った犬はテリアになっていました。

ゲイレンは生きたまま地面に囚われていたんだけれど、拷問部屋のほうに向かうとネリス一家が生き埋めになっているのことに気が付いた。頭にきたので、すべての囚人を解放するように命じてしまったんだ、ごめんメリー、と話します。いまは拷問部屋には壁もなく、別の場所のように変化してしまったようです。すべての囚人が解放されてしまったということは、ケルも解放されてしまったということ。オニルウィンの「お許しください、閣下!」という悲鳴が遠くから聞こえてきます。ケルは狂気に侵されてしまっているから、メリーに逃げろと女王からの伝言も預かっていました。

ケルが「メリー!」と現れますが、彼は眠らされます。そこにオンディーアイス女王が伴侶を伴って現れ、メリーにすぐにLAに帰るようにと命令します。闇の力が変化したらしい犬たちはメリーたち一行にはなつき、じゃれつきますが、女王が呼んでもまったく反応しません。

帰国するにあたって希望するものならだれでも近衛兵として伴っていいということですねとメリーが確認すると,ミストラルは駄目です、と女王がいいます。背後に控えるミストラルの存在を感じつつも、わかりました、彼のことは女王と約束しました。でも他のものでケルに忠誠を誓っていないものは来ていいですね、と念押しすると、ケルから親衛隊を奪い取ってはならないと女王は抵抗しますが、「いったんご自身が約束されたことです、希望するものは自分がLAに連れていきます」とショルトが現れます。ショルトははじめて、お腹の触手たちが周囲にわかるかたちで、恥じることなくその場にいました。スルーアは誓約破りをどこまでも狩り立てる存在です。女王が誓約を破れば、自分が狩るという脅しをかけたため、女王はメリーと一度寝ただけで蛮勇をもつのか、近々お前を私のベッドに迎えようかというと、以前の自分なら喜んで侍ったかもしれませんが、私はスルーアの王です。独立した存在ですので、そういったことはいたしません。とはねつけ、メリーは内心彼を誇らしく思います。女王は負けっぷりのわるい人ですが、ひとまずこの場は引き下がります。

ショルトが一行がLAに戻るために大西洋に近い岸の近くまで送ってくれるというので、一行が移動し始めると、雪の中にフロストが倒れている姿が見えました。メリーが駆け寄っていくと、フロストには息がありました。再会を喜び、彼と一緒に帰宅することにします。(終)

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全部ではないですが、この本以前に読了した洋書「なんちゃってあらすじ」まとめ

◆シリーズ作品
A Kiss of Shadows 輝ける王女の帰還 上下(ヴィレッジブックス)
A Caress of Twilight 嘆きの女神の秘密 上下(ヴィレッジブックス)
Seduced by Moonlight
A Stroke of Midnight
Mistral's Kiss  
A Lick of Frost   ←次、ここ
Swallowing Darkness
Divine Misdemeanors
A Shiver of Light


メリーは夢を見ています。ロサンジェルスの家のキッチンに多くの近衛兵たちが集まり、クッキーをかじったり飲み物を飲んだりしています。本来なら数人でいっぱいになるはずの狭いスペースのはずなのに。メリーの姿を彼らは見えないようです。近衛兵のひとりがクッキーを口にすると、口から血が流れてきているにもかかわらず、そのままおしゃべりを楽しんでいます。

メリーはやめてほしいのに、彼らには聞こえないようで、気が付くとひとり別の世界に来ていました。遠くに白い子豚が見えます。トコトコと近づいてきますが、見る見るうちに大きくなっていき、白い牙のあるイノシシになり、さらに白いバッファローのような大きさになって迫ってきて、メリーは命の危険を感じ、駆け出します。躓いてしまい、もう駄目だと思い、地面にある手に触ったものを突き出すと、動物は血を流し死んでいきますが、そこに光があふれ茶色いシマの豚が現れ、その動物からは敵意を感じなかったので抱き上げると、近くにフードを目深にかぶったがっしりした体格の神が現れます。神はさきほどの動物の白い牙のようなコップをメリーに差し出し、飲んで、楽しめといいます。

