そして現在・・・

(あの日から、例のアロマオイル使ってたから、多分効き目はあると思うんだけど・・・)

ねぇ、クロア。

な、なに?!こうちゃん!?

いつも一緒にいてくれて、ありがとう。

・・・え?

なんだかね、お礼を言いたくなっちゃって。

ほら、いつも一緒にいて当たり前だって思ってるところ、僕にはあるから。

そ、そっか。びっくりした。

でも、こうちゃんからお礼の言葉が聞けて嬉しいよ!

うん。なんか、クロアにお礼言ったら、気分が乗ってきちゃった。

散歩に行こうよ、クロア。

うん!いいよ!

あ、でもちょっと待ってて。

何か用事でもあるの?

そうじゃないけど、すぐ戻ってくるから!

うん、わかったよ。
※※※※※※

みんな聞いて!

こうちゃんの反応見る限り、結構例の香水効いてるよ!

っていう報告だけしに来たから、あとはよろしくね~!

間、髪を容れずに行っちゃったな。

散歩にでも呼ばれたんだろうな。

って事は、これ以上に思う存分準備していいって事だよね?

じゃ、合法的にいろいろ準備できそうだね。

非合法的に準備しそうに感じるのは気のせい?

それよりも、準備進めなきゃ。

10周年だからな。

キャラの年齢としては僕が年上だけどね。

それで、私が生まれて・・・

俺が生まれたって順番だよな!

そのあとは僕なんですけど・・・

口を動かすより手を動かして。

カイン!お手伝いさん、もうすぐ来るから、料理の方お願いね?

おっし任せた!!

俺も手伝うよ。

私も!

これだけ人がいるんですし、テーブルもたくさん用意しないといけないですね。

テーブルや椅子の用意は男の仕事だ。

力仕事なら俺の出番ってな!!

んじゃ、俺も頑張っちゃうぜぇ~!

俺様は、自慢のアメでメガ飾りつけしてやるぜ!

うわぁ!ロゼオさん!そこの飾りつけはもういいよ~!

じゃ、そのアメはぼくが貰うね~!

あのあたりはこんな感じでいいかしら?

もうちょっと豪勢でいいわね。

私の趣味な飾りも追加してくれ!

や め と け 。

アンズ、イオナ、天井のライトのプログラム変更を頼むよ。

任せて!!

カラフルライトにして盛り上げちゃうよ~!

お、俺は・・・リースのあとを追って・・・

追うなバカ。部屋の掃除を手伝え。

ボクだってラルドに抱きつきたいんだから我慢してよ~!

抱きつきたいのか・・・。

準備、準備!

うー!うー!

みー!みー!

小さきものに出来ることなどないですよ。

流石にそれは辛辣だよアンジー・・・。

だから、口動かすより手を動かそうな~?
※※※※※※

今日もいい天気で良かったよ。

うん。お日様が出てて、ポカポカで気持ちがいいね。

この寒い冬なのに、太陽だけは強く光って温めてくれる。

太陽は自然の暖房器具だよね。

でも風が強く出てる時もあるし、気温も低いから太陽にも限界があるよ。

冬は太陽が早くに沈むからね。沈みそうになったら帰るのがちょうどいいと思うんだ。

でもほんと今日は風が寒いね。こうちゃん、大丈夫?

クロアが暖かいから大丈夫だよ。こんなにフカフカでふわふわで、そんなクロアを抱いていれば、寒さなんて平気さ。

ボクはそんな万能なホッカイロや湯たんぽじゃないよ。

ただのぬいぐるみさ。

ただのぬいぐるみじゃない。クロアは僕の友達、親友、兄弟、そして家族だ。

ただのぬいぐるみだなんて言わせないからね。

あはは、ごめんね、こうちゃん。ありがとう。

さて、そろそろ帰る?流石に冷え込んできたでしょ?

さすがに・・・ね。帰ろっか。

うん!
※※※※※※

何で家の電気消えてんの?

あ、本当だ・・・何でだろう・・・。

とにかく中に入ろう。
ガチャ・・・
\リース!!誕生日、おめでとう!!!/
あははははははは!

・・・え?

いやぁ・・・僕のために、こんなに盛大に迎えてくれるなんてね!

リース君、もしかして全部分かっていたのかい?

当然だよ。そもそも、こんな薬品で僕を騙そうだなんて、おこがましいと思わない?

ま、能力的な感覚が鈍ったことは確かだけど、僕を欺くには至らなかったね。

じゃ、ボクが行動を起こしてた時から気が付いてたんだね・・・。

そうだね。クロアがわざわざ気配を消して移動してるのが気になったから、逆に気配消して寝たふりして、みんなの行動を小型モニターで監視してた。

抜かりなさすぎですね。

でも、みんなが一生懸命僕の誕生日のために準備してるの見て、台無しにしたくなくて、ずっと黙ってた。

もちろん、作ってくれたこの太陽のアロマオイル、すごくいい香りだったし、疲労した体によく効いたよ。

ふむ、香水作りは無駄ではなかったな。

結果的に疲労回復薬にもなったってことだな。

でも、こんなものより、普通に太陽のアロマオイル作ってくれない?

能力の感覚鈍るの勘弁して欲しいし。

わかったよ。あとで作るね。

それで?豪勢な僕の誕生日パーティの会場はどこかな?

こちらですよ!

みんなでお部屋の飾りつけしたのよ!

誕生日ケーキも、いつもより豪勢なもの作ったぜ!

料理もたくさん用意したから、思う存分楽しんで!

じゃ、思う存分楽しませてもらうよ。
その後、僕はそれはそれは楽しい誕生日パーティを楽しんだ。
馬鹿なヴァリスは相変わらず僕にくっついてきてウザかったけど、
でも、そんな事どうでもいいって思えた。
料理も美味しいし、誕生日ケーキも豪勢で美味しいし、
何より、部屋の飾りつけが最高に綺麗だった。

ねぇ、クロア。

なぁに、こうちゃん。

今日は最高の誕生日だよ。本当にありがとう、クロア。

計画は全部こうちゃんに筒抜けだったけどね。

それでも嬉しかったよ。さすがは、僕の最高の相棒だ。

えへへ・・・そう言ってくれてボクも嬉しいよ!

さ、パーティは始まったばかり!もっともっと楽しもうよ!

うん!そうだね、クロア!

だって今日は、僕の誕生日だからね!!!
★SS「The 10th Birthday」――完――