ロズモンドの華麗にフランス en France

2018/03/09(金)08:04

猫はどこ?小さな奇跡

猫の華麗な生活(54)

​​​​​​ ☆ 北フランス猫大捜査線ハッピーエンド回想録 ~猫はどこ?小さな奇跡~ そんなこんなで、月曜日の26日、再び、ベルナールさん宅にお礼のプレゼントを持って、 訪れたが、留守だったので、プレゼントと猫の餌を門の柵の向こう側に置いて、 その場は去り、自分は、車を近くに止めて、森の中や草原を捜してみよう、と思った。 結構肌寒い日だった。が、車を道路脇の草むらに止めたところで、ふと、思ったのは、 こんな小雨の日に、猫が外を歩くわけがない、と。 そこで、草むらから車を出そう、としたが、なんと、そこは小雨でぬかるみ状態。 車が出れなくなっていた! いろいろバックしようとか前進しようとか試みて見たが、一向に車が動かない。 まさに、​My car won't move!​ あ~、ノルマンディで、​車にノルマンディだってえ、​とか ​​​インディアナジョーンズごっこをしたいのか、私めえ、​​​ とか自己嫌悪に陥りながら、何故か笑えないジョークが出てくる。 歩いて、義理のご両親宅へ行って助けを求めるか、あ~、申し訳ないなあ、 迷惑ばかりかけているなあ。と、愕然としながら、ぬかるみにしっかり はまってしまった車を眺めていると、1台の白い軽トラックが止まった。 運転席から降りてきた人を見て、びっくりした。ベルナールさんだったのだ! 彼も少し驚いているようだった。が、道路の右端にそのまま車を止めて、私の車を見に 来られた。この道路は、下手すると、猛スピードで車がやって来るから、私は、彼の車が 追突でもされたら、どうしよう、とそっちが気になった。 そして、もう一台の小型トラックも止まった。 ベルナールさんは、「お知り合いじゃありませんか」と私に言った。 中から出て来た人は、泥んこだらけの青い作業服を着た、栗色のくしゃくしゃの髪をした 少し小太りの初老の男性で、正真正銘の農家の人、という感じだった。 さっき、ゆっくり走る私の車の後ろを走っていた人だった。 あ、と気がついて慌てて道を譲った人だった。 ベルナールさんは、明るい爽やかな声で、 「ああ、これは車、しっかり埋まってしまいましたね」 と落ち着いた様子で言いながら、トラックの中から、縄を出して、 私の車とトラックにくくり付けた。 彼は、私に、車の中に入って、ギアをニュートラルにして、ハンドルで方向だけとるように 言ってくれた。初老の男性が、私の車を押してくださった。 車は、そして無事にぬかるみから、出た。 私は、相変わらず、恥かしさ、と申し訳なさで愕然としたまま、お二人にお礼を言った。 ベルナールさんは、「お宅の猫、ちゃんと毎晩うちに来てますから、心配しないでね」と 爽やかに言って去って行った。 そうか、猫はもうすっかり、ベルナールさん宅を覚えて行くんだなあ。 車に乗ってしばらくしてから、!!!と、ひらめいた。 猫用の段ボール箱を持って、ベルナールさんにお願いしよう。 もし、捕まえることができたら、この箱に入れていただいて、ご連絡をくださるように お願いしよう。で、私は一旦帰宅し、カフェオレを飲んでから、箱を車に詰め込んだ。 ベルナールさん宅前に着いたのは、すでに夜の8時半だった。呼び鈴を押して、 「今晩は~」Bonsoir. と呼んだ。と、家の建っている横の石段から、ミャ-ミャ-鳴きながら、 近づいてくる猫のシルエットが見えた。咄嗟に、あ、うちの猫だ、と思った。 すると、道路に面した窓の1つが開いて、ベルナールさんが顔を出した。 「今晩は。あ、お宅の猫ですか」 あらためて、そう聞かれて、急に何故か自信がなくなった。 よく、考えてみたら、うちの猫はほとんど鳴かない猫で、たまに鳴いても、 喉につまったような赤ちゃん声で瞬間的な声しか出したことがなかった。 「...と思うんですが」 それで、猫の名前を呼んだ。 猫は、開いた窓の音や、自動に開く柵の音に驚いて、また奥に引っ込んでしまった。 が、私は、猫の名前を呼びながら、猫を脅かさないように追いかけ、最終的に、 いつもポケットに忍ばせておいた餌を猫にやった。室内から洩れる明かりに 照らされた猫は、うちの猫だった。 餌を食べる瞬間、ようやく首を抑えて、腕の中に抱いた。 猫を抱いて、ベルナールさんにお礼を言いに入口に行くと、中がすぐに台所になっていた。 「ありがとうございました」 若いベルナールさん夫妻も、美しい金髪のお嬢さんもすでにみんなパジャマ姿だった。 「あ、すみません。ご就寝されるところだったんですね」 若くてキュートな奥さんがちょっぴり恥かしそうに、 「はい、明日、早いもので」とおっしゃっていた。 ベルナールさんは、「餌を食べにやって来るうちに慣れてきたら、捕まえられるかなあ、 と思っていたんですよ」 おっしゃる通りだ。 「近所の猫とも友達になったみたいですよ」と。 「あ~、それじゃあ、うちの猫、ちょっぴりお友達を恋しく思うでしょうね」と、私。 次の日あらためて、プレゼントを買って留守中のベルナールさん宅の門の向こう側に置いて来た。 もし、ぬかるみに車がはまっていなければ、その夜、再び、ベルナールさん宅に行こう、とは 考えなかった。小さな不思議な奇跡だった。 猫は帰宅してから、二日間、私のそばを離れず、ず~っとほとんど眠り続けた。 きっと、安心して普通に戻った時に、お友達になった猫や、森の空気をふと思い出すのかも 知れない。 ☆ 北フランス猫大捜査線ハッピーエンド回想録 ~ありがとう Merci !~ 後日、またあらたにプレゼントを持ってお礼に伺った。 お留守だったので、郵便受けに入れてきた。 フランス語版DVDで、日本語も聞けて、フランス語や英語の字幕が ついている「となりのトトロ」。 実は、私は、内容を知らない。 森の中で素敵な出会いをする女の子の話しらしいことしか知らない。 ロランさんと、車を押してくださった青い作業服のおじさんにも お礼をしたいけれど、住所がわからない。 ロランさんは、おととい、偶然、遠くから声をかけられて、 「猫がみつかりましたあ!ありがとうございましたあ!」と 伝えることができた。 ロマンティック・ケネディ 今日もあなたにとって 素敵な一日でありますように。                      lots of love 環境ショップ コヒタセロイ ○ 47弦の詩人こと川下笑里歌のハープ名コンサート間近! 2007年3月25日 日曜日 午後2時開演 大人5,000円 岡田音楽サロン くらび舎 e-mail kurabiya@leaf.ocn.ne.jp 47弦の詩人 川下笑里歌さんの ハープコンサート!  ○ 劇団 無=魂の 「桜」 公演  2007年5月17日~20日 東京 六本木アトリエ・フォンテーヌにて! ​​​​​​

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