この作品は、1998年~1999年ころに、「十四歳の休暇」「ゆびきりげんまん」の続編として、高
校三年生になった直樹のことを書きました。この時代背景も読み返してみると、現在といささか違います。女子高校生はルーズソックスをはき、ガングロ、援助
交際、親父狩りなどという言葉も一時のニュース事件で騒がれました。そろそろケータイも社会に浸透しはじめている時代でした。
書き上げた後、さてどこに応募しよう。文藝賞か、新潮の長編新人賞か…。文藝賞にしてはいささか重すぎ、新潮にしては逆に軽すぎるような気がしました。
結局、文藝賞に応募したものの、ボツ。その後、眠っていましたが、このままにしてはもったいないと思い、ここに掲載することにしました。
なお、「砂時計」のみでも、ストーリーは単独で完結しています。
さやかの死を乗り越えた直樹は、高校三年になっています。優柔不断でそれでも前向きに一生懸命生きていた直樹にも、屈折した混沌とした感情が渦を巻きは
じめます。物事に対して冷ややかに見つめる直樹。熱くなれない自分。さやかへの想いを心に秘めたまま、それでもひかれつつある四歳年上の家庭教師の美紀。
さらに、さやかの妹、綾香との再会。
中学の時、あんなに暖かだった家庭も、崩壊の危機。
直樹をとりまく中学からのメンバーもさらにそれぞれの道を歩み、一歩一歩大人へと成長していきます。