夢から覚めると、メリーはベッドにいて手にはそのコップを握りしめていて、隣にはabeloecアブロエックがいました。他の近衛兵の面々もベッドを囲むか、部屋のなかにいるようです。彼は昔シーリーのシーでしたがいまでは飲んだくれです。噂では禁じられた女性に手を出したために追放されたということでしたが、実際には彼の能力がなくなったためだったのかとメリーは気づきます。彼は女王を選ぶ力があり、蜂蜜酒の神でもあり、このコップも昔は彼のものだったことがわかります。手にしたコップを彼に渡そうとすると彼はなかなか受け取りませんが、神の伝言は彼へのものだったと思う、とメリーは話し、コップに湧き出た蜂蜜酒を彼は飲み干し、メリーにも飲ませます。二人の間に魔法が生まれ、広がります。周りにいた近衛兵たちがその魔法が液体のように体を伝うと苦しみはじめます。キットーとバリンサスだけは、その液体が及ばない場所にいますが、バリンサスが部屋を出ようとノブに手を伸ばすと、そのドアからミストラルが飛び込んできて、メリーとアブロエックのところへやってきます。

彼らは気が付くと、枯れはてた庭園へと近衛兵たちと共に移動していました。メリーとアブロエックとの熱が高まって風がうまれてきたところでオンディーアイスが庭園に踏み込んできました。自分が自身の近衛隊長を呼んだにもかかわらず、どこにもいない、と探しにきたようです。メリーは本人が望めば、私の近衛兵に招いてもよいとおっしゃいましたと抗弁しますが、女王は私の近衛隊長はだめです! と譲りません。

女王はなぜここにいるのかとミストラルを追及し、ネリス一家の件でメリーに助けを求めてやってきたと言い訳します。女王は自分とメリーの暗殺をたくらんだネリス一家を、ネリス自身が自分の命と引き換えに一家の存続を願い、約束されましたが、女王は男子は禁欲がルールの女王の近衛隊へ入隊させ、女性はケルの近衛隊に入隊するか、拒んだものは拷問担当のエゼキエルによって塀の下へと埋められ、ただし不死のものたちのため、飢えて、乾いて、苦しみながらも生き延びることはできるということで、女王が巧妙に約束を破らない範囲で罰を与えていたことがわかります。

ドールが、庭園に風が吹いたことがあったでしょうか、と女王に問いかけ、ミストラルがこの魔法に参加することで、庭園が再生する可能性があります。もしも庭園に命の蘇る兆しが少しでもあるなら、その可能性を閉じることを女王は望まれないのではないでしょうか。もしも命の蘇る兆しがうまれたら、メリーが反逆者たちの罰を決められる、という約束をとりつけることに成功します。女王は渋りますが、この場に限って、ミストラルがメリーと関係を持ってもよいと譲歩して、庭園から出ていきます。

ミストラルの好みは相手に痛みを与えることも含まれるのでまずはアブロエックと関係をもって、メリーの痛みが快感にも感じられるくらい高まってからミストラルと、ということになります。アブロエックが優しくメリーを愛した後で、ミストラルが激しくメリーを愛します。嵐の神でもあったミストラルとメリーが反応して生まれた魔法は、風と雷をうみ、嵐を呼びました。興奮が頂点を超えると、あちこちに雷が落ち、優しい春の雨が枯れた庭を湿らせ、月のような薄明かりがあたりを照らしはじめました。

メリーが我に返ると、ミストラルとアブロエックはバリアーの中にいましたが、その外ではドールとフロスト、リース以外の近衛兵が近くに見当たりません。ドールが、自分とリースが組んであとはメリーを守れと命令すると、彼らは素直に従います。頭で理解しているかはともかく、ドールには王の素質があり、みんなに認められているとメリーははっきりとわかります。ドールたちがアデアが腰かけていた近くの木立に警戒しつつ向かっていくと、アイスリングがいたようです。ミストラルたちは木立とメリーのあいだに壁として立ちはだかり、視線を遮っています。見ない方がよいです、と助言する彼らにそこをどきなさい! 私は血と肉の王女ですよ、近衛兵のはずが誰へ忠誠をつくしているの と一喝し、フロストが彼女の命令に従え、と彼らに指示をします。

