テーマ:時代劇!(57)
カテゴリ:私のシナリオ
(前ページからつづき) 梓が往診用の道具を抱えて歩いている。 梓が小走りになって沖田に追いつく。 梓「追いつきましたわ。病人なのに足が速いのね」 梓は息をきらしている。 驚いて周囲を見る沖田。 沖田「梓さん離れてください、京の町を私と一緒に歩いてはいけません」 沖田が梓に叱るように言う。 行く手から4人ほどの侍が歩いてくる。 沖田「梓さん、急いで引き返してください」 そういうと沖田が河川敷へ降りていく。 前方から来た男たちが沖田の方に向かって走っていく。 侍A「新選組の沖田だな」 沖田「違うと言ったら」 侍A「身のこなし刀の鞘は伝え聞いた沖田と見受けた」 沖田が梓と反対方向に駆けだす。 侍たちが沖田を追いかける。 梓は呆然と立ちすくむ。 沖田に追いついた男が背後から切りかかる。 沖田が踵を返して刀を振り下ろす。 侍A「ぎゃ!」 侍Aが叫び声のあと崩れるように倒れる。 他の侍たちがばたばたと逃げていく。 立ちすくむ梓の傍に沖田が戻ってくる。 梓「切った方の手当ては」 沖田「絶命しています。近寄ってはいけません。私はこれから会所に届けてきます」 梓が悲しそうな顔で沖田をみる。 沖田「私は人の命絶つのが仕事なのです。あなたは人の命を助ける人。違いすぎますね。あなたにこんなところを見せたくなかった」 沖田が梓の傍から離れていく。 沖田の姿が梓の視界から遠のいていく。 完
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Last updated
2017.07.17 17:45:57
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