ブログ短歌集 1周念記念 (2007年)
1、 頬つたう涙のあとはあの月と同じかたちと泣きました みほ(11、5)2、 「寒いね」と月に湯かけるむじゃきさとすこーしふくらむ胸に喜び3、 飛ぶ鳥は 幾重の山を谷を越え ちぎれた羽根を しばし休める みほ(12,26)4、 燃えあがる いのちの炎弱まりて 色の消えたる花も草木も5、 一寸の 陽も通さぬと黒雲の 強がりておる 表情(かお)いとおかし6、 心刺す 冷たき風を 頬に受け 今日も明日も 進み行く NM(12,26)7、 もちつきの 合間に庭をふと見れば 白無垢まとう やまぼうし居り みほ(12,29)8、 しんしんと 積もり始める 純白に 心奪われ 子供にかえる NM(12,29)9、 年の暮れ 歌合戦を聴きながら ふるさと思ひ われ歌を詠む みほ(12,29)10、 海の青 空の青さに 身は浮きし 雲の切れ間を 飛ぶ鳥になる みほ(1,10)11、 あかねさす 空の広さに 心浮く 飛び行く鳥に 明日を夢見る NM(1,10)12、 にくしみは 愛しさに秘む心地すれ 巡る月日を 逆さにみれば みほ(2,21)13、 命かけ愛した貴方(ひと)は 目になにを 映しておるのか わかるはずなし14、 笑いあう 日の多かれし 我が恋の 終わりを告げる 逆さ鶯15、 決別を告げし如月の 奥部屋の 荒紅に たぎる血潮は16、 過ぎし日の 思いを巡らせ 頬涙 庭の椿も 我が身を映す NM(同)17、 暖かき 風の香りに 導かれ 小鳥も歌う 昼下がりかな NM(2,28)18、 匂いたつ 陽だまりに咲く 沈丁花 風の香染みて うとうととなる みほ(同)19、 知らぬまに暗黒の日々、目覚めたし ファインダーから覗く心よ (ファインダー越し心のままに) (レンズは写す 我より先に)20、 どこまでも透きとおる空 白き花 暗き心は目覚めの兆し21、 あちこちで 春の芽を出す風地蔵 菜虫は飛んで かえるも泳ぐ みほ(3,7)22、 我が思い こぼれんばかりの 雪柳 純白やがて はかなくも散る みほ(3,9)23、 真っ青な 空に散らばす こんぺいとう 何の色にも染まることなし24、 風にゆれ 真白き花は雪を呼ぶ すべて忘れて こんこんつもる みほ(3,11)25、 寒もどり 木に満開の 雪の花 似合うかしらと 川面に映す みほ(3,13)26、 待ちわびた 耳を澄ませば うぐいすの 透きとおる音に 身動きもせず27、 雪解けの 声も聴かずに 初音とは さぞ気の早い うぐいすもおり28、 うぐいすよ 3軒先の梅の木か うちの木の実も 熟れております29、 気もそぞろ うぐいすの音を 聴いたれば まだかまだかと 庭を眺むる みほ(3.13)30、 耳澄まし 目を閉じながら 感じたり 優しき陽と 春の音色を NM(3,14)31、「花見路を うつむき歩く 足早に 肩をまるめて こぶし握りて」満開の桜の花の下、人々の笑い声、なぜか遠ざけたい、寂しい気持ちがこみあげる、今日この頃です(3,21みほ)32、 桜舞う 風に響くは ピアノの音 旅立つわが子 涙で霞む (NM3、25)33、 さわやかな風に揺られる葉の音が光を浴びてステップを踏む (4,26みほ)34、 彼岸花 炎のごとく燃えさかり 誰を怨むか めらめらと咲く みほ(10,6)35、 星月夜 たどりてみれば 戯れる 水を枕に 星のかけらよ みほ(10,13)36、 風吹いて 揺れる水面に 花浮かぶ 秋の訪れ まなこで感ず NM(10,13)ほぼ1年のあいだに、いつの間にか 36句も できあがっていましたね。もしかしたら、うっかり、こちらへ移動してない歌もあるかもしれませんが、いい記念です。今年は1年間、うた会もせず、こうして思いついたときに、ブログで 歌っただけでしたが、楽しかったです。NMさんも、この1年NM歴史に残る素晴らしいことが 起きたらしいし、わたしは、昨年末から美帆歴史最悪のことが起きました。(笑)ブログ仲間の、1年を振り返り、だけどこうしてブログしてられる幸せを、感じています。ちょっと早いですが、来年もまた、みなさまに、幸多かれと 祈ります。