馬日記

引き続き、術後のお話。
この日は前日の具合の悪さが治まって、お医者さんの言うとおりに「食べる、休む、動く」を心がけて病院内をウロウロ。
病室は５階でもちろんエレベーターがあるのですが、使ってたら運動にならないので非常階段を往復したり、４階にあるテレビの置いてある談話室まで上り下りしたりしてました。傷の痛みはあるものの、転んでケガをしたのと同じような痛みだし、とにかく動け動け！と言わんばかりに歩いてました。といっても、数日まともに歩いてないから足の筋肉は落ちてるし、速度が上がらず前を歩いている看護士さんに追いつくことも出来ず、なんだかやたらと敗北感を感じる始末。

朝、先生が来てくれたときに「退院は、明日でも月曜でもいいよ」と言われました。手術に関することはすべて経過が順調だし（あとは食欲？）、前日の腹痛は最近の持病っぽくなってる過敏性腸症候群かもしれなくて、それはストレスとか自律神経失調が原因になることが多く、だとすると退院しちゃった方がストレスフリーになるのかも？ということで、早めに退院することにしました。

私はそんな感じでいかにも「退院間近！」な雰囲気になってましたが、同室の方々は逆に具合が悪くなったり痛みを訴えることが多くなって、別に何も言われてないけど申し訳ない気持ちになりました。
たぶん皆さん何かしらのガン患者で、カーテン越しに放射線治療の話なども聞こえてきて、今は経過順調だけどもしかしたら私も今後そうなるかもしれない…と思うと不安にもなりました。同室の皆さんは、私が比較的若いので「若いから大丈夫よ～」と言ってくれてたけど、そんなの分からないしね。でも、皆さん、それぞれに苦痛を抱えてるのに、機会があって話したりすると、私の回復を喜んでくれたり励ましてくれたり、私はそのメンタルの強さにびっくりしてました。本心では何をどう思ってるか分からないけど、表面上でもそう振舞えるのってすごい。
階段を上り下りしてるうちに顔見知りになった男性患者さんがいて、その方にも「明日、退院になったんです」とご報告。急にいなくなったらびっくりしちゃうしね。そしたら「おめでとう。まあ、よく動いてたしねえ」と言われました。
ええ、まあ…見た目元気ですよね、私。
その方は、次の日が手術で落ち着かないと仰ってました。もうとっくに終わってるけど、元気になってるといいなあ…。

この日はお見舞いもピーク。
前の会社の後輩たち、母、先月に検査入院してた時に同室で仲良くなった方、中高の同級生。一日にこんなにたくさんの人と話したのなんて久しぶり。疲れたのか、これまた久々によく眠れました。

そして次の日に、朝ごはんを食べてから退院。
ただ、検査結果はまだ分からなかったので、別日に再度病院に行くことに。
なかなか焦らされます。でも仕方ない。