2017/04/23(日)19:28
台湾で成功したフランス青年
これはあるフランス人青年の話。
中学で、先生から「ペタンク」(南フランスのボールを地面に投げて遊ぶゲーム)の選手にでもなったらいいかも、でも勉強はねえ、と言われながらなんとか平均点は取っていた。高校に入ってから勉強はさらにやる気をなくし、卒業もしたかしなかったか定かではない。その内、料理学校へ行くと宣言。が、学校で習うのが嫌い。料理学校を止める。で、バイトを始めた。その一つがピザ屋さん。そうこうする内、頭のいいお兄ちゃんの台湾研究に便乗して台湾へ旅行。フランスに帰国後、「俺は台湾でピザを始める。」と宣言。親も周囲も???!が、これが一つの転機となり、台湾で最初の頃はあれほど学校が嫌いだった彼が、台湾の大学が提供する中国語コースに午前中通い、午後ピザを作っていた。ピザが少しずつ売れ始め、ピザトラックを始めて成功。今ではテレビや雑誌で取り上げられるようになり、一晩で300枚のピザが売れたりするらしい。中国語(マンダリン)ももしかすると台湾の研究者のお兄ちゃんの実力を上回るかも知れないほどに。そんなに成功した理由は、何でも、学生時代の彼からは想像もつかないような徹底したピザ素材のこだわりらしい。自ら市場に出向いていい素材を探す。交渉する。若いから行動力もある。
学校の勉強はよく抽象的で実感がともなわないので、じかに触れたいという意識の強い子供には確かに苦痛だったり退屈だったり、ということがあるのかも知れない。
彼の頭のいいお兄ちゃんも高校生の時はコンピューターゲームにかなりはまっていたらしいが、夜中を徹して勉強もしっかりしていたそうだ。お陰で睡眠時間が2、3時間。
そうか、ウオークラフトにはまった子はみんな徹夜して学校の勉強をすればいいのだ。(なんて書いていいのかなあ。それができない良い子は真似しないように。コンゲームもしない。)
そのお兄ちゃんが小学生の頃はなんかずっと机に向かっているので、母親が「何、これ全部宿題なの?」と聞くと、「ううん。学校の宿題が少ないから自分で宿題作って出したのを今やってんの。」親としてはありがたくなる話だが、実際にそういう我が子を目にした時はかなり焦ったという。小学生の時に1年早めて中学に入れる、と学校の先生に言われて親はまた焦る。「まだ10歳なのに、中学生というのは。」「でも授業で退屈しているんですよ。」(うらやましい話だ。)先生に大丈夫と言われて中学に入れ、結果的には正解だった。
思うに台湾で成功したフランス青年はこういうお兄ちゃんを見ながら育ったから、その反動で学校の勉強に興味を失くしていたのかもしれない。自分のアイデンティを求めて。