カテゴリ:グルメ・レストラン
先週ロオジエに行ったのもつかの間(そのときのブログ)、あまりの満足度の高さにグランメゾン熱が再発。
ロオジエは10回近く行っているけど、ほかのグランメゾンってあまり行ってないんだよね...などと思いつつ、都内のグランメゾンのWebページを物色。 それで気になったのがトゥールダルジャンの23周年記念のアニバーサリーメニューとして紹介されていたコレ↓。 テイスティングコース“サン・ルイ”(13品) お飲物別\ 32,000 お飲物共\ 48,000 ※サービス料含まず 以前、情野(せいの)ソムリエ(現アピシウス シェフソムリエ)から、 「トゥールダルジャンが、たまに企画するワイン付きのメニューってお得だよ。料理に合ったワインを出すし、飲み具合によって量もアバウトだし」 と聞いていたのを思い出した。料理の値段としては高いけれど、総額で判断すると、グランメゾンとしては許容範囲。逆に予測できるぶん安心できる。 トゥールダルジャンについては否定的な意見が多いのは知っているし、また否定的な意見があるのを承知で好きだという人もいる。 正直なところどうなのかわからないけれど、わたしの飲み食いにおける持論は「百聞は一見にしかず」。また期間を確認すると9月20日(木)∼11月21日(水)。 すぐ終わりではないか! あまり考えていても仕方ないので、電話をしてみると予約を取れたので行くことにした。 結論から先に言うと相当良かったです。価格も含めて、先日のロオジエとは甲乙つけがたい。 エントランス ![]() 以前、勤めていた会社がニューオータニガーデンコートにあったので、前は何度も通ったことがあるけれど入るのは初めて。エントランスに入ると長い通路があり、正面には馬に乗った騎士の絵が飾ってある。誰が描いたものか知らないけれどベラスケス風。 ホテルのグランメゾンらしく、ゆとりのある空間の使い方。通路には調度品などがガラスケースに展示されている。まずはゆったりとしたソファーのあるウェイティングバーへ。壁にはルネサンス&バロック期のような貴族の肖像画のプリント。薄暗くて雰囲気が良い。 今回は皿数が多いので、ウェイティングバーではくつろがず、すぐにメインホールへ。楕円形の大きなホールで、すべて4人掛けの丸テーブル。全部で17テーブルくらいか? 高い天井で豪華なシャンデリア。クラシカルで美しい内装が光る。照明が暗いといううわさも聞いていたけれど普通の明るさ。各テーブルには大きなろうそくがともされている。 アペリティブを聞かれたので、シャンパーニュを注文。するとドン・ペリニョンの1999年が登場。それも6人割り、もしかして5人割りではないかと思うほどたっぷり注いでくれる。 小市民としては、このような高価なワインをグラスにたっぷり注がれると、うれしい反面、値段が気になる。 ドン・ペリニョンの正規価格は16,800円。となると1杯\5,000? \7,000もあり得る。気になるような人はグランメゾンに行ってはいけないとは思うのだけれど仕方がない(あとでワインリストを見たら、フルボトル約3万円でした)。 ![]() 99年のドン・ペリニョンは初めて。まあまあかな。最近のビンテージでは96年が好き。 料理のほうは予定通りデギュスタシオンのメニューを注文。このメニューは、今まで好評だった人気料理と、新しく創作した料理らしい。またワイン付きメニューの表記はなかったけれど、確認するとあるとのこと。 デザートまで含めて13皿構成なので、それぞれは1/4くらいの大きさ。 料理編: Le Bibelot de Saison アミューズ ブーシュ Cannelloni de Saumon Fume par nos Soins au Caviar サーモンフュメのアヴォガドのカネロニ キャヴィア添え お皿はすべてトゥールダルジャンのマークが入ったもの。カトラリーはクリストフル。鮮やかな盛りつけが冴える。 Salade Automnale aux Cepes Copeaux de Foie Gras Seche et Filets de Canard Confits セップ茸のサラダと鴨のコンフィ フォアグラ コポー添え セップ茸の香りが心地よい。ここまでが冷たい料理。 Quenelle de Brochet "Andre Terrail" 川カマスのクネル"アンドレ テラーユ" キノコのグラタン?に、弾力のあるはんぺんのように整形した川カマス。川カマスの歯ごたえが心地よい。冷たい料理よりも、これからの温かい料理のほうが印象的。 Risotto de Ris de Veau et Legumes d'Arriere Saison au Vert son Rapee de Truffes Noires リ・ド・ヴォーと秋野菜のリゾット 黒トリュフのラペ 緑色のお米のリゾット。トリュフの香り。 Omble Chevalier Poele, Artichaut et Chataigne Glaces au Jus de Truffe アルプス岩魚のポワレ アーティチョークとシャテーニュのグラッセ トリュフの香り 岩魚というと日本の魚っぽいけれど、北アルプス産とのこと。 Homard Breton et Crustaces en Nage de Bouillabaisse Safranee ブルターニュ産オマール海老とクリュスタッセのナージュ サフラン風味 今回もっとも印象に残ったお皿。ブイヤベース・ライク。絶妙に火が入ったオマール。中心部は半生でプリプリとしていてとてもみずみずしい。