年下彼氏

2006/01/17(火)22:28

愚者の楽園 作 川原泉

勝手にオススメ(26)

ゆーきの事をつらつら考えていたら 。。。。。。。。ヽ(・ o ・)ノ ハッ!と 思いあたった事がある そうだ ゆーきゎ川原ワールドの住人のようだ と そこで本棚から何冊か取り出して 読み比べてみるうちに 一番ゆーきにキャラが似ていると 思われるのを発見した それが 愚者の楽園の主人公姫野麻子である 主人公の姫野麻子は今年受験を控えた高校三年生だ 九州南部のK県I市に家族で越してきたのだが 目立つタイプの上に優れものの姉と妹にはさまれて すっかり控えめに育った麻子は 頭も控えめに育った為夏休みの補習に通う毎日だった ある日通学途中の『日本農園』という農園を通った時 そこの椰子の実が麻子の頭を直撃する それをきっかけにオーナーの安楽と知り合い 補習そこのけで南国フルーツ目的のバイトを開始する事に 食いしん坊の麻子の頭にあるのは とにかく美味しく珍しいフルーツを食べる事 元々コミュニケーションの苦手な内向的な麻子は 黙々とひたすら農業にいそしみながら 「わたしは生れながらの農業人なのだ!」 などと妄想を飛躍させていく しかし 引っ込み思案の分思い込みも激しく 遅刻した事で鬱になってしまう そんな時に台風が直撃し温室が大変な事に。。。 80年代後半に発表された当時 南国フルーツはまだもの珍しいものだった いまでこそ巷にありふれている マンゴーもキウィもみんなその頃スーパーに並び始めた なにしろ 君たちキウィパパイアマンゴーだね♪が流行った時代 その価格は今より遥かに高かった とはいいつつも 普通の女子高校生ならば汗まみれで働いた報酬を 金よりも果物で欲しがる事はまずない ましてやまずは恋愛に目がいくと思うのだが そこが川原ワールドならではの人物設定なのだ 川原泉の描く世界ではその登場人物は 綺羅の世界にうっかり生まれてしまっただけで 実は地味で鈍くさくて感情の起伏にとぼしく 周りからみればうすらボケ~としている事が多い そしてそこには色とか欲というものがないのだ 恋愛はあくまでそこはかとなく 添え物程度であって性欲や独占欲のかけらもない 唯一あるもの それが食欲である そこがゆーきにそっくりなのだ 物語り自体はすべて予定調和が読み取れ ありがちなものなのだが そのモノローグの多さと哲学的な言い回しにより 独特の面白さを醸し出していると思われる 同じ作者による「笑う大天使」が実写映画化が決定しているが あの川原ワールドの映像化は 相当努力がいるのではないかと危ぶんでいる ※本作品は 白泉社文庫「美貌の果実」に収録 写真は花とゆめコミックス版

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