ワインと絵画がある生活

2008/06/05(木)00:27

ワインスクール考3

ワイン日記(635)

「わたしのワイン人生」のようになってしまった今回のテーマもいよいよ最後。 アカデミー・デュ・ヴァンのStep-II(中級コース)に通ったあとは、その流れで研究科という上級クラスを受講。今でも尊敬している講師にこのとき出会い、1∼2年通った。 このときのモチベーションは、授業の面白さもあるけれど、二次会が面白かったことが大きい。アカデミー・デュ・ヴァンでは講師を含めた二次会があるクラスが多く、持ち込みでやる場合もある。そういうクラスでは、バラエティに富んだワインが飲めるのでとても楽しかった。 その後はしばらく間があって、自由が丘ワインスクールの上級クラスを何度か受講(情野ソムリエと石田ソムリエのクラス)。受験で有名な自由が丘だけれど、わたしが通ったのは中上級者向けのふつうのクラス。通った理由は一流ソムリエの話を聞きたかったのと、カリキュラムが面白そうだったから。これらはけっこうよかった。 またしばらく間があって、その後は名前を出すのも嫌な神田の某ワインスクール。そして現在は地元の酒屋がやっているワイン教室に通っている。 そろそろまとめに入りたい。 ワインスクールに通って一番よかったことは、ワイン好きの友達ができたこと。 これに尽きる。アカデミー・デュ・ヴァンで出会った友人とは今年で10年目になる。今でもつきあいがあり、昨年は一緒にイタリアに行った。長く継続するためには、みんなの性格や幹事役のたゆまぬ努力、その他諸事情が必要だけれど、これは一生の宝だと思う。 だからワインスクールに入って2次会に行かないのは重大な損失だと思う。 とはいえ友達を作りやすいのは初級と中級クラス。上級クラスは、下からのステップアップですでに人間関係が出来上がっているので、途中から入り込むのはけっこう難しい。 そして2番目によかったことは、 ワインの幅が広がったこと。 現在は資格も持ち、十分に飲み込んでいる。それにもかかわらずワインスクールに通う理由を聞かれればワインの幅を広げるためだ。 ワインを1人もしくは似たような嗜好の友達と飲んでいると、どうしても選択の幅が限られてしまう。受講するクラスを選ぶ必要はあるけれど、自分の知らない素晴らしいワインに出会えるのはいいところ。99/2000年当時、自然派ワインはマイナーだったけれど、そのころロワールやアルザス、ラングドックの自然派(だけに限らないけど)に出会い、マイナー産地に開眼してしまった。 そして最後に 人の好みは千差万別だ と知ったこと。それも想像を超えるほどに。 ほとんどのスクールではブラインドでワインを飲む。以前通ったクラスでは、銘柄をオープンにする前に一番好きなワインや嫌いなワインを投票していた。すると 「これはないだろう」 というものを一番好きという人や、わたしが一番気に入っていたものを(癖のないワインだと思ったのに) 「一番苦手」 という人もいて、本当に人の嗜好はさまざまだと感じた。もちろん一番安いものを好きだという人もいた。経験の少ない人向けのクラスではなく、上級者向けクラスでの出来事である。 友人同士のワイン会だと、ここまでの差は出ないことが多い。これまでにたどってきたキャリアの違いや(短い長いではなく飲んできたワインの違い)、本質的な嗜好(しこう)の違い、ブラインドによる先入観の排除は、いかに大きいかを思い知った。 これほどまでに人の好みは千差万別なのだから、他人の目など気にせず、 ワインに対して幅広い視野をもちながら、マスコミなどに惑わされない、自分なりのワイン観を確立することが重要なのではないだろうか。 今回はワインスクール考というタイトルだったので、ワインスクール中心に話を進めたけれど、ブログの諸氏がそうであるように、ワインスクールに通わない学び方もあるだろう。 ワインは自由なものだし、基本的には個人的なものだからだ。 でも、ソムリエ試験の学科の勉強は、短期間に要点を覚えるということでは有用だったと思う。アペラシオンを覚えることは、フランスワインを勉強するうえで重要なことだ。ソムリエ試験の勉強をして一番よかったことは、アペラシオンを含む世界地図が頭の中に入ったことかな。 またテイスティング能力向上に一番役立ったのは、友人同士のブラインドワイン会。単に答えを当てるのではなく、それぞれの人が、根拠を述べながら意見を言い合う形式。それぞれの人が考えるワインの特徴を知ることができてよかった。また全員で大外ししてしまい、ワインの奥深さや意外性を知ることも多い。 ワインスクールについて: ワインスクールにはそれぞれキャラクターがある。また大手の場合、複数講師がいるので講師によって雰囲気は全然違う。また春には受験コースがあるけれど、それも全然違う。ネットや友人の評判もあるけれど、実際のところ通ってみなければ自分に合うかどうかわからないと思う。 ・内容 ・評判 ・場所(通いやすさ) ・値段(専業のスクールの場合「安い=よい」とは限らない。安い=安いワインがほとんど) ・振り替えシステム ・料金の支払い方法や返金などのルール などを比較して気合いで選ぶしかないと思う。またスクールによっては1∼4回の短期コースや見学などがある場合もあるので、それを利用してもよいだろう。 知っているところを短評する。 ・アカデミー・デュ・ヴァン 初級者から上級者まで、老舗らしくカリキュラムが充実しているのが魅力的。また夜のクラスの多くでは2次会をやっている。最近は久しく通っていないけれど、以前とは経営が変わったためビジネスライクといううわさもある。 ・自由が丘ワインスクール 講師は一流ソムリエのみ。秋の上級クラスは面白い。ただしオフィシャルな(?)2次会は無いので、友達は作りづらい。初級・中級クラスなら大丈夫かも。 それ以外だと、田崎さんのところはコメントをバンバン指されて厳しいらしい。受験を考えている人にはいいかも。 現在興味のあるところは、アカデミー・デュ・ヴァンの上級クラスの一部。堀賢一氏の講座に行きたかったのだけれど満席で断念。あとは自由が丘ワインスクールの、秋にある石田ソムリエや情野ソムリエのクラスかな。あと尊敬する斉藤研一氏のサロン・ド・ヴィノフル。時間が取れるときには、また行ってみたいと思う。 ・ワインスクール一覧 http://www.wine21.ne.jp/link/suku-ru/ 現在通っているところ: 現在通っているのは、隣町の桜新町にある酒屋「エスポア・ナカモト」で開催しているワイン教室。近所だし、安いし(5回で\19,000)、知らないワインに出会えるので通っている。 普通のワインスクールでは、授業料に占めるワインの原価率は高くても20%。それに対してここは赤字ではないかと思えるようなワインのクオリティ。それに授業料も大手と比べれば格安。なかには遠くから来ている人もいるみたいだけど、となり駅だしね。おつまみも出てプチワイン会のようで気楽という理由もある。 ただし「ワインを勉強しよう」というよりは「ワインを楽しもう」という方向性なので、きっちり勉強したい人よりは楽しみたい人向け。あと、ほとんどが自然派ワインなので、自然派がどうしても嫌いな人も向かないかな。 興味のある方はどうぞ。わたしが現在通っているのはCコース。途中からの参加でも、料金も含めて相談に乗ってくれると思いますよ。 カリキュラム&スケジュール Part2に戻る。 Part1に戻る。 気が向いたら投票お願いします→

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