ロズモンドの華麗にフランス en France

2020/01/11(土)20:08

ゴーン氏のベイルートからの発言を一部聞いて思うこと 2020年1月8日

見聞(5)

ゴーン氏の話しを動画で聞きました。全部ではありませんが。 動画で、もう日本語の同時通訳でも聞けますね。 動画ライブで、発言が始まった時に出てきたコメントの「マフィア」の書き込みが続き、 カルロスは、日本で忍術を習ったんだよ、とフランス語で書いているコメントもあり、 不謹慎ながら笑ってしまいました。 ゴーン氏は、これまで溜めていたものをすべて出し切るような勢いでした。 告発をしろ、とばかり言われ続けた話をしています。 「私は17年も日産に貢献したのに、日本も日本人も大好きで、子供たちも日本で育ち、 (保釈中に)レストランや映画に行くと、人々は親切にしてくれました。私は日本人が好きです。私は日本が大好きなのに、メディアは何故私を冷酷で貪欲で独裁者のイメージばかり貼り付けるのですか。何故、私はまるで誰かを傷つけようとするテロリストのように扱かわれなくてはいけないのですか」 と熱く語った時は、彼が映画の孤島のキングコングにすら見えてきました。 あの映画はすごく悲しいのです。誰にも理解されないキングコング。 ゴーン氏は、日本の独房で、自分は命を落とした人間のようだった、と。 「裁判はいつ始まるのか、と弁護士に聞けば、下手すると5年かかることもある、と言われました。その間、自分はこうして家族からも離れて独房でずっと孤立し、毎日、自白をしろ、と言われ続けるのか、これは私をそうして徐々に抜け殻にしていくためか、と」 ほんとうに裁判まで5年も待たされる可能性はあったのでしょうか。 ゴーン氏はおそらく日本語は話さないのでしょうか。 言葉のわからない国、法律的な文書の読み書きができない国にいると、独房に入れられなくても、不安に駆られる孤独な瞬間はあります。それは結構奥深い不安感です。 ま、人にもよると思いますが。 「私は日産ルノーの社長を辞任したとメディアは言ったが、私は自ら辞任をしたことはない、私は独房に入れられたので、辞職し、退職をすることになりました。ルノー日産に対して、日産に対して、訴訟をする予定です。それは誰かを攻撃したりするためではなく、自分の尊厳を守るためです」 日本の報道陣にも質問をさせ、できるだけ様々な国の報道陣にマイクを向けるようにしていました。 「私が日本を抜け出したのは、日本では発言の機会を与えてもらえず、9ヵ月かかっても裁判が行われず、容疑者と言う立場でまだ犯罪者というわけではないのに、なぜ家族や友人にも会えないのか、まるで自分は拘置所の中で孤立した人として魂のないモノのように扱われた気がしました」 「私も一人の人間です」と一番伝えたかったのではないか、と思います。 フランスの報道者は彼の劇的な発表にワンクッションを置いて割に冷静な印象です。 フランスもやや懐疑的にゴーン氏の報酬額に疑問を投げかけてきたからでしょう。 フランス24 の報道者がレバノンで数週間に及びレバノンの国の腐敗に反対し、 デモを行ってきた二人の男性にインタビューをしていました。 レバノン人の男性は、ゴーン氏はマフィアがやるように日本を逃亡した、と語り、 ゴーン氏がここにいることはレバノン人にとって侮辱であり、 ゴーン氏は日本の権限下で、日本で裁かれるべきです、と答えていました。 もう一人の男性は、我々はレバノンの腐敗と闘ってきた。 泥棒行為をした者は全員裁きを受けなくてはいけない。 もし、彼(ゴーン氏)が罪を犯したのなら、裁かれなくてはいけない。 もしかすると、彼はすべての人間から見放されてしまうこともあるかも知れない。 しかし、無実とわかったなら、彼は受け入れられるだろう。   さて、すべてはまたこれからなのでしょう。

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