スズメの恩返し?
うちの裏庭には、スズメがやってくる。ロゼちゃんが生きている当時は、エサをあげる際、古いものは庭に捨てていたので、当然スズメがやってきた。また、毎年冬は、さすがに自然界も食べ物が少ないだろうと、ロゼちゃんのエサを少しおすそ分けしてまいてやっていた。春が来た頃、もうそろそろエサはいらないだろうと思ったら、子スズメを連れてくるようになり、なぜだか今年は、今でも毎朝、庭にエサをまくのが日課になっている。インコを飼っていないのに、鳥のエサはたまに買っているという…。以前は、ロゼちゃんが第一だったので、スズメに注意を払うことはなかったが、最近、よく見ているといろいろな発見がある。スズメって、みんな同じに見えるが、実は違う。色の濃淡や、模様の微妙な違い、尾羽の長さや太さが違うのだ。毎日数羽以上がやってくるが、どれがどれだかまでの違いはわからない。でも、中に一羽、頭に黒い円形のブチがあるスズメがいる。しかも毎日、来ている。命名“ブチ”。たくさんスズメがきても、ブチだけはわかる。ブチは親スズメではないらしい。親は、子スズメに付っきりだし、口移しでエサを与えたりするから。また、ブチは子スズメでもない。子スズメは、翼がまだ小さく、ちゅんちゅん鳴き続け、身体をプルプルふるわせているのがそうだ。さらに、“ドタバタ”という何とも重そうな羽音を立てて、落ちそうに飛んでいるからだ。ブチを見ていると、個性というものは大切だと感じる。ちょっと他のスズメと違うばかりに、目立ってしまう。それでも、集団にうもれないから、“ブチ”がいるとわかってもらえる。スズメ用のエサは、ロゼちゃんのお墓近くにまいておく。そのせいで、ロゼちゃんのお墓周辺は、草ぼうぼう。もしかして、このまま育てれば、“鳥のエサ”も自給自足ができるかなと思うほどだ。それに、ブチたちは、インコと同様、ご丁寧にカラを向いて食べるようで、エサのカラが散乱している。そんなわけで、あまりに汚れてきたから掃除をしてエサをまいた。その日の夕方、なんと再び掃除をしたかのように、ひとつぶ残らずエサがなくなっていた。「掃除したの?」という母の言葉に、「朝、したんだけど、そのあとスズメさんたちがもう一度掃除してくれたみたい」と。これは、もしかして“恩返し”かな?さらにスズメは、朝6時頃、一度やってくるようだ。ちゅんちゅん、騒々しい。7時半過ぎないと“青空レストラン”はオープンしないはずなのに…。いや、これももしかして、「せめてお礼に毎朝、起こしてあげよう」という恩返しかもしれない。でも、できればもう少し遅くにスズメアラームが鳴ってほしいなと毎朝思っている。