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テーマ:お米(362)
カテゴリ:視・紙・誌面から
わが家の周りでは田植えの盛り。幼なじみに去年とれた米の一部を預かってもらっていて、30kgずつ精米して食べている。田植えの合間を見て届けてくれた。去年は8500円/袋(=30kg)だった。その前は8000円だった。今年はいくらくらいになるのか聞いてみると、13000円くらいかな、と言う答え。諸物価値上がりのおり、そのくらいは仕方ないかな、とも思うが、正直なところすごい値上げ率だ。もっとも、この春には末端価格で倍になったので、それよりはマシかも知れないが。
更に驚いたのはJAの提示が今年は11500円だったという。と言うことは、昨年までの買い取り価格っていくらだったんだ?彼が1人で売れる量はたかが知れたものだろうが、JAよりも高い価格を付けなければ自主流通させる意味がない。「米の消費量が落ちているから」ということで減反をしてきたはずなのに、ないとなると余計に欲しがるんやろうな、と言っていたが、農家も振り回されていた訳である。今年は作付けを倍にしたそうだ。 「機械が壊れたからもうやめる」はうちの村以外からでも聞こえてくる。田圃を貸して米を作ってもらう、地代との差額を払う、と言う家も多い。農水大臣は「足りなければ輸入も考える」と言っているが、そう安直な問題ではないはず。そもそもミニマムアクセスなんて、体のいい押し売りではないのか。一定量の輸入を義務づけるなんて、大国の横暴だ。食糧自給率が4割なんてとんでもない。世界的に不作になったらどこだって自国優先だ。 減反政策で荒れた農地を再生するには大変な手間がかかる。生物叢を変えるのだから、微生物にしろ昆虫にしろ、化学反応みたいに高速には進まない。私が細々と耕作している畑だって、父がどこからか持ってきた野草を片づけるのに3年かかった。ちょっと放っておけば土壌の特性も変わり、生えるものが変わってくる。農芸化学の末席を汚していたが、実際に作物を作るのには10倍の知識を必要としている。 昔、隣の畑で仕事をしていたおばちゃんが「一番効くのは人糞やで」と言っていたが、リンの動きを見ればさもありなんと思う。不快ではあるが、溝に流して、土をかけてしまえば短期間で臭気は消える。牛を飼い、牛糞を撒き、畜力で耕していた70年ほど前までの姿が、実は一番地球に優しかったのではないかと思う。 「あんぱん」ではないけれど、そもそもの戦争の理由は食料争奪ではなかったか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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