2025年2月20日付で、落語家・三遊亭王楽が「七代目三遊亭円楽」を襲名するというニュースは、落語界にとって大きな節目となります。

この襲名に込められた意味、背景にある一門の思惑、そして王楽自身が語る「笑点」への野望が話題を呼んでいます。

円楽襲名と『笑点』との関わりについて、ニュースの背景や落語界の状況も含めて詳しく探っていきます。

円楽襲名の背景にある六代目円楽の遺言

三遊亭王楽が七代目円楽を襲名することになった背景には、六代目円楽（故・三遊亭楽太郎）の「遺言」がありました。

この遺言は、彼の夫人から直接伝えられたもので、「七代目円楽は王楽に継がせたい」という意志が示されていたとされています。

この「遺言」によって、一度は円楽の一番弟子である三遊亭楽生が候補とされていた襲名の話が大きく転換しました。

五代目・六代目円楽は、『笑点』という人気演芸番組の中で強い存在感を放ち、その名前を全国に広めました。

そのため、「円楽」の名跡を継ぐということは、単に一つの芸名を引き継ぐだけでなく、日本全国の落語ファンや一般の視聴者にもその存在を強く印象づけるものです。

一門の危機感と襲名の意義

円楽一門は、かつて『笑点』の中で大きな存在感を誇っていました。

五代目円楽が司会を務め、六代目円楽が解答者として参加していた時期には、さらに三遊亭好楽がレギュラー出演していたこともあり、一門が『笑点』の一角を占めていました。

しかし、現在では好楽のみがレギュラー解答者として残っており、その好楽も78歳と高齢で、引退が近づいていることを考えると、一門の将来に対する危機感が生じています。

このような背景の中で、王楽が七代目円楽を襲名することは、一門の存続と発展にとって極めて重要な意味を持ちます。

新しい「円楽」という名がもたらす新たな風は、一門の勢力を維持し、さらには『笑点』というメディアを通じて一門の存在感を再び強化するための手段とも考えられます。

「笑点」への野望と王楽のユーモア

三遊亭王楽は、今回の会見で「笑点のレギュラーの座を狙っている」と語りました。

この発言はもちろん落語家特有の洒落であり、記者たちを笑わせる場面となりましたが、その裏には彼の『笑点』に対する強い憧れや野望が見え隠れします。

「親子で『笑点』に出演したい」と語り、同期の春風亭一之輔の名前を挙げて「欠けてもらいたい」と冗談を飛ばした王楽の発言は、彼のユーモアセンスを示すものでしたが、同時に『笑点』への出演が一門にとってどれだけ重要であるかを示唆しています。

『笑点』は、落語家にとって一種の登竜門的存在でもあり、全国放送でレギュラー出演することで、その知名度や人気が一気に広がる場でもあります。

五代目、六代目円楽がその名を広めたように、七代目円楽として王楽が『笑点』のメンバーに加わることで、彼自身や円楽一門の未来が大きく変わる可能性があります。

襲名披露興行と全国公演

王楽は、襲名披露興行のために多くの著名な落語家や芸人たちを訪れ、協力を依頼してきました。

桂文枝、笑福亭鶴瓶、立川志の輔、林家たい平など、東西を代表する人気芸人たちが協力することが決まっており、彼の襲名披露興行は大規模なイベントとして行われます。

東京・有楽町よみうりホールでの公演を皮切りに、北は北海道、南は熊本まで全国15公演がすでに予定されており、彼の襲名は全国的な注目を集めることが予想されます。

また、円楽一門の本拠地である両国寄席でも披露興行を予定しており、これまで彼が育てられた場所での披露も一つの大きな節目となるでしょう。

一門内の複雑な感情と今後の展開

今回の襲名は、三遊亭楽生にとって少し切ないものとなっています。

彼は六代目円楽の一番弟子であり、一門内での後継者として名前が挙げられていました。

しかし、最終的には六代目の未亡人の意向により、王楽が襲名することになりました。

この決定に対して、楽生をはじめとする一門のメンバーがどのような思いを抱いているのかは、今後の一門内の関係にも影響を与える可能性があります。

円楽一門は、長い歴史とともに数々の名人を輩出してきましたが、現代の落語界においてはその影響力を維持することがますます難しくなっています。

特に、『笑点』という全国放送の番組での露出が少なくなる中で、新しい円楽が一門をどのように引っ張っていくのかが注目されています。

結論

三遊亭王楽の七代目円楽襲名は、円楽一門にとって重要なターニングポイントとなります。

六代目円楽の遺言によって決まったこの襲名には、一門の危機感や存続のための戦略が含まれており、王楽が果たすべき役割は非常に大きいです。

また、王楽が『笑点』のレギュラーを狙うという冗談交じりの発言は、笑いを生むだけでなく、彼自身の将来や一門の未来に対する大きな期待を感じさせます。

円楽一門の伝統を引き継ぎながら、現代のメディアや演芸界でどのように活躍していくのか、その一挙一動に注目が集まります。

要点まとめ

• 三遊亭王楽が七代目円楽を襲名する背景には、六代目円楽の遺言があった。
• 円楽一門は『笑点』での露出減少に伴う危機感を抱えており、新円楽の襲名は一門の存続にとって重要。
• 王楽は『笑点』出演を冗談交じりに狙っており、親子共演の夢を語った。
• 襲名披露興行は全国的に行われ、著名な落語家や芸人が協力する大規模なイベントとなる予定。

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