老父のつぶやき

2024/04/13(土)23:03

フェイクニュース

視・紙・誌面から(1784)

TVのニュースで、イギリス王室の家族写真に不審な点があるとしてイギリスの報道各社がいったん発表した写真を取り下げるという事件があったということを聞いた。非常に細かい、服の柄だとかが不自然だという判断でそうなったらしいが、王室の写真を提出した側から「加工した」という情報が出て落ち着いたらしい。 直後にロシアでのテロの報道について、「ウクライナが仕掛けた」という理由について、ウクライナの高官が「ざまあみろ」的な発言をしたとされる動画が、実は事件よりも前に作られたものを加工した可能性が非常に高い、という報道があった。プーチンがそんなことをやらせたとしても正直なところあまり不思議は感じないが、報道に載ってしまったら笑い事では済まされない。二次、三次情報として広がっていく。 デジタルの時代になって、画面の合成や録音が素人でも机の上でできるようになり、私自身も写真を加工することは珍しくない。「少し露光が足りないな」と思ったら明るくできる。それだけで見違えるようになる。芸術のレベルならそれで問題はないが、報道は「事実を伝えることが使命」のはずだ。切り取り方で印象が大きく変わることもあるが、編集方針として受け入れるしかない。しかし誤った情報は論外だ。 そしてAIの時代、フェイクニュースをAIを用いて作り、それを評価し見破る方もAIの仕事になっているらしい。あとは担当の判断に負うということだ。こういうものは悪事を働く方が先で、それを追っかけるのは後手になる。盗む奴がいるから鍵をかける、鍵を破る技術ができる、さらに鍵を破る難度を上げる、とイタチごっこなわけだが、いつの世界も悪人が先行する。 手塚治虫の名作、「火の鳥」未来編を見るようだ。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る