メリーが木を見上げると、太い木の枝に心臓を貫かれたアイスリングがぶら下がっていました。シーを殺すのは難しいですが、心臓を亡くしては生きられなかったようです。

また姿が見えなくなったニッカやゲイレンは大気や大地に飲み込まれ、ホースローンは喜んで木に同化していったと他の近衛兵たちが証言しました。彼らがアマテオンが一時的に泥に飲み込まれて戻ってきたように戻ってくるのか、それとも彼らの命と魔法を得て庭園が泉や湖、探検できるほど深い森へと変化したのか、誰にもわかりません。

そこに女王が戻ってきて、庭園の劇的な変化を確認し、メリーにエゼキエルの拷問部屋にいってネリス一家を救ってもよいという許しを出します。メリー一行は拷問部屋へ向かうために妖精の丘に扉を出してほしいと頼むと、そこに扉が現れます。ドールが先にたって進みますが、はいってきた扉は消えてしまいました。メリーに消えてしまった扉を出してくれるように「庭園への扉を開いてちょうだい」と妖精の丘に頼むと、扉が再び現れます。ドールは出口の先でなにかをみて「戻れ!」と命令します。ミストラルが入ってきた入口から出ようとしますが、今度は「戻れ!」と命令し、フロストがこの隊に命令できるのはひとりだけだと怒ります。

スルーアに追われるようにして一行が新しく現れた扉を飛び出すと、そこは元の庭園とは全く違う場所でどこかの池のような場所でした。アブロエックが負ってきたスルーアの一味ボーンという種族にひどく怪我をさせられています。フロストが応急処置を施し、とにかくこの場の離脱を目指しますが、そこに黒のアグネスやセグナ、ボディガードと共に現れたのがショルトでした。ショルトは包帯を巻いていて、怪我をしている様子です。

招きもなく彼の庭園に現れたことでメリーは礼儀正しくお詫びし、挨拶します。アグネスやセグナはショルトがシーの恋人とのひと時を夢見ている王を忌々しく思っていることを隠そうともせず、また姉妹のネリスを前回メリーに殺されてしまったことも嫌悪感に拍車をかけているようです。

自分の怪我に驚いているメリーをみて、ショルトは「君は知らなかったのか」と話します。ショルトは、シーリーコート、つまりタラニス王の計略でシーリーコートの貴族の女性に一度だけの逢引きを提案され、出向いていったところ、陥れられて腹にあるスルーアとしての触手や腕を切り取られてしまったそうです。シーリーコートが相談なくやったとすれば、それは戦争の原因にもなることなので、おそらく女王と相談してやったことだろうと、また自分が男として十分な魅力がなかったから、また力強くなかったから、自分の油断から怪我をする事態になったということで自分を恥じて女王に言い出せなかったということもあったようです。

ショルトはメリー一行が泥まみれで、沼から抜け出してきたような様子なのを不思議に思います。枯れた庭園ではこういった汚れ方はしないからです。メリーは枯れていた庭園に春の雨が降り、湿った土が現れたと話します。宮廷に新しく現れた泉や小川をみなかったかと。

ショルトがメリーと約束している一夜の約束が果たられておらず、メリーも受け入れる意思を表してショルトの心は期待に膨らみますが側近で恋人のアグネスやセグナがいきりたちます。メリーにセグナが襲い掛かると、ショルトが背中でかばい、怪我をさせられつつもセグナを池のほうへと突き飛ばします。

スルーアであれば、溺れて死んだりしないため、セグナが死ぬとは思っていませんでしたが、墜落したセグナは池にいたボーンたちに食い荒らされ、瀕死の状態です。いわば一騎打ちをしたような事態のためセグナの息を止めることがメリーのけじめとなり、もしも殺せなければアグネスがメリーを臆病者とそしることは避けられません。宮廷のメンバーを守りたいだけで、殺したいわけではないメリーは内心怖気をふるっていますが、恐怖をみせるわけにはいかず、池のなかでセグナを沈まないように抱えているショルトやアグネスのそばへとちかよってきます。ネリスだけでなく、セグナまで殺したとすれば、アグネスはどこまでも自分を殺そうと迫ってくるだろうとメリーは思い、アグネスはもう殺すしかないと考えています。ひとまずショルトがアグネスにこの場を彼らが去るまではメリーを殺そうとしないという誓いを立てさせ、メリーがセグナを殺そうとすると、池の中におちてちたセグナの腕などの一部がメリーにつかみかかり、溺れさせようとします。誰かの手がメリーたちを引き上げてくれました。顔が水から出て見回すと、セグナがショルトを襲っています。メリーと勘違いしているのでしょうか。ショルトは槍でセグナを突き刺します。

