こんぱすコーチの全方位日記

昨日（５月８日）登庁時の
橋下大阪市長の囲み取材がYouTubeにアップされ、
メチャクチャ話題になっているというので見てみました。

橋下氏側近である府立高校の中原校長が、
部下の教諭たちが君が代を斉唱しているかどうか
口パクを監視、口をつむいでいた教員を別室で質したうえ、
本人が歌ってないことを認めたため、教育委員会に通報した件で、
TBS系の在阪キー局であるMBSの女性記者が橋下市長に質問するも、
橋下市長にこてんぱんに喝破される、というシーンが、
延々と30分近く続いています。

女性記者は「口パク監視」が異常行動であることと、
それを橋下市長が容認しているという言質を引き出し、
牽制球を投げたかったのでしょうが、
そこは弁護士としてキャリアの積んだ橋下市長に
そもそも論で突き返され、逆質を受けた末に
「もう一度勉強してから出直してこい！」といわれる始末。

「あ、彼女は全然勉強してへんな」
と察知した橋下市長が途中から小馬鹿にしたような態度に出たのが
少し気になりましたが、
しかし僕的にはやっぱり女性記者に問題がある、と感じました。

なぜかというと、
のっけから『取材』というよりも『攻撃』という
雰囲気を醸し出しているような、
あまりにも突っかかったものの言いようだったからです。
橋下市長でなくとも、感情に火がつくような言い方です。

おそらく最初から橋下市長を吊し上げる、という
『ためにする』行動を企図していたのでしょう。

日本のマスコミの罪は、
こういうところに凝縮されているような気がします。
きちんと裏取りをするジャーナリストももちろんいるでしょうが、
中にはこのようにろくに裏付け取材もせず、
いきなり核心を衝いた行動をとる。
そして都合の良いように編集し、それだけを繰り返し報道する。
日本の政治の混迷は、政治家や官僚のせいばかりではなく、
マスコミもその結果に加担していると言っても良いでしょう。

いずれにせよ、勝手な思い込みや勝手なジャッジメントで
排他的な行動に出るのは限界があると思います。

最近知った、米国での逸話。

とある高級レストランに紳士が奥さんを伴って入店した。
案内された席の隣のテーブルに、
およそそのレストランには似つかわしくない、
ホームレスと思しき初老の男が１人で料理を食べている。
「何でこんな人間が!?」
ラグジュアリーな時間を連れ合いと過ごすことを楽しみにしていた
その紳士は、顔をしかめてそのホームレス様の男を見下す。

そのうち、そのホームレスが座っているテーブルから
えも言えぬ悪臭が漂ってきた。
こめかみの血管が浮き出す紳士。
ウェイターを呼び、別の席に替えろと迫る。
ウェイターは素直に応じ、
幸いにもその初老からずいぶん離れた席に移動できた。

ところが、そのうちまた自分の近くから悪臭が匂ってくる。
「ホームレスが近づいてきたか!?」
紳士はキョロキョロ見回すが、当の初老の男は、
さっきからずっと自席で料理を食べ続けている。
「じゃあどうしてっ!?」
１分後、彼はその悪臭が、
自分の目の前に置かれた豆料理から発しているのに気づいた。

紳士は、ホームレス様の初老の男を見て、
絶対に彼の身体から発している悪臭だと思い込んだわけです。
「由緒あるこの高級レストランに
ホームレスのお前が来る資格はない」という
そもそもの排他的な思想が、
紳士をしてその排他的思想を補強させるために
悪臭＝初老の男　を想起させたのです。

「人は見かけによらぬもの」
と言います。

こちら側の勝手な先入観で相手を判断し
『ためにする』行動に出るのは、限界がある、というか、
実に危険な行為なんだな、と思いを新たにしました。

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