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Romance夢紀行

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Father Mine J.R.ウォード(BDB#6.5)なんちゃってあらすじ

2020.10.12 更新
Father Mine: Zsadist and Bella's StoryA Black Dagger Brotherhood Novella【電子書籍】[ J.R. Ward ]

※ ※ ※ ネタバレあり ※ ※ ※ 
辞書を使わず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

第1章 「ベラはよくやっているわ、この2か月で見違えるようだし。ナーラも人間の子供にくらべてずっと成長が早くてもう9か月くらいにみえる」産褥の大量出血で容体が危うかったベラを救ってくれたジェーン医師にザディストは心から感謝しているようです。「それで、父親業はどんなかんじ?」と彼女に聞かれると、Zは動揺して手に持っていたナイフをすべらせ骨に達するほど深く切ってしまいます。ベラはZが自分から身を養ってくれないことをジェーンに相談したようで、よければそのことをメアリに話してみたらとジェーンはZに助言します。Zは突っぱねますが、食べられない、身を養わない、眠れないなら、兄弟団の専属医師として戦闘に出るのを禁じるわよとジェーンが通告します。

ベラはフューリーに、彼は悪夢を見ているみたい。ほとんど食べないし、眠らない。ナーラが生まれた日にはとても幸せそうだったのに、何かのスイッチが入ってしまったみたいで。どうしていいかわからなくてしまったと話します。「彼はナーラを抱っこしてくれないの、生まれてから一度として触ろうとしないのよ。なんでナーラの父親が彼女を愛してくれないのかずっと考えているの」とベラは涙にくれます。それに私の娘って言うの、俺たちの娘じゃなくて。彼の過去を考えると難しいってわかっていたけれど、彼は後悔しているのかしらとベラが言うと、フューリーはあいつをぶっ飛ばしてやりたいよ、わかっているだろう、君はあいつの奇跡だ。でもこのままでは一緒に暮らせない、もう生後3か月だけど、彼の状態はどんどん悪くなっていくようだしとベラは話します。

Zがベラのための食事のトレイを部屋に運んできましたが、ナーラには目を向けず、戦闘に行ってくる、愛してる、とベラに言い、部屋を出て行ってしまいます。

第2章 ザディストがいつもの悪夢に悩まされていると、遠くから赤ん坊の泣き声が聞こえてきました。自分の牢のなかに幼い子が連れてこられてしまったのか、出してやらなければと全身に力を込めて起き上がると、そこは自分の寝室でベラがそっと室内ランプを付けたところで、そばのベビーベッドではナーラが泣いていました。ナーラはZの方向に必死に手を伸ばしますが、Zが後ずさると、ベラは隣につくった育児室へナーラを連れていきました。

Zはごめん、とベラに言いますが、ナーラを拒絶され続けて、もう大丈夫とは言えないわ、あなたの子供でもあるのよ。あなたが身を引くたびに私の心も傷つく。過去のことがあって難しいことはわかっているけれど、ナーラを一番に考えるわ。

Zは血隷の印の入れ墨がぐるっとめぐらされた手首をじっと見つめます。大きくて、伝染してしまう・・・。この手では触れない。もしナーラをあやして、遊んで、本を読んであげて、父親らしいことをしてしまったら、彼の受け継がせたくない遺産がナーラに伝播してしまう。ベラの生んだ娘にはもっとよいものがふさわしい。

ベラはあなたが彼女の父親になれないなら、もう一緒に暮らせない。ナーラにとって一番いいことを考えてあげたいから。あなたのことをずっと愛しているけれど、もう私だけじゃだめなのとZに告げます。

Zは戦闘の準備を整えながら、どうやったらこの嫌悪感を乗り越えられるだろうかと考えていました。ベラのときはシェランが助けてくれてなんとか乗り越えられたものの、これから彼女が大きくなって顔の傷のことを聞かれたり、彼の身を心配するようになったら・・・。化粧室ではベラが裸にローブを羽織り、髪の毛を乾かそうとしていました。そんなベラを見守りながら宇宙で一番美しい女性だとZは考え、戦闘に出掛けてしまいます。ベラはローブをずらして鏡のなかの自分をみて、産後の体形は戻ったように思えるけれど、もうZが自分に女性としての魅力を感じていないのだと絶望します。妊娠は思いがけなかったので、夫としての彼に戻ってきてほしいとも思っていました。でも彼の過去と折り合いをつけるのは、難しいことなのかもしれない。

