映画「ハイスクール・ミュージカル」
映画「ハイスクール・ミュージカル」(2006年、アメリカ)なにより歌と踊りが素敵な映画だった。まずストーリーについて述べると至ってシンプルで、高校生のふたりの男女、人気者のバスケ少年トロイと地味な天才数学少女ガブリエラがたまたま出逢い、デュエットに目覚めて青春を満喫しながら高校生活を送る、それだけの話だ。単純な分、構成がしっかりとしていて分かりやすく、親しみやすい。また主旨としては、曲中の歌詞においてたびたび歌われているように、他人の目を気にせず、演技せず、ありのままの自分で自身の気持ちに正直にやりたいことをやって生きようというものだったと思われる。そして誰もがそれぞれ主役なんだと歌っている。そしてとりわけ歌と踊りが本当に素晴らしかった。特にバラード調の"Start of Something New"、"Breaking Free"、"What I've Been Looking For (Reprise)"などは聞いていて本当に心地よくて癒された。トロイとガブリエラが時々見つめ合い、気持ちを通じ合わせながら心から歌っている様子は素敵だった。また"Get'cha Head in the Game"では曲に合わせてバスケットボールを使った踊りがなされており、その絶妙なマッチ感と躍動感たっぷりのエネルギッシュな歌に元気が沸いた。この映画はストーリーが単純なおかげで安心して楽しめ、一貫して前向きで、観客を純粋に明るい爽やかな気持ちにさせてくれると思う。多くの人を笑顔にしてくれる素敵な映画だろう。