お呼びでない!春の侵入者
急激に暑くなってくるこの時期、ツバメが家の中に侵入を試みてくる。わが家の庇は結構長いので、昔は壁みたいになったところに巣を作っていたのだが、家の中に入ってくる。昔は「ツバメが家に入ってくるのは縁起がいい」などと鷹揚だったが、とにかく長居する間には糞の汚れもひどい。ワラで編んだ円板みたいなのをつり下げてやっていたような家もあったが、近ごろは戸の小さい、保温性のいい家がほとんどだ。幅の広い引き戸がある家なんか滅多にない。わが家はそんな滅多にない家のひとつで、暑いときの風通しの良さは何とも気持ちがいいのだが、開けておいたらツバメがやって来る。巣をかけられたら、天井は汚れるわ、糞は臭うわで大変なことになる。ツバメもよくしたもので、成鳥は外に糞を落とすし、雛が出したものも一緒に巣の外に捨てる。捨てる方は快適だろうが、捨てたものを始末させられるのはたまらない。20年ばかり前だったかは、前の年に作った巣を利用する横着なツバメもいたが、ある日蛇に襲われたらしく、雛が落ちてからは暫くやって来なくなった。これ幸いと思っていたが、またいつの間にか来るようになった。蛇の匂いでも感じなくなったのだろうか。子供の頃、ツバメは害虫を食べる益鳥で、雀は米を食べる害鳥だと教えられたが、実のところは雀も虫を捕るらしい。現在は益鳥も「きたない」で片づけられてしまう。