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Romance夢紀行

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A Lick of Frost/ローレル・K・ハミルトン あらすじ

A Lick of FrostA Novel【電子書籍】[ Laurell K. Hamilton ]​​
※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、 内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね 。

メリーはドールとフロストを後ろに従え、自分の弁護士たちとシーの大使同席のもと、弁護士事務所で相手方の弁護士から聞き取りを受けることになりました。シーリーのシーの女性に乱暴した容疑でリース、ゲイレン、アブラエックの3人がシーリーコートの王タラニスから訴えられたためです。相手側は、王室の人間であるメリーには何も強制できないけれど、容疑者であり周囲の女性に危険の可能性がある近衛兵は人間世界にとどまることを許さない方針でいるようです。ただし実際にそうなれば、メリーは人間界に無防備な状態で一人残されることになります。

机を挟んで相手方の弁護士と対峙したメリー陣営ですが、本来はシーリーとアンシーリー両方の立場を代表している大使が、アンシーリー側に不公平な立場の態度を示し、どこか不自然なものを感じてメリーは彼を追求します。彼がしている腕時計をしきりに気にするので、聞くとタラニス王からもらったものだということ。その時計には魔法がかけられていて、アンシーリーのシーを怪物のように見せるようで、次第に彼はメリーやボディーガードたちをみて興奮が高まってきて攻撃的な口調になってきたため、警察側の人間も彼やひいてはタラニス王を不審に思い始め、メリーの助言により彼を退出させます。

警察側の人間の弁護士たちは、タラニスたちシーリーコートがしきりに宣伝しているシーリーは光、アンシーリーは闇というイメージを信じていて、タラニス側からアンシーリーの近衛兵たちは数百年禁欲を強いられているため、やむにやまれずシーリーの女性に乱暴したのだという訴えがあり、そのままの情報をおおむね信じていたようですが、タラニス王が大使にかけた魔法を目の当たりにして、メリーが自分たちはあるがままの姿でいてアンシーリーのシーだからといって怪物のような姿をしているわけでもなく、タラニス王が実際に人間に宣伝しているようにはシーリーは光だけの存在ではなくて人間から見えない場所でアンシーリー同様に拷問も行われていて、シーは嘘をつかないし嘘をつけばバチがあたり自分の力に背かれるからメリーたちは嘘はつきません、という説明を徐々に信じてくれます。

相手側の弁護士はさらにメリーにはさらにエスス王子の近衛兵はあなたの近衛兵にいないでしょう、それは女王の近衛兵がエスス王子を殺したからではないですか?と昔の事件を掘り返しますが、メリーがオンディーアイス女王は完璧な人ではないけれど、彼女たち姉弟には愛情があって、万が一女王の近衛兵が手をくだしたのだとして、犯人が近衛兵にいたら、拷問の末の死が待っていただろうし、近衛兵もそのことを理解していたはずなので、そんなことはしたはずがないときっぱりと否定します。変化はごく最近のことだったのでタラニス王は知らなかったかもしれませんが実際にエスス王子の近衛兵はいま数名彼女の近衛兵へ合流しています。

その後メリーたちは別室に移り、容疑をかけられた3人が尋問されている間、自分側の弁護士や相手方の弁護士とも話をすすめますが、嘘をつけないはずのシーの女性がなぜこの訴えをしたのか、それは本人がそう信じていたからなのではないかと話し合います。実際にその事実があったのか、それともなにか魔法によって現実をゆがめられて間違った認識を持っているのか、シーに対してそれほどの効果をもつ幻覚の魔法をかけられるとしたらタラニス王しか考えられません。

すぐに無実の罪で誰かを陥れることは許されないと、タラニス王に追及するつもりの相手方の弁護団ですが、メリーは止めます。彼は数千年王の座にあり、人間と同じようには考えない、何をされるかわかったものではない、と。そこにタラニスの登場を告げる音楽がなり、鏡が輝き始めました。

鏡に現れたタラニスは全力でメリーを誘惑してシーリーコートへ呼び寄せようとしますが、メリーはドールやフロスト、ゲイレンやアブロエックなどから身体の一部に触れてもらうことで彼の幻惑の魔法へ抵抗力をつけ、かれのいわれのない避難と魅了する力をなんとか無視しようと努力し、自分のなかの怒りをかきたてます。