池には小山のようなものが現れていて、現実か幻想なのかははっきりしませんが、ドールやフロストなどの姿は消えていて、ここにフードをかぶった女性と男性が現れます。男性がショルトにナイフを差し出し、それはスルーアの力の象徴ともいえる伝説のナイフでした。ここはスルーアの消えたと言われていた聖地であり、王の血により蘇ると。セグナの血だけでは十分ではないと。スルーアの民のために何を差し出すかと神に問われ、ショルトは全てを捧げますというと、女神は不用意にそういうことを言うものではないとたしなめられます。神はショルトがもし死ねば誰が治めるのか、ここには王家の血筋のものがもう一人いるぞとメリーを示します。なんでも差し出すと言ったなと言われます。ショルトは妖精に命を取り戻しているメリーを失うことはできません、また彼女が死ねばケルが即位することになり、それもまたシーにとって望ましいことでもありません。彼女の命は私が取引できるものではありませんと抵抗します。メリーは横で彼らのやり取りをみつめながら、神と女神が本当に自分の命を望んでいるとは思いませんでした。秘宝と魔法の角のコップを与えておいてただ奪うというのは神のやり方ではないように思ったからです。生と死は背中合わせ。彼女とショルトが命の営みを行うことで、アマテオンのときと同じ効果があるとメリーは考えます。ただしメリーのハンドパワーはアンシーリーのものですが、再生の魔法がシーリーの効果が生まれています。そのため、もし二人の魔力が高まれば、その効果は自分たちでコントロールできるようなものではなく、野性の魔法となることをあらかじめ知っておいてもらわないととショルトに言います。つまりアンシーリーの一番の野生の魔法であるスルーアですが、それは過去の魔法がそうであっただけで、例えばショルトとメリーが楽しさや喜びの魔法をそこに加えたらそういった魔法へと変化していく、つまり闇を表現しているようなグロテスクな形状もスルーアたちにとってはアイデンティティでありましたが、ひょっとしたらシーのような姿に変化するかもしれないと説明します。ショルトはメリーの命を奪う、もしくは彼女との営みの結果民の姿が変わるかもしれないということを天秤にかけたら、迷う理由がないと彼女との営みを選択します。

メリーとショルトの二人が生み出した魔法で、ショルトの腹部の怪我は癒え、オマケはまるで本物にみえる精密な入れ墨のような模様へと変化しました。またハーブの様々な種類のタイムが周囲をおおいはじめ、特にショルトの周りは横たわる彼のまわりにハーブの茂みがまとわりつくようになっています。また周囲の景色も一変していました。太陽の光があふれ、ゴブリンの血を引くショルトの護衛などは眩しすぎて動けず、ショルトが少し明るさを落としてほしいと丘に頼むと光が和らぎます。また蝶が飛んでいたのが蛾や蛍へと変化し、魔法を生み出す二人の希望で湖の地域が変化していきます。

いまでは湖の中心にボーンでできた小島が隆起していて、メリーたちはそこにいるようです。ドールたち近衛兵は急いでメリーたちのところに駆けつけてきますが、アグネスはフードをかぶってまだ岸辺にいて、シーになりたがっている王が自分たちの国をシーの宮廷にかえてしまったと激怒しています。どうやらアグネスやボディガードたちの姿にも変化が表れていたようで、元に戻してくださいと懇願されます。

ショルトの満ち足りた恋人のようだった雰囲気がガラっとかわり、メリーに「逃げるんだ、これから闇の力を呼ぶ」と通告します。リースがおまえはあまりにもシーになりすぎてしまい、闇の力もおまえを王と認めないかもしれないぞと忠告しますが、その時はその時だと言って、空のはざまに切込みが入り霧のような恐ろしいものが現れはじめました。