第3章​ Zはレイジと戦闘にでて、レッサーたちの家に踏み込み、何人かを始末すると、Zはあざだらけで拘束されている市民をひとり見つけます。安心して、と声をかけて近づくと床が抜け、下まで落ちていく間に頭に浮かんでいたのはベラのことでした。レイジが大丈夫か、と穴から顔を出したので市民を先に避難させてくれ。その後に俺をここから出してほしいと頼みます。Zが見回すと、その部屋は宝物庫のようで、沢山の宝飾品や彼が見覚えのある人物の肖像画まであり、おそらくこの夏グライメラが襲撃された際にレッサーたちに略奪された品々ではないかと思われます。家の入口のほうで新しい気配がしたので、レイジが様子を見に行き、Zが今いる場所を移動しようとすると、そこには新しいレッサーがいました。

第4章​ ベラはナーラを腕に抱き、母としての喜びを感じる一方で、胸騒ぎを覚えていました。それにZにはっきりと言ったことに対して、俺は君たちと一緒にいたい、とも努力するよとも言わず、ただ戦闘に出掛けてしまいました。その行動が答えそのものということ? ベラはリヴェンジに電話し、どこか住む場所を用意してもらえないかしらと頼みます。

何年もの間、お前を自分の手元に置いておくために喧嘩してきたのに、いまほど兄弟団の邸宅にお前にいてほしいと思うことはないよ、一番安全な場所だから、とリヴはその皮肉に苦笑いします。ハドソン川に面したところに友達の家とつながった隣家を持っている。そこなら彼女がお前を警護してくれるはずだ。今晩中にそちらへ移るわとリヴに伝えます。

Zは2人のレッサーに銃を向けられ、もうお終いだと思い、ベラがナーラを愛しそうに見つめ、そのまま自分のほうに気が付いて愛しげな眼差しを向けてくれたことを思い出した瞬間に耳の横に銃弾がすり抜けていきました。レイジとクイン、ジョン・マシューが駆けつけてレッサーを仕留めてくれていました。

リヴェンジとの電話を切ると、ザディストからメールが届きます。「本当に悪かった。愛している。許してくれ・・・君なしでは生きていけない」

第5章 ベラからテキストメッセージが届き、Zはショックを受けます。「ごめんなさい、あなたのことは愛しているけれど、私たちは行かなくちゃ。今夜、新しい場所に落ち着いたら住所を知らせます」レイジやクインたちにカバーされながら、なんとかZは車の後部座席に落ち着き、車はその場を走り出しながらレッサーたちが満載のワゴン車が出てきた家のそばに到着するのを見計らって家を爆破します。

ベラは短期滞在に必要な荷物をまとめていると、ドアからメアリが硬い表情で顔を出し、レイジから連絡があって、Zが怪我をして身を養う必要があるかもしれないから出ていくのは待ったほうがいいと知らせてくれます。彼は痛みのなかであのメールをくれたの? 私はなんてことをしてしまったの。

追いかけてきたレッサーたちとカーチェイスを繰り広げることになり、車のなかで揉まれたZは意識を失いそうになります。レイジが失血で真っ青だ、病院で手当てしてもらわないとと言いますが、家に戻る、とZは主張します。メアリに連絡したから、俺たちがどれだけ帰るのに時間がかかろうとベラは待っていてくれるはずだ、と言われて反論しようとしますが、Zは意識を失います。

第6章 ベスは屋敷の中の治療室でZを待っていました。3か月前には彼女自身が横たわっていたストレッチャーです。本来は18か月のはずの妊娠期間。妊娠9か月の段階で、前日にちょうどナーラが力強くお腹を蹴るのを感じたところでしたが、変な汗をかんじてシャワーを浴びようと化粧室にいくと、破水してしまったのでした。夜明けが近く、ハヴァースの診療所にいくことも、彼に来てもらうことも難しく、ジェーンが対応してくれました。Zは戦闘に出ていましたが、帰宅すると武器を放り出し、ベラの枕元に駆けつけ、ずっと手を握ってくれました。

ラスがやってきて、ベラはまさかと緊張しますが、Zの容体が安定していて、いま診療所にいると伝えに来てくれたようです。少し緊張を緩め、ラスにもしもベスに赤ちゃんができたら、彼女と同じくらい愛せますか、と聞きます。ラスは少し考えて、シェランがいる男はみんなそうだと思うが、男にとってシェランは胸の鼓動だ。彼にとって唯一の存在で、失ったら二度とそれ以上のものは得られないとわかっている。シェランを深く愛し、大切に守ることで、シェランは安全に子供を世話することができるんじゃないだろうかと話します。