同席していた弁護士たちにも幻惑の魔法がかかってしまい、特に弁護士の助手の女性には強くかかってしまってタラニスに突進しそうになるのをなんども上司が妨げるようになります。人間に魔法をかけることは法律によって禁じられています。またタラニスの魔力に対抗してか、メリーには女神の恵みの力がわきあがってきて、花の香華が周囲に漂ってきます。一度はタラニスに手の内を明かすのは好ましくないということでドールに身振りで押しとどめることになりますが、しまいには女神の力が明らかになってきてタラニスが癇癪をおこし、鏡を通してタラニスから雷のような光の攻撃があびせられます。

メリーはアブロエックとゲイレンのふたりに両脇を抱えられるようにしてその場から連れ出されますが、途中アブロエックが背後からのパワーに押されてよろめき、ゲイレンひとりにドアの向こうへと抱えられ、全速力でエレベーター前まで連れていかれます。ゲイレンは妖精の丘の外にもかかわらず、人間によってつくられた建物、シーの苦手な鉄に囲まれている状態でも魔法を発揮し、ドアを閉じたまますりぬけたようです。誰がどんな怪我をしてしまったのか、戻らなくてはというメリーに、戻ることは許さない、君の安全が最優先だというゲイレンに、貴方が私に許しをあたえる立場ではない、私が命令するかしないかのどちらか。あなたたちの女王になるには、戦わなくてはと現場に戻ること命じます。駆けつけてきた救急隊と警察たちと共に現場に戻ります。

部屋に入るとアブロエックが酷いやけどを負い、でも話せるくらいには意識はあります。奥に進むとドールがタンカーに乗せられ、意識のない状態です。鏡の前には、私に触るな!と周囲ともみあうタラニスの声が聞こえてきますが、鏡をはさんでリースとフロストがシーの貴族サー・フーゴーと話し合っています。

ドールは命の危険はないだろうということですが、運ばれていく彼をみてショックを受けるメリー。ゲイレンにドールに付き添うよう命じます。ゲイレンは自分の任務はメリーを守ることだと言いますが、彼についていってときっぱりメリーは命じます。

リースは恋人が大怪我した女性としてではなくシーの王族として振舞えるなら手伝ってほしいと呼びにきます。フーゴーは鏡で相対したメリーに、このような状態の王は受け入れられないので、シーリーコートで選挙を行い新しい君主を選ぶことになるでしょうと話します。そうですか、と返すメリーにフーゴーは彼女はこのようにいつも謙虚でいらっしゃるのか、とそばにいたリースに確認しますが、リースはそうだと認めます。フーゴーはシーリーの選挙でメリーを女王として推したいということだったのです!

シーリーの宮廷で暮らしたことがあり、混血への嫌悪感を隠さないシーリーの貴族たちを知っているため、驚くメリー。たぶん意見をまとめきれないだろうと想像しているようです。また両方の宮廷から命を狙われかねないとも思い、とにかくオンディーアイス女王に事態の経緯と申し出について報告しないとどんな返事もできないと言います。

ドールたちの運ばれた病院に着くと、個室に怪我をしたドールやアブのほかにぎっしりと医療関係者や近衛兵たちが詰め込まれていて、治療されていない状態でした。どうやら担当医がシーの患者に慣れていない医者で、自分の治療も拒み、またヒーラーのハーフィンの治療も拒んでいます。メリーは普段は抑え込んでいる魔法を少しだけ解放し、彼の幼馴染が彼を愛していること、彼は仕事と家庭を両立できないことを理由に彼女との愛に尻込みしているけれど、彼女は彼以外とは結婚しないかもしれない、彼女に連絡を取るべき、とメリーは助言します。抵抗をみせる医師でしたが、最後は無言のリースの後押しで病室から出ていき、ハーフィンは治療を始めることができました。ここは人間界のため治療の魔法も制限されますが、ドールが顔か目を失うほどの怪我が、ひとまず車いすで移動できるくらいの大怪我くらいには回復したようです。

状態が安定するとすぐに全員でリムジンなど数台で帰宅することになります。メリーはお気に入りの近衛兵と同乗するつもりでしたが、ドールやフロストは、子供をわたしたちと作れていない以上、お気に入りを作って他のメンバーと壁をつくるべきではありません、子供を作ってからお気に入りを作るべきなのです、と話します。メリーが与えてくれたのは禁欲からの解放だけでなく、優しくすることで元の自分たちを取り戻してくれた、とも。ただそのことが、より距離を保つことを難しくさせられるとも。

彼らはたくさんの犬たちやデミフェイたちに温かく迎えられました。メリーは全身が白くて片耳だけ赤いハウンド、ドールは真っ黒なハウンド、ゲイレンはハウンド、リースはテリアたち、フロストだけが彼を主人に選ぶ犬がいなかったようです。

