|
カテゴリ:自己紹介
「上の階は空家・・・」
「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 夏の夜の 永きに響く木魚音 誰も居らぬに鳴るは悲しき 「そ、そうですか。上は空家ですか。」 「ええ、上は空家で、下の階の方もたまたま良く知っている方なのですが、 木魚を叩かれたりする方ではございませんよ。rubier☆さんの前にその部屋 に住まれていた方からも特にそのような苦情は受けていませんし、そのマン ションに住んでおられる周りの方からも音に関する苦情は出ておりません。 今でも鳴っていますか?」 「い、いや、今は鳴っていません。でも昨晩は明らかに鳴っていたんです。 し、しかし、も、もう少し様子を見てみます。」 完全に焦っていました。 これは引越しするしかない。しかも早急に。 引越し代とかの問題ではない。 「・・・」 でも、待てよ。 原因も無くあんなに明瞭に音がなるものだろうか。しかも、一人ではなく、 我々夫婦が二人揃って”空耳アワー”もあるまい。そもそも憑かれる心当たり もない。 原因も突き止めずここで引き下がって引っ越ししてうやむやにするというのは、 私のとるべき態度か? 絶対に何らかも原因があるはずだ、と思いました。 そして、その夜の食事中に、またしても木魚の音が鳴り出したのです。 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 今日も来た。 ただ、今回は原因を探る絶好の機会と捉えていました。 すぐに音のする方に一番近いガラス戸を開けてベランダに出ました (図1参照)。 しかし、ベランダに出て良く耳を澄ますのですが、さっきまで聞こえて いた木魚音が全く聞こえないのです。 近くに雨どいがあるので、雨どいを伝ってどこかかなり遠くの部屋で 叩かれている木魚の音がここまで響いている可能性も考えて雨どいに 耳を当ててみましたがぜんぜん聞こえません。 おかしいなー? 部屋に戻って食事のつづきをしていると、また始まりました。 今度は鳴り止む前に絶対突き止める。ダッシュでベランダに。 しかし、ベランダに出ると聞こえないのです。 そのとき、ベランダに出るためにガラス戸を開けていたベランダに 面したの窓から風がヒューと室内に入っていくのを感じました。 「もしかして ガラス戸をゆっくりと閉めてみます。 ゆっくり、ゆっくり閉めてみます。 ベランダに面した窓がガラス戸で徐々に塞がれていき、窓が開いて いる面積が小さくなっていきます。それと共に、いままで楽々と 室内に入れた風がガラス戸で遮られてなかなか室内に入れなくなって いきました。そして、やっと入れる隙間から風がビューと隙間が大きい ときよりも強く室内に流れ込むのがわかります。さらにガラス戸を 閉めて、ガラス戸と壁の隙間を0.5cmくらいにして窓が開いている 面積をものすごく小さくしてみました。 すると、明らかにビュー、ビューと風が室内に入っていく音がしました。 そして、そして、ガラス戸を完全に閉じたとき、あの音が鳴り出した のです。 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 「ぽんぽんぽんぽん・・・」 や、やった! と、いうことは。。。 今度はガラス戸を開けてみました。 「・・・」 や、やっぱり鳴り止んだのです。 ガラス戸を閉めてみると「ぽんぽんぽんぽん・・・」、 ガラス戸を開けると「・・・」。 閉めると「ぽんぽんぽんぽん・・・」、 開けると「・・・」。 何回やってもこの法則が成り立ちました。 や、やった! 解明した、引っ越さなくて済む つまり、こういうことです。 つづく(次回は本シリーズ最終) ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[自己紹介] カテゴリの最新記事
|