2018/07/17(火)16:52
アンリ・フォシヨン
~アンリ・フォシヨン~
「西欧の芸術 ロマネスク」アンリ・フォシヨン著
神沢栄三・加藤邦男・長谷川太郎・高田勇訳
鹿島出版会
の本の始まりの文章がすごく好きである。
「われわれの文明の各章には、それぞれの地理的基盤や風景がある。
それらは、あたかも順次光をあてられてゆく雄大な景観のさまざまな
眺めのように、次々に目覚めては照らし出されてゆく。」
その原作のフランス語は次の通り。
" Chacun des chapitres de notre civilisation a son socle géographique
et son paysage.
Ils s'éveillent et s'éclairent successivement, comme les divers
aspects d'un grand site parcouru par la lumière."
この本は、ロマネスク様式の教会建築の歴史について語られたもの。
フランス語では、roman。
フランス語で ロマネスク は「小説的な」とか、「空想的な」
みたいな意味になる。
英語では ロマン が ロマネスク になるから、たぶん、フランス語から
英語に訳されたもので和訳がされたのかなあ。でも、本書を見ると、
そうでもないみたいだし、よくわからない。
ロマン建築は、10世紀末から、12世紀中期までよく使用された建築様式。
ロマン様式建築の教会には一つの欠点があって、天井が落ちてくる
ことがある、とパリ大の教授が語っていた。
(私って、いつもこの手のエピソードばかりが記憶に残っていくので、
我ながら呆れてしまう。自分の弱みがわかるから、つい息子にも
笑い話だけ集めて学校から帰って来るんじゃないわよ、
と言ってしまう。)
ともかく、お祈りをあげている時に天井が落っこちてくるなんて、
それはちょっと危険だなあ、とそれ以来、11世紀ぐらいのいわゆる
ロマン様式建築の教会を訪れることがある時は、つい天井を
眺めながら、歩くようになった。
短絡的に言うと、13世紀初頭に生まれたゴシック様式建築は、
その落ちる天井をどうにかして落とさないようにしよう、という
必然性から生まれた。
え、そんな理由だったんですか…。
複雑で美しいゴシック建築は装飾だけが目的ではなかった。
プチ・フランス語:
" Chacun des chapitres de notre civilisation a son socle géographique
et son paysage.
Ils s'éveillent et s'éclairent successivement, comme les divers
aspects d'un grand site parcouru par la lumière."
Chacun each それぞれの、各々、各自
chapitres 章
socle 基盤、基盤となる台
paysage 景色、風景
s'éveillent ← s'éveiller (代名動詞) 目覚める
s'éclairent ← s'éclairer (代名動詞) 照らされる、明るくなる
successivement 次々に
comme のように
parcouru ← parcourir 駆け走る (過去分詞が形容詞化して、
les divers aspects d'un grand site を修飾している。)
今日もあなたにとって素敵な一日でありますように。
lots of love
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~フランス語の r の発音の仕方~
下の歯ぐきのうらに舌の先をつけて、「え~」と言いながら、
徐々に舌の先を歯ぐきからはなしていく時に
のどの奥から渇いた音がでる。それが r の音。
練習して、どんなに語学音痴でも7日間で、r の発音を最初から出せるように
なる。すると、rouge, rond, répéter なども発音できるようになる。
◆◆西欧の芸術 1‐〔2〕 / アンリ・フォション/著 神沢栄三/〔ほか〕訳 / 鹿島出版会