メリーは近衛兵たちと全速力で岸辺に戻り始めますが、アブロエックがボーンによってすでに怪我を負わされていて、泳ぐのは難しいです、なんとかしてくださいとメリーに頼み、メリーは橋を架けることを思いつきます。さらにシーリーコートに戻る扉を開きますが、ショルトが「この場所には扉は開かない!」と宣言し、扉は閉じられてしまいます。闇の力はショルトを覆い始め、ショルトは戦いつつ脱兎のごとく逃げ出しました。ボディガードたちがショルトの逃げる時間を稼ぐためにはかない抵抗をしているようです。

メリーはドールに引きずられるようにして走りますが、再び扉を開こうとしても開けないため、四葉のクローバーを呼び出すことにします。メリーたち一行がクローバーの生える地域にはいると、そこは聖域のようになり、闇の力は入り込めないようです。さらに逃げ道を探るべく、普段は抑えている周囲の魔法を探査する力を解放して、あたりの様子を探り、この場の魔法が薄くなり、もともとの扉があるだろう場所を探ります。

ドールが近衛兵はまとまって扉を通り抜けるぞ、と指示します。バラバラの場所に着くとメリーを守り切れない可能性があるからです。メリーはショルトを振り返ります。ショルトはなんとかクローバーの草原へと足を踏み入れたところでした。リースはあなたのお考え次第です、と言い決断をゆだねます。自分を闇の力で殺そうとしたショルトを待つ、それとも闇の力に殺させる? メリーは誰であっても、闇の力にいいようにさせるわけにはいかないと、「ショルト、急いで!」と呼びかけます。クローバーのない場所をうっかり踏んで捕まりそうになりつつ、ショルトがなんとか一行に合流して、扉の向こうへ飛び込むと、そこは妖精の丘の入口のある人間界の駐車場でした。

突然現れたメリーたちにびっくりしたのは、そこで待機していたFBIや地元の警察官たち。すぐに車に乗れ! 闇の力にシーの肉体を与えれば、車のなかまでは見逃してもらえるかもしれないとドールが命じますが、自分たちは危険から逃げるために給料をもらってないと応じません。フロストは大怪我をしているため、ドールはフロストを警察車両に乗せろ!と命じ、メリーのことは助手席に乗せます。

メリーもフロストも抵抗して車から出ようとしますが、ドールは闇の力を以前見たことがある。とても逃げ切れない。フロストにメリーを守れるのは自分かお前だけだ、でもいまこの場には自分がいるしかない、だからお前はメリーを守れ! と言い、警察官にこの二人を病院に連れていけといって、警察官が運転し、特別捜査官も同乗して走り出します。

メリーは戻ってと叫びますが、人間たちはドールがああいっていたでしょう、ととりあいません。ドールがそばにいてくれるなら、自分は女王になれなくてもかまわらない、ドールを愛している、とはじめて自分自身にこの気持ちを認めます。でももしケルが王になったら自分の民を苦しませることになる、そして自分の王族としての生来の権利も、命もおそらく奪われることになる。絶望するメリーですが、走る車の窓からゴブリンの姿を見ました。普段絶対にやらないことですが、運転している警察官に触ると、メリーに欲情した警察官はすぐに車を停め、メリーに手を伸ばしてキスしはじめました。仰天した捜査官は彼を引き離そうとします。警察官は抵抗し、もみあう二人をそのままにメリーは車からでてゴブリンに近づきます。以前キットーが残酷で実力のあるゴブリンの戦士の双子として名前を挙げていたホリーとアッシュです。ゴブリンの王クーラグとの同盟があるので、私の近衛兵たちを助けてほしいと頼みますが、彼らは敵から逃げたやつの手助けはしないといいます。お前たちが助けなければクーラグは誓い破りとして汚名をかぶると説得しますが、しぶります。彼らは騒ぎの様子を見に来たようです。

