こんぱすコーチの全方位日記

2013/05/31(金)00:22

正論だから正しいのか?

コーチング・コミュニケーション(310)

いつの間にか関東も梅雨に入りました。 ここ2~3日はスッキリしないお天気が続いています。 スッキリしないといえば、政治の世界でも 猪瀬氏といい橋下氏といい、 ご本人の舌禍が相次いでいます。 「口は災いの元」とはよく言ったものです。 たとえば橋下氏は、 「政治家が本当のことを言って何が悪い。 これまで他の政治家は、 奥歯にものが挟まった言い方に固執してきた。 だから相手にこちらの真意が伝わらないんだ」 という自説を披瀝していますが、 確かにごもっともなところではあります。 しかし、「正しいことを言えば必ず通る」という理屈は、 時として幻想になる怖れがあると思います。 つまり、自説を主張するあまり、 相手の主張や存在を ないがしろにする懸念があるからです。 相手には相手の考えがあり、言い分がある。 それを受容せずに一方的にこちらの正論をぶったところで、 そこには感情的なしこりが醸成されるだけです。 「人間は理屈では動かない。 共感して初めて動く」 とは、コーチングを学びだすと、あちこちで聞くフレーズですが、 まさにそのことなんですね。 10年ほど前、ある乳製品メーカーが集団食中毒を起こして 大騒ぎになった事件がありましたが、 そのときに当時の社長さんが、 詰め寄る報道陣に向かって 「私は寝てないんだ!」と叫び、 そのセリフを吐くこと自体が 「被害者のことを何ら考えてない!」と さらに糾弾に拍車をかけたことがありました。 これなどは、ご本人にしてみれば 「一睡もせずに対応している。 だから少し休ませて欲しい」 という意だったはずで、正論っちゃあ正論です。 でもどうして共感を得なかったか、というと、 「自分はこんだけ対応してるんだから、大目に見てよ」 というような、他者に対する甘えというか 依存心みたいなものがあったんだと思うんですよね。 そこが、 「自分たちのやったことを棚にあげて、 腹痛等で苦しんでいる被害者のことを 何らおもんぱかっていない」 というふうに映り、バッシングになったんだと。 正論は正論でも、 他者の共感を得ない正論は、 結局、欺瞞でしかないんですね。 特に、衆目の中では、 よくよくこのことを肝に銘じておかないと、 「口は災いの元」 がそっくりそのまま体現してしまう。 僕も職場では人の上に立つ身分です。 毎日のように朝礼でくっちゃべっています。 今回のできごとは、 改めて自分の一挙手一投足は大丈夫か、 と振り返る良いきっかけになりました。 【送料無料】問題発言 [ 今村守之 ]価格:777円(税込、送料込)

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