今まで食べたオマールで一番うまい。 Consomme de Tortue et Petites Ravioles au Foie Gras 滋味豊かなトルテュのコンソメ フォアグラのラヴィオリと共に しましまで亀の形をしたラヴィオリ。それにコンソメを注ぐ。「神田うの」の披露宴で出した料理らしい。 Entrecote de Boeuf Japonais au Binchotan, Polenta aux Cepes 和牛サーロインの備長炭焼きとセップ茸のポレンタ とても上質なサーロイン。脂身の香ばしい香り。こういうサシの入った牛肉は、年をとると、このくらいのプチサイズがちょうど良い。セップ茸もおいしい。 Caneton "Anniversaire" aux Poires "La France" 幼鴨のロースト "アニヴァーサリー" ラ フランスと共に 鴨は、この店のスペシャリテ。独特のこくがある鴨肉。メインの2品はさすがに素晴らしい。 Bonbon de Saint-Maur, Emulsion de Vieux Balsamique サントモールチーズのボンボン バルサミコ酢のエマルジョン パートフィロー(春巻きの皮みたいなもの)で山羊のチーズを包んでいる。エマルジョンとは乳化液のこと。バルサミコは、とても細かく泡立ちムース状になっている。とても面白い食感&味。 Classique Mille-Feuille a la Vanille de Tahiti トゥールダルジャンミルフイユとタヒチ産ヴァニラクリーム ここからはデセール。タヒチ産のヴァニラは珍しいとのこと。デセールのお皿には、鴨の絵が描いてある。 Creme Glacee a la Truffe, Sauce aux Eclats de Noisettes Torrefies トリュフのアイスクリーム と木の実のソース Cafe et Mignardises コーヒーと小菓子 デセールを食べ終わると、 「コーヒーはバースペースでくつろいではどうでしょう」 といわれて、ウェイティングにも使っていたバーへ移動。 ここはふかふかのソファー。ライトアップされたニューオータニの日本庭園を見ながらコーヒー&プティフール。こういうバースペースはくつろげて良いですなあ。シャンパーニュの2つ星Chateau Les Crayeresを思い出す。 来る前は量が多すぎないか不安だったけれど、少し余裕をもって完食。デセールでお腹いっぱいで、プティフールを食べて、少しウププ状態。 ワイン編: 1999 Cuvee Dom Perignon 2002 Hermitage Blac(E.Guigal) 2002 Chassagne-Montrachet 1er Cru Morgeot(Michel Colin-Deleger) Xeres Palo Cortado Solera Reserva(Lustau) コンソメと合わせて 2001 Ch.Cantenac Brown 1986 Coteaux du Layon(Domaine Touchais) Cognac Fine Champagne(La Tour d'Argent) メニューに、ワイン付きの表記がないためか、辛口の白赤はすべてニューボトルだった。ラッキー! とくに良かったのはコラン・ドレジェのシャサーニュ。リリース直後に飲んだような圧力感はないけれど、まだまだフレッシュで品がよい。レストランならではのコンディション。何回かおかわりをもらってしまった。 ![]() エルミタージュ・ブランもなかなか。ローヌの白はあまり得意ではないのだけれど、これはけっこういただいてしまいました。カントナック・ブラウンもまあまあだったけれど、開く前になくなってしまった。 そしてトゥールダルジャンのハウス・コニャックがとてもおいしい。あまりハードリカーは飲まないのだけれど、このトロトロ感はすてき。 また会計も食後感で重要な要素。ドン・ペリニョンの値段が気になりながらも、会計をお願いすると予想よりだいぶ安い。明細をチェックすると、コースメニュー以外に追加されているのはミネラルウォーターのペリエのみ。つまりドン・ペリニョンはメニュー付属のワインに含まれるらしい。 ラッキー! 食前酒にシャンパーニュを頼んでトクした気分。 つまりワインなしメニューとの差額\16,000で、上記の7種類のワインを飲めたことになる。量的にはボトル換算1本以上あったと思うので極めてリーズナブル。情野ソムリエの情報どおりなのだ。 1人あたり約\54,000。先日のロオジエより\5,000高。 まとめ: 今回は、選択したメニューの勝利といえる部分もあるけれど、温かい料理はどれもよかったし、驚きもあった。総合的なコストパフォーマンスも十分。また雰囲気の良さや、ギャルソンの教育レベルはロオジエより上。 どこに視点を置くかによるけれど、ロオジエとは甲乙つけがたい満足度。またこのようなワイン付きメニューがあるときに来てみたい。あとランチにも興味あり。ワイン付きのイベントを定期的に開催しています。 ただしワインの値付けは、ロオジエより高いし、掘り出し物も少ない。ということで、ワインのクオリティーを重視する人には、ロオジエのほうがお勧め。 百聞は一見にしかず。とても満足の一夜でした。 鴨を食べるともらえるカード。196,100羽め。 ![]() 今週末は、また京都。狩野永徳&紅葉を見に行ってきます。
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