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そのさきにあるもの。

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2011年06月17日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
あれから3か月。

気分が落ち着いてきたのかといえば、そうとも言えるし、
目に見えない何かに覆われていて、なんだか靄がかかったようにも感じる。

そんな気持ちの中でみた『ブラック・スワン』。
微動だに出来ないまま、画面に集中して見た。
ニナが、黒鳥になりきって(飲み込まれて?)踊る姿を見て、
何故だか涙がこぼれた。

身体も心も繊細で優等生なニナが、ブラック・スワンを踊るために、
どんどん自分自身を追い詰めていく。

母親の過剰で、だけれども娘をがんじがらめにする愛情という執着。
奔放で魅力的なまさに黒鳥なリリー。
(彼女を見て、『17歳カルテ』で初めてアンジェリーナ・ジョリーを見たときを思い出した。
 と思ったら、ウィノナ・ライダーが出演していて、しかもあの負のオーラにびっくり。
 彼女も何かに飲み込まれたのか?一方のアンジーは元気だし)


精神を研ぎ澄まされて、肉体的にも、ひたすら追いこんでいく。
私の中にある、優等生的な部分が呼応して、息苦しさを覚えた。

黒鳥になった彼女は、とても美しくて、幸せだったのではないかと
思ったりもした。

ナタリー・ポートマンのための映画と言ってしまうのも
仕方のないほど、彼女の演技はすごくて、その表情の変化が見事だった。

上演後、コワかったね~、という若い大学生ぐらいの女の子たちの感想を聞きながら、
一人で見に来てよかったと思った。
今、ここで感想を求められたくないし、共有もしたくない。

なんというか、私小説を読んだ時のような、自分の内面と向きあわされる。

とは言いつつ、ほかの人の感想を読んだりして、驚いた。
好き嫌いはあるとは思ったけれど、かなり否定的に見る人もいるんだ。
確かに本質的にはホラーだとは思うけれど、表面的にホラーと捉えるのも、ううん。
性的なシーンが不要とは思えないし。

刺だったり、うろこだったり、羽だったり、鏡だったり、血だったり、
彼女の内面を映像で表現されるのだけれど、
これらの表現を抽象的な意味合いで捉えずにいる人も。

私的にはものすごく濃密な映画だったのだけれど…。

ちなみに、私の感想と世間の感想が全く違ったのは、『孤高のメス』。
見ていて、腹が立ったもの。
私は、いちいち説明されるのが、嫌いらしい。

『おひさま』はとても丁寧に作られているけれど、
役者さんの表情によって考えさせる余地が結構あって、
見ていて、