すぐにオンディーアイス女王に報告しなくてはなりません。鏡を通じて女王に連絡すると、女王の寝室にはいたぶられて血まみれのクリスタルがうつ伏せで横たわっていました。希望するものは誰でもメリーに同行してもよい、ということでしたが、実際には希望者が多すぎて近衛兵がいなくなってしまったため、女王は約束をかえて、同行できるものとできないものの線引きをしたようです。女王は、女王の近衛兵という恵まれた立場にいるにもかかわらず誰も彼もがシーにとっては死ぬほどつらい追放という立場に自分を置こうとすることが信じられず、またアンシーリーの宮殿をシーのような花や光のあふれる明るい場所にかえてしまったことも赦せないでいるようです。自分がもとに戻したいと思っても、妖精の丘は言うことを聞いてくれないとも。もしメリーがシーに行ってしまったら、元に戻るのだろうかと言っています。

メリーはタラニスとのいきさつを報告し、女王にならないかという申し出は、シーの宮廷の新しい王を選ぶ過程で時間稼ぎをしているだけではないかと自分の見解を話し、自分としてはアンシーリーコートを大事に思っていますと話します。

女王はもしメリーをシーリーの女王にすれば、戦争なしにはメリーを傷つけられないのは面白くない、だけれどシーリーの女王には自分の近衛兵は必要ない、と発言し、メリーはショックを受けます。フーガーへの返事は保留することになります。

先日の戦闘で助力してくれたゴブリンの双子アッシュとホリーから鏡を通して連絡がありました。アッシュのほうがシーらしい戦略的な思考を持っていて、ホリーのほうがよりゴブリンらしい力こそすべてといった雰囲気の様子です。彼らは約束を守ってメリーと一夜を過ごしたいと言ってきました。ゴブリンとの夜は一部は人間でもあるメリーにとって、相手がその気がなくても傷つけられて死んでしまう危険もはらんでいます。当初はドールが立ち会うことになっていましたが、ドールが重傷で、フロストはメリーを分け合いたくない、リースはどうしてもゴブリンとの夜を過ごすのは難しいということで、ドールのかわりに誰か2名の近衛兵を付き添わせたいと交渉します。意外にもフロストが立候補し、彼が立ち会うことになります。

部屋の鏡に女王が現れ、女王にフーガーが連絡してきて、メリーにシーリーの女王になっていただけないでしょうか、アンシーリーにはまだケル王子がいらっしゃいますよねと言われ、どうやら政治的な駆け引きではなく本心で即位させたいと思っているようだと伝えてきます。

メリーは立て続けに起こった出来事に疲れ果て、鏡のない部屋でもあり、自分を安らがせてくれるキットーの部屋に向かいます。ベッドにいたキットーは温かく迎え入れ、メリーが必要とすることをすべてしてくれようとします。またホリーとアッシュがメリーと夜を過ごすときには、自分が立ち会うと申し出ます。ゴブリンの細かい文化まで一番わかるのは自分だから、と。自分がもし赤ちゃんの父親になったら悲惨なことになるのはわかっている、けれどできることは何でもすると。

そこにリースがやってきます。片眼を失ったことでゴブリンを嫌悪するリースですが、ゴブリン社会で虐待されつくされてきたキットーが虐待していたアッシュとホリーと夜を過ごすと聞いて、彼の勇気を賞賛しています。ただキットーは自分を過小評価しています。新しく犬たちがメリーのまわりにいることになりましたが、メリーの足元にいるのがオイラの権利、と主張しています。リースが近衛兵じゃなくて、犬に嫉妬しているのかというと、メリーが無意識に誰かを触ったりすることで安らがせる役割を奪おうとする犬は彼にとってライバルのようです。またゴブリンにとって犬は餌であり、アッシュやホリー、そして同行してくるワンアイたちにとっては餌にしか見えないだろうから気を付けたほうが良いと気が付かせてくれます。

リースはフロストが立候補したときのまなざしから、フロストにメリーとの時間を用意してあげるべきだと考え、彼の時間をフロストに譲ります。フロストはメリーの前でゆっくりと衣装をぬぎながら誘惑しようとしますが、メリーは突然彼を見ていられなくなってしまいます。フロストはドールが一緒にいない自分には魅力を感じないのかといじけますが、メリーは自分が具合が悪くなるということは自分の中にまだ死にゆく人間性が大きく残っているということ、ということは自分はこれから年を取るけれど、何年たっても完璧に美しいフロストはそのままなのだと思い、悲しくなってしまったようです。