現場に残ったドールや近衛兵たちのことを思って胸が張り裂けそうなメリーは 女神! 助けてください!と願いをかけ、怪我をして動けないフロストは警官が病院に連れて行ってくれるだろうとその場に置いて現地へと向かいます。するとワンアイという種族の巨人のゴブリンが現れ、メリーを抱き上げ、素晴らしいスピードで走り始めます。戦地への到着が遅れることは、ゴブリンの名誉にもかかわることのため、ホリーやアッシュもワンアイに負けないようにスピードをあげます。ワンアイは血まみれでしたが、女神の思し召しで血が流れだしたために、メリーに加勢することにしたそうです。

現地の近くにつくと、緑の炎があがっていたり、まだ戦いが続いている雰囲気で、近衛兵はまだ生きていることがわかります。ワンアイの一族はメリーの周りに集まり、その他のゴブリンの戦士たちも現れますが、クーラグはいないようです。統制の取れていない戦力ですが、敵に向かって行きました。

メリーはどうしていいのかわかりませんが、ホリーがキットーが報告してきたことは大げさだったのか、お前はネームレスをハンドパワーで倒したんではないかと言います。メリーは触れたものから血を流させることはできても、はっきりと目標をつけられない相手に力が発揮できるのか不安ですが、やるしかありません。

自分のなかに力を高めますが、最初は目標を定められず周囲のワンアイたちの血を流させてしまいます。いったん自分のなかに力を惹き戻し、再度狙いを定めて闇の力へと力を解放します。猛烈な痛みを感じましたが、次第にその痛みが引いていき、心が凪いでいきます。そして不思議なことに空からガンの一群が現れ、こちらにやってきます。その次は鶴の一群が。戦いも静まってきました。

戦場を見渡すと、ドールが遠くから黒い犬を従えてやってきます。メリーは全速力で彼のもとに駆け付け、飛びつきます。なんと死んだと思っていたゲイレンやニッカ、ホウスローン、アデアなども無事でした。犬たちは触られた近衛兵によって姿がかわり、リースが触った犬はテリアになっていました。

ゲイレンは生きたまま地面に囚われていたんだけれど、拷問部屋のほうに向かうとネリス一家が生き埋めになっているのことに気が付いた。頭にきたので、すべての囚人を解放するように命じてしまったんだ、ごめんメリー、と話します。いまは拷問部屋には壁もなく、別の場所のように変化してしまったようです。すべての囚人が解放されてしまったということは、ケルも解放されてしまったということ。オニルウィンの「お許しください、閣下!」という悲鳴が遠くから聞こえてきます。ケルは狂気に侵されてしまっているから、メリーに逃げろと女王からの伝言も預かっていました。

ケルが「メリー!」と現れますが、彼は眠らされます。そこにオンディーアイス女王が伴侶を伴って現れ、メリーにすぐにLAに帰るようにと命令します。闇の力が変化したらしい犬たちはメリーたち一行にはなつき、じゃれつきますが、女王が呼んでもまったく反応しません。

帰国するにあたって希望するものならだれでも近衛兵として伴っていいということですねとメリーが確認すると,ミストラルは駄目です、と女王がいいます。背後に控えるミストラルの存在を感じつつも、わかりました、彼のことは女王と約束しました。でも他のものでケルに忠誠を誓っていないものは来ていいですね、と念押しすると、ケルから親衛隊を奪い取ってはならないと女王は抵抗しますが、「いったんご自身が約束されたことです、希望するものは自分がLAに連れていきます」とショルトが現れます。ショルトははじめて、お腹の触手たちが周囲にわかるかたちで、恥じることなくその場にいました。スルーアは誓約破りをどこまでも狩り立てる存在です。女王が誓約を破れば、自分が狩るという脅しをかけたため、女王はメリーと一度寝ただけで蛮勇をもつのか、近々お前を私のベッドに迎えようかというと、以前の自分なら喜んで侍ったかもしれませんが、私はスルーアの王です。独立した存在ですので、そういったことはいたしません。とはねつけ、メリーは内心彼を誇らしく思います。女王は負けっぷりのわるい人ですが、ひとまずこの場は引き下がります。

ショルトが一行がLAに戻るために大西洋に近い岸の近くまで送ってくれるというので、一行が移動し始めると、雪の中にフロストが倒れている姿が見えました。メリーが駆け寄っていくと、フロストには息がありました。再会を喜び、彼と一緒に帰宅することにします。(終)

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