Zが病院衣を着せられ治療室に運ばれてきます。ベラは駆け寄り、ザディストは涙を流すベラの呼びかけで目を覚まします。麻酔は女主人のところへ連れていかれたときのことを思い出すため、足の整復手術の際にも拒否したため彼は死にそうな気分でしたが、必死に目を開けていようと努力し、ベラに「愛している、置いて行かないでくれ」と頼みます。

Zはベラの出産のときのことを思い出します。知らせを受け、戦闘から慌てて帰ってくると、ベラがストレッチャーの上から手を伸ばしてきて、ジェーンに手を洗ってと指示され、青い手術着に着替えるとベラの手を握りました。手を握りつぶされそうになりましたが、彼は気になりませんでした。出産はどんどん激しく、早く、ひどく進んでいき、どうやってベラは耐えているんだろうと心配していましたが、とうとう耐え切れなくなるときがやってきて、バイタルサインが落ちてきました。

ジェーンがこれ以上は危険だからお腹から赤ちゃんを取り出すわ、とベラに伝えます。ベラが赤ちゃんは大丈夫なの、と聞くと、ジェーンは二人が乗り切れるように全力で頑張る。あなたの仕事は気を落ち着けること。私に仕事をさせてちょうだい、と言います。ベラは天井の一点を見つめ、決意を瞳にみなぎらせると、目を閉じます。Zはもう二度とこの瞳が開いているところを見れないのではないかと不安に思いみつめていると、ベラは赤ちゃんを優先してちょうだい、と言います。ベラは生きてこれを乗り切れるとは思っていないと感じてZは身体が冷え切るのを感じます。「生きてくれ」と言いますが、ベラはもう意識がなく、聞こえていませんでした。

あのとき君が赤ん坊を優先してほしい、と言っていたから、赤ちゃんが死んだと君に伝えたくなかった。君が最後に心配していたことだったからとZが言うと、ベラは、私はあのときもう死ぬと思っていて、あなたを独りぼっちにしたくなかったからと説明します。私、フェードの光をみたの。あなたが心配だったわ、私がもし生きていられなかったらと思うと。おまえに死がそんなそばまで近づいていたなんてとZは青ざめます。

ジェーンが容体が安定したから、数時間休めればここから動いても大丈夫、二人きりにしてあげましょうといってみんながいなくなります。Zが話し合おう、と言います。

ベラは出産後に目覚めると一番先に見えたのが苦悩するZの瞳でした。彼女が気が付いたことに気付くと、次第に苦悩が薄れ、希望が宿っていきました。赤ん坊をみせてやってくれ、というとVがすぐさま連れてきます。ベラが点滴のつながった腕を伸ばして優しく赤ん坊のほっぺたをなでると、「ナーラと呼んでいい?」と聞き、Zはもちろんだともといってキスをしました。

あなたは出産後、幸せそうに見えたのにというと、Zはそれは君が生き延びたし、君が子を失うという最悪の事態に直面せずに済んだから、君のために嬉しかったんだと説明します。私に血をくれたあと、ベッドにいた彼女に手を伸ばそうとしたとき、あなたの表情には愛があったわ。何があったの?

Zの頬に一筋の涙が流れます。ナーラは夢の中に出てきたんだ。女主人の檻の中で泣いていた。俺は彼女を助けようとするんだが、なぜか動けなくて、女主人が彼女のところに行くのを止められない。ナーラが檻の中にいるのは俺のせいなんだ。ベラはナーラを女主人が殺そうとしているというの、と聞くと、違う。ナーラは無理やり見させられるんだ、彼女の前で父親が・・・と言って号泣します。ベラは自分も涙にかきくれながら、彼を固く抱きしめてあげるしかできませんでした。

第7章 ザディストは自分の寝室で目覚めると、ベラが隣にいて、怪我はどう、何か食べる?と聞いてくれます。彼女を引き止めるためなら、忌々しい過去の話をいくらでもしてやる。私のこと、女性としてまだ欲しい?とベラに聞かれ、なんでそうじゃないなんて思うんだとZは驚きます。私から血を飲んでくれないというと、ナーラを育てているんだからとZは言います。君が欲しい、といって彼女の手をとり、彼の下半身に触れさせると、ベラは驚いた様子です。彼女は自分自身に魅力がなくなったと思っているんだとZは気づきます。君は初めて会ったときと同じくらいきれいだ。あの時俺の心臓は止まったよ。俺にとっての君は何も変わっていないと、わかっていると思っていた。ベラはナーラが生まれて生活リズムも、私の身体も、私たちの関係も変わったと思っていたというと、Zは俺を感じてくれと言ってベラに自由にさせますが、ナーラが横にあるベビーベッドで泣き出しました。