フロストには昔愛した人間の女性がいたとメリーに話します。まだ妖精になって間もなく、姿としては14歳くらいの少年で、力がなく、どうしてあげたらよいのかもわからず、窓越しにその子を覗くぐらいしかできなかったけれど、彼女には第6感のようなものがあり彼のことを見ることができ、不幸なことにそれを周囲に話してしまい、村人から魔女と指さされるようになったそうです。フロストが心配してそばによるほど寒さも厳しくなり、食べるものも薪もなくなったために彼女のためにフロストが彼女の家に薪などを用意してあげますが、周囲から薪がなくなると盗人として母親とともに投獄されてしまいました。女神が彼の祈りに応えてくれて、牢獄を破壊するともっと丈夫な牢獄へと移されてしまいました。彼女をつれて逃げる途中、タラニス王にあい、シーリーコートへ迎えられたそうです。彼女が年老いていっても自分の愛はかわりませんでした。メリーへの愛も自分が死ぬか、メリーが死ぬまで終わらないと宣言し、切ないほどにメリーを大切に愛し、メリーも愛を返します。愛し終わった直後、鏡に女王が現れ、彼らをぎょっとさせます。女王が帰ると亡霊のようになったリースは身支度をし、部屋を出ていきます。

入れ替わりに戻ってきたリースは、メリーが16歳のころ誘惑した時のことを覚えているかと話します。メリーは豊穣の女神だった女性たちのことを彼に思い出させるそうです。それでメリーのなかではシーリーの魔法が強いのか、アンシーリーの魔法が強いのかを試そうと思ったというのです。エスス王子にメリーと結婚させてほしいと願い出た、というのはメリーも初めて聞く話でした。メリーが愛していたゲイレンは政治的に絶望的で生き残れない、エスス王子はメリーのそばに生命の明るい魔法を置いておきたいと思い、前婚約者との婚約をおぜん立てしたのだろうと。クロムクローチだった自分の死の魔法は暗すぎ、同じ意味で女王の闇だったドールは論外だったろうと。

リースは、メリーがドールとフロストを愛しているのは知っている、ゲイレンにも愛情をいだいていることはわかっている、でも自分と愛し合ってもメリーは楽しそうだけれど、のめり込むことはない、自分には何が足りないのだろうと問いかけます。ゲイレンは自分が王配になることはメリーのためにならないと赤ちゃんができることをメリーとはしなくなったと彼女は告白します。リースは、自分はメリーのためを思ってメリーに赤ちゃんを作る競争を降りるつもりはない、とメリーのことをひたむきに愛します。ただこれは近衛兵たちの競争かもしれないけれど、このなかの何人かは王配になれなくても、メリーを得られたらよいと考えているものもいるだろうと話します。

彼らはいまヨーロッパににげているメーヴリードの家を借りています。ゴブリンたちを迎えるのに舞踏室を設え待っているとアッシュやホリー、ワンアイたちがやってきました。アッシュとホリーに挨拶し、次はワンアイのリーダーにメリーが挨拶をします。メリーはなぜ、あのときにワンアイたちが自分や近衛兵たちを助けてくれたのか、マナーから外れないで本心を聞きたいのですが、うまく聞くことができません。あのときメリーに触れたワンアイたちには外見上少し変化が表れていて、あのときメリーに会えなかったメンバーも変化を起こしてほしいと思って同行してきたそうです。メリーが触れたことで、昔のワンアイの力が戻ってきたようです。ワンアイは貴重な涙を流し、メリーはそれを指にすくって口に入れます。

そこに入室を禁じていたデミフェイや犬たちが飛び込んできて、ドールも犬にせかされて部屋に来ました。魔法が広がり、御屋敷全体で魔法が活性化し、まるでそこが妖精の丘のような魔法の息づく空間へと変化していきました。主のいる犬はマスターのところへ駆け寄り、犬たちがメリーを痛みがはしった瞬間にその場につなぎとめてくれました。そして双子の幽霊の子供ともう一人の子供が自分のまわりを走る幻想を見ます。

気が付くとフロストが倒れていて、身体の入れ墨から青い光があふれています。洋服をはいでみると、そこには鹿のマークが浮かんでいました。他の犬がいないメンバーも犬が身体を舐めるか触ると息を吹き返すのに、フロストは目覚めません。メリーは彼を生き返らせて、彼なしで彼の子供を育てたくありませんと女神に強く願いますが、フロストは鹿へと変化して窓から飛び出していってしまいました。

メリーは自分は双子を妊娠していることに気付き、またその子供にはそれぞれ3人の父親がいると話します。父親は、ドール、フロスト、ゲイレン、リース、ミストラル、ショルトです。妊娠したことのうれしさより、フロストを喪失してしまった悲しみをゴブリンがいる状態で表に出すことはできず、一人になりたいと部屋を抜け出します。

アッシュは自分たちがメリーとの夜を得られないことを激怒しますが、魔法が彼らも変化させていて、さらにお腹の子供を危うくすることはできず、得たもので満足するようにと説得されます。

明るい庭でメリーがひとりでつっぷして泣いていると、肩に手を置かれ、強引にキスをされ、抵抗すると殴られます。アマテオンの姿に変身したタラニス王でした。メリーはそこに扉を開いて逃げようとして、そばにいた犬たちも攻撃しますが、逆に攻撃され、メリーは攫われてしまいます。

メリーが気が付くとそこは知らない寝室で、裸でした。タラニスが強引にキスしてきますが、抵抗していると両手を抑え込まれ、無理強いされそうになりますが、猛烈な頭の痛みと吐き気がおさえきれず、吐いてしまいます。召使や医師が掃除や治療に呼ばれます。シーリーコートのメンバーたちも、薄々タラニスのおかしさに気が付いているようです。医師に自分が双子を妊娠していることをこっそり伝えます。医師はタラニスにメリーが妊娠していることを告げると、タラニスは自分の子供だ、めでたいと喜びます。大切に扱わないと子供に害を与えることになります、どうぞ綺麗にしていらしてくださいと医師はタラニスを部屋から送り出し、メリーは別の場所で安静にさせますと護衛兵に抱えさせて部屋から連れ出します。

タラニスの聖域でもある庭に入ると、シーリーコートのシーたちが整列し、犬をつれてメリーを待っていました。サーフーゴーもいます。メリーが妊娠していること、またメリーの力によりアンシーリーの女性が妊娠したこともメリーに確認し、彼女を支えることを伝えます。タラニスはこれから自分に都合のよい話をマスコミに話す予定ですが、その前にメリーに真実をマスコミに暴露してほしいと願い出ます。そこに黒い犬が走ってきて、変身すると裸のドールになりました。危険を押して、メリーを助けにきたようです。

ドールはタラニスを殺して捧げます、と言いますが、メリーは復讐はやめて、自分と生きてほしいと願います。嘘の嫌疑で近衛兵を陥れようとし、幼いメリーを虐待し、姪に乱暴したことが明らかになれば、人間のマスコミによって完膚なきまでにやっつけらるだろうと。

ドールは再び犬へと変身し、マスコミのいる部屋にサーフーゴーによってメリーは運ばれていきますが、女神の祝福としてどこからともなく一行には薔薇の花びらがふりかかり続けていました。途中シーリーコートの護衛兵によってタラニス王の命令といって足止めをくらいますが、シーリーの貴族たちが身体をはってメリーを取り囲み、強行突破します。こちらの騒ぎを聞きつけた向こう側から、特別捜査官たちが駆けつけてきます。メリーに医師が必要だということになり医師も呼ばれます。通そうとしない護衛兵たちと警官たちがもみ合いになりますが、シーリーコートの広報が、アンシーリーの近衛兵がメリーに乱暴しようとしたところをタラニス王が助けに入り、連れ帰ってきましたと間違ったことを言うので、無理を押して発言します。メリーは自分が意識がない間に乱暴されたかどうかは検査をしてみないとわからないものの、「タラニス王が自分に無理強いをし、気が付いたら裸で彼の寝室にいた、彼は自分に乱暴したと言っていたので、これから救急救命室で検査を受けます」と話したのでマスコミは大騒ぎです。

救急車には犬は載せられない、と医師に言われますが、メリーが「ドール」と小さい声で呼ぶとメリーから離れようとしません。しまいには医師も折れて救急車に乗せてくれます。途中、マスコミが救急車を追いかけてきて、ライトが窓から入り込むたびメリーの頭痛が激しくなり、吐いてしまいます。救急車がやむなくとまると、救急車に誰かが乗り込んできて、それはマスコミに変装したリースとゲイレンでした。

病院につくと犬を入れようとしない医師にしびれをきらしてドールは変身し、近衛兵たちはメリーにつきそいます。ショルトは危険を冒してこちらの世界にやってきていて、病院の入口でメリーのことを待っていました。

メリーはシーリーコートの一部の貴族は自分を支持してくれたとしても、自分の赤ちゃんたちの父親はアンシーリーの貴族たちだし、実際に自分がシーリーコートの女王として認められる可能性は低いのではないかと考えているようです。(終)

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