
まずは、このリース君の成分を数ミリ使おう。

そんな少しでわかるの?

数ミリでも、成分は凝縮されているからな。反応は確実に示してくれる。

研究というのはそういうものだ。

ほんの数ミリの量で、研究というものは大きく変わるものなのだよ。

さ、ブルー君。君の調合した薬を分けてくれないかい?

はい、どうぞ!

ありがとう。

ヴィッセンパパ!レクサスから連絡が来たよ!

おじゃましまーす!

連絡とイオナが同時に来た。

レクサス、なんだって?

えっと、メール読むね。

「全員に連絡が行き渡りました。リースが未だぐっすり眠っている事も確証を得ました。こちらは連絡を待つばかりなので、準備の方をよろしくお願いします」

ってきたよ!

ありがとう、アンズ。

イオナは、連絡回すためにこっちに来たのか?

そんなところ!例の香水って出来てる?

いや、まだ全く。

今はブルー君が調合してくれた薬を、リース君の成分で反応が出るかの検証を行うところなんだ。

じゃ、まだ全然製作に取り掛かってないわけだね。

まぁ、こうちゃんもまだ寝てるし、時間は十分にあるけどね。

そうか。リースはまだ寝ているのか。

ラルド!

おやおや、ちょっと珍しい人が来たね。

ウランがここにいると聞いてやってきた。

ラルド、ボクの事が好きで好きでたまらないんだね!

私の今のこの変な気分の事でとっちめに来ただけだ。

いや、それよりも、リースの誕生日について聞きに来たのだが・・・。

話すとかくかくじかじかということだ。

端折ったな。まぁ、大体わかった。

ヴィッセン、邪魔して悪かった。

さ、ウラン・・・行くぞ。お仕置きの時間だ。

おしおき?あんなことやこんなこと?

そんな訳無いだろ・・・?

うわぁ~ん!ごめんなさ~い!

あ、あとで連絡入れますね~・・・あ、行っちゃった・・・。

さ、このリース君の成分と、ブルー君の作った薬を少量の水で混ぜてっと・・・

顕微鏡近くに置くか?

頼むよ。

よし、うまく混ざった。これをスライドに一滴垂らして、カバープレートをのせてっと・・・。

プレパラートだね!

その通り。これを顕微鏡に設置して、反応を見る。

今はどんな動きをしているんだ?

ちょっと待って今ピント合わせてる・・・あ、見えた。

ふむ・・・なるほど・・・。

ヴィッセン、貴様だけ見てもわからんだろ。

結果を伝えてくれないか?

ブルー君の調合薬・・・すごい効き目だね・・・。

って事は?

この成分の内の87%ぐらいかな・・・まるで感覚を失ったかのような鈍い動きになっている。

じゃ、その残りを補うように香水作れば・・・!

うん。長い時間、リース君の感覚が鈍ることになる。

ただ、心配なのは、どこまで鈍ってしまうかって事だ。

成分だけで、本人というわけではないからな。

効力が強すぎて、脳に影響をもたらしてしまうかもしれん。

まぁ、そうならないために、我々を呼んだのだろう、ヴィッセン。

もちろんだ。協力を頼むよ、二人共。

任せておけ!私は天才だからな!

足を引っ張らないよう、全力を尽くすぞ。

イグニスは絶対に足を引っ張りそうだがな!

なんだと?

ふ、2人共喧嘩はしないで、ヴィッセンパパのお手伝いして?

いい大人が争ってる場合じゃないんだから。

こうちゃん寝てるとはいえ、いつ起きるともわからないから早くしてよ。

ほら、プラノズがいけないんだぞ?

ふん、私の煽りに乗るからだ、イグニス。

まさに、売り言葉に買い言葉だねぇ・・・。
★続く。