電波時計と自閉症
自閉君の特性に時計へのこだわりがある。居間,食堂,私の書斎らしきもの,風呂にあるのだが、これらの時計表示は彼の時間に合わせてある。食堂の時計は電波時計なのでいじりようがないのだが,居間のは約20分,書斎のは10分,風呂のは15分進めてある。この差がどこにあるのかは分からないが,電池の続く限り彼が監視している。その電波時計の電池が切れた。当然狂ってくる。彼は騒ぎ出し,早く時刻を合わせるように訴えてくる。ところが電波時計の仕組み上,標準時の電波を受けるまでは止まっている。受信したらそこから時刻合わせを始めるのだが,12時ちょうどで一旦止まる。そこからなにかのタイミングで動き出し,また止まる。これを一晩繰り返しながら翌朝にはなぜか正しい時刻を指す,と言う調子だ。自閉君は一刻も早く正しい時刻に合わせろとせがむが,『明日の朝まで待て』としか言いようがない。何度も言い聞かせて,やっとおとなしくなった。この時計は確か義弟の婚礼で貰ったように記憶しているが,時計にこだわる自閉君には不適当だった。狂った時には自由にあわせられる安物の掛け時計か,ネット時間連動の時計にするべきである。