ナーラの世話は大変ですが、ベラに満足も与えてくれます。でもZのシェランとしての自分も恋しく思っていました。彼が話してくれたことで、伴侶からの温かいサポートだけでは不十分で、プロの手助けが必要だとベラは感じます。メアリはどうかしら、でもレイジのシェランに過去を話すなんて無理かも。

様子を見に来たジェーンに、ナーラのベッドを育児室に移して、ベビーモニターをつけて、夫婦の時間を持った方がよいわとベラはアドバイスを受けます。早速移動させると、シャワーから出てきたZがそのことに気付き、君はそれで大丈夫なのか、と念を押し、大丈夫だとベラが言うと、彼が彼女に女性として魅力を感じているということを説得するためにベッドに押し倒していました。

君は俺のすべてだ、とささやき、ナーラは俺と同じ目をしていると言うと、ベラはナーラはあなたとそっくりよ、シャワーを浴びたら、彼女をもっとよく見に行きましょうと誘い、Zはひとつ大きな息を吸うと、そうしたい、と言います。

第8章 ベラとZがベビーベッドをのぞくと、ナーラはぐっすり眠っていました。Zが手を伸ばすと、ナーラが指を握りしめ、Zが力が強いなと感嘆します。それになんて柔らかいんだと言ってベラをみると、彼女の頬には涙がつたっていました。愛しい人、ここに来てくれと抱きしめ、ナーラも抱き上げます。彼は自分の背が何千倍も高くなったように感じ、いまなら軍隊も平らげられそうだと思いました。この二人は彼のものだ。彼だけの。一人は彼の心で、一人は彼の一部。二人がいて、彼を完全にしてくれる。ナーラは両親を見上げると、可愛らしく喉を鳴らしました。

Zはギブスを外してもらおうとジェーンを探しにいくと、昨日手当をうけた治療室をVとDIYをしていて、救急救命室のようになってきています。ジェーンが手早く確認をして、ギブスを外してくれると、Zは入れ墨を除去できるだろうかと聞き、調べてみると言ってくれます。

Zが部屋に戻ってくると、ベラと熱い時間を過ごします。ベラは彼が心を開いてくれたあとのことを思い出します。今までぬくもりの足りなかった時間を取り戻すように、食事の時間も、兄弟たちと一緒にいるときも、彼女と一緒に心地よくいようとしていました。そんな彼が戻ってきたようです。化粧室で二人で身支度をしていると、彼が助けてほしいんだと言い出します。彼が考えをまとめるのを待っている間、ベラここで彼が彼女に初めて欲情して吐いたこと、レッサーから助けに来てくれてお風呂に入れてくれたこと、彼女が初めて彼から血をもらったときのことを思い出し、じっと手首を見つめる彼をみていて気付きます。入れ墨を消すつもりなの? 君は俺のことをよくわかってる。Zが計画のことを話すと、ベラは喜んで一緒に行くと言ってくれます。

第9章 ベラとZは優秀な整形外科医のフランクリン医師の診察室を訪れます。フランクリン医師はベラの美しさに驚き、Zの大きな体と傷のある顔、暗い目つきにひるみますが、診察台にかけて首をみせてもらえますかと声をかけ、Zが服を脱ぎ鞭で拷問された跡が残る背中を見せると絶句します。Zが他の人に頼もうというと、医師は彼の前に立ちふさがり、黙ってポケットに入れていた手をZに見せます。手は火傷の跡がありましたが、全身にやけどの跡が広がっていると説明します。私は10歳のときに火災にあって、自室に閉じ込められてしまった。17回の外科手術を受けたよと説明します。酷い試練を乗り越えた、という仲間意識がZを落ち着かせたようで、座りなおしました。入れ墨を触ってもいいですかと医師に聞かれると、いいよ、と受け入れます。

まずは手首でレーザー手術を試してみましょう、奥さんに手を握ってもらってはいかがでしょうか。座ったままで結構ですよ。首の治療は、鏡で治療の間、ご自身で患部を見ていただけるように作業します。お辛くなったら、その時点ですぐにやめますから。これはあなた自身の身体のことですからね。フランクリン医師、あなたは素晴らしい方ですね、とベラが感謝します。

