2012/03/05(月)01:20
ドラマ『運命の人』の時代
TBS系の『運命の人』。
モッくんこと本木雅弘の演技が
オヤジくさいだの何だのと揶揄されていますが、
思わず見ている自分がいます。
1970年代初めの沖縄返還時に、
時の佐藤栄作首相が米国と密約を交わしたことがきっかけで起きた
実際にあった事件を題材としたもので、
その密約の証拠となる機密文書が、ある国会議員によって暴露され、
そこから物語が二転三転するわけですが。
当時、僕はまだ小学校低学年で、
こういう事件があったのは知りませんでした。
たまたま同じ時期に浅間山荘事件があり、
終盤の警察隊突入ではNHKも民放もすべての番組を取っ払って
現地から中継映像を流していたのは覚えているのですが、
それと時を同じくして、こういうスキャンダルがあったんですね。
実際の経緯は物語ほどではなかったと思いますが、
大筋でほぼ事実と合致しているのであれば、
僕は主人公の新聞記者を、一人の男として、人間として、
仕事に対する、あるいは家族に対する考え方には同意できません。
政治の裏で起きている内情を暴き、それを公に出す痛快さ。
それは新聞記者にとって大きなモチベーションになることでしょう。
しかしだからといって、それを家族をないがしろにする免罪符には使えません。
家族は一家の大黒柱を信じ、支えるのは当然ですが、
でも限度というものもあります。
ただこれは40年前のできごと。
現代とはまったく価値観が異なる時代のできごとです。
当時は高度経済成長のまっただ中で、
こういう生き方も認められていたのでしょう。
そういえば僕の父親も忙しい人でした。
休日も仕事を持ち帰って、
ずっとテーブルに向かっていた記憶があります。
そういう時代だったんですね。
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