2012/02/15(水)21:12
ゲーミフィケーション
なかなか面白い本を読みました。
【送料無料】 ゲーミフィケーション 「ゲーム」がビジネスを変える / 井上明人 【単行本】価格:1,470円(税込、送料込)
世の中の決まりごとを守らせたり、
あるいは人々を誘導させたい方向に、
強制力でもって促すよりも、
あたかも「ゲームをプレイする」ようにし向ける方が
より、誘導が促進されるという理論。
それが『ゲーミフィケーション』と言うのだそうです。
古くはオセロゲームやら人生ゲーム等のボードゲーム、
その後、コンピュータによるゲームが可能になり、
ファミリーコンピュータの爆発的ブーム。
プレイステーションやWii、DSなどの変遷を経て、
今は『モバゲー』や『GREE』に代表される、
オンライン・ソーシャルゲームが全盛。
いつの時代もゲームは花盛り。
それだけ人はゲームの魅力にとりつかれるわけです。
つらい仕事は苦になるが、
ゲームならついつい手を出してしまう。
その人間のサガを利用しよう、というのがミソ。
「仕事をゲーム感覚に置き換えるなんて不謹慎な!」
と言う向きもありましょうが、
しかしたとえば営業成績を可視化するために、
成約数をグラフにする、という遙か昔から行われている行為も
立派なゲーム感覚なわけで、そういう意味では不謹慎でも何でもない。
この本に書かれていた実話として、
過去10年にわたって、世界中の研究者らが解くことのできなかった
とある複雑な酵素の構造がありまして、
何人かの研究者グループがこの酵素の解析するプロセスを
ゲーム仕立てにしたところ、さまざまなゲーマーがチャレンジし、
なんとわずか3週間で解読に成功したらしいのです。
たかがゲーム、とあなどるなかれ。
ゲームは人間に対してさまざまな行動や仕事や学習に
大きな動機付けを付与する力を持っているのです。
そして現代は
センサー、計測機器、入力機器が備わった
スマホのような手元で簡単に扱える仕組みが実現しているため、
このゲーミフィケーションに拍車をかけているんだとか。
そういえば僕がウォーキングを地道に続けられるのも、
リアルに体重がコントロールできる喜びを体感できることもありますが、
手元のスマホに歩数計が付いていて、何歩歩いたかをすぐに確認できたり、
「au SmartSports」を通じて
歩いた距離、ルート、所要時間、消費カロリー数が瞬時にサーバに蓄積され、
それが大きな励みになっていることもあります。
「前回は7km歩いたから今度は8kmをめざそう」
と、簡単に目標設定ができる。
いわば人間のゲーム好きに根ざした仕組みなわけです。
そういう観点から考えると、
会社内でも社員に対して一定の行動を促したり、
業績向上のための取り組みに対して、
ゲーミフィケーションの思想下で、ゲーム仕立てにすると、
より最大限の効果が得られる可能性が高まります。
『ゲーミフィケーション』。
これからの社会において重要なキーワードのような気がします。