この患者は信じられないくらい我慢強い。1度や2度のことならとにかく、普通の患者なら数分で休憩が必要になるほど痛みの強い治療にもかかわらず、1時間たっても痛みに身じろぎもしない。しかし不幸にもこの入れ墨はレザーでの治療に効果が見られず、フランクリン医師は疲れてきました。

なぜ全く効果がないのか理解できない、と医師は言いますが、患者はいいんだ、努力してくれて感謝する。君はこの入れ墨を希望していれたんではないんだろうと医師に言われると、患者は自分の意志ではなかったと話します。これ以上出来ることがなく申し訳ない、と医師は話しますが、患者はいいんだと言って、私たちはこれで帰るが会計は妻が受付のところに置いておくといって医師の瞳をじっと見ます。

第10章 Zの手首の入れ墨は燃えるような熱さでしたが、嫌なものではありませんでした。意外な結果というわけではなかったな、思いがけずいいやつだった医師の他には。彼はいい人だったわね、とベラも同意します。

ナーラが泣き出し、俺に面倒を見させてくれないか、落としたりしないからとZが言って、ベラはその場で待っていることにします。Zは育児室に入ると、ナーラに話しかけ、世話をします。ベラに、俺に誘拐のことを話さないのは、俺の過去が影響しているのかと聞きます。ベラはハヴァースにも話したし、メアリにも。それに誘拐された場所に一人で行ってみたの。自分の中で折り合いはついているし、あいつに私やあなたに影響を及ぼすような力を与えたくない。伴侶だからといって全部を共有しなければならないってことにはならないと思うとベラは話します。

ちょっと出かけてきていいか、すぐに戻るからといってZはベラが監禁されていてVが燃やした施設の跡地に実体化して歩き回り、救出した日のことと、施設の様子を思い出します。彼女は自分より小柄かもしれないが、あれだけの虐待を生き延び、自分より強い。Zは電話を取り出すと、書くと思っていなかった内容のメールを送ります。

第11章 屋敷に戻ったZが地下室で待っているとメアリが現れました。Zはしばらく黙っていましたが、ナーラが大きくなって入れ墨のことを聞いてきたときに応えられるよう、どういう風に説明したらいいのか、準備したいんだ。それって正しいことだろ? と言い、メアリはその入れ墨にはどういう意味があるの? と質問します。人間だったメアリはその意味を知らず、Zはこれが血隷の印だということ、数百年奴隷でいたこと、彼を解放しにきてくれたのはフューリーでその時に彼が片足を失ったこと、ラスがベラとの結婚の祝いに血隷の風習を廃止してくれたこと、女主人に彼が使われていたことをメアリの質問を受けて訥々と話します。メアリはあなたの答えはぜんぶ正しいものだと思うわ、そうだって私にはわかるのと断言します。

エピローグ 6か月後。ナーラがぐずるので、ベラは彼女をベビーベッドから抱き上げ、Zを探しにいきます。トレーニングルームには訓練生とZがいて、Zは彼女たちに気付くと愛情で顔が輝き、ベラにキスをしてナーラを抱き取ります。急がないとバスに乗り遅れるぞ、と訓練生に声をかけると、Zはベラの腰を抱き、部屋に戻ります。

最近では、夜の終わりには、Zが戦闘か授業から戻ってくるとシャワーを浴びている間にベラはナーラの授乳をして、一緒に寝かしつけるというのが習慣になっていて、いまナーラはZにドクタースースの絵本を読んでもらっています。メアリとの週1回のセッションはうまく働いているようで、以前よりずっとリラックスしています。ナーラが手首をつかんでも手を引かなくなり、顔を触られても自由にさせています。そして彼は背中に娘のナーラという名前を、ベラの名前の下に兄弟に刻んでもらっていました。

Zはポンポンと隣をたたくと、ベラがそばにやってきます。ナーラがもう一回読んで、と仕草でZにせがみ、Zはまた読み始めます。ベラは目を閉じ、頭をヘルレンの肩に預けてお話に耳を傾けます。今までにいたどの場所よりも、二人と一緒にいられる今の場所が最高だわ。そしてZが同じように感じているということもわかっています。最近では彼は歌い始め、兄弟たちと戦闘だけでなく、楽しみのためにもつるむようになり、笑顔も見せています。まるで目元と心に光が宿ったようです。Zは人生に幸せを感じています。彼女の気持ちを感じ取ったかのように、Zはベラの手を握りしめ、さすります。あるべき姿に安心して、ナーラのように、ベラもゆっくりと眠りに落ちていきました。彼女たちの男性は私たちのもとに戻ってきて、ずっと一緒にいてくれる。(終)

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