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カテゴリ:機能回復・リハビリテーション
脳卒中による片麻痺で、緊張が強く膝が伸びません。
どうしたらいいでしょうと相談がありました。 直接、状態をみてみると、車椅子に座り体幹は麻痺側に傾いています。 膝の伸展は他動で-30度ほど、坐位なのでハムストリングスは伸展しにくい状態でもありますが、非麻痺側はしっかり伸展できています。 胸郭を確認すると、左凸になって、右への傾きがあり、右体幹の短縮が気になります。 坐位での重心は左坐骨に偏り、右半身の屈筋共同運動パターンが強まっている様子が伺えます。 胸郭の偏位を修正しながら、右坐骨に荷重するよう誘導、右体幹の伸展を作っていきます。 最終的には右上肢の挙上も加えて、右体幹の伸展をして、左側屈、回旋を他動的に行いました。 その後は、膝の伸展制限は少し残っているものの、緊張が軽減して本人も伸ばしやすくなったと言っていました。 結局、膝の伸展運動、ストレッチなどはまったくしていませんが、筋緊張の緩和が得られ、屈曲拘縮が改善しています。 中枢神経系からくる過剰な筋緊張は、全身的な緊張のパターンから解き放していくようにアプローチする必要があります。 連合反応が引き金になって起こる屈筋共同運動パターンなど、特に抗重力位での機能的な肢位で、姿勢や重心の関係から分析し、頚部・体幹へアプローチすることが四肢の筋緊張緩和、拘縮改善、自動運動の向上につながります。 そんなケースでした。
最終更新日
2021.11.23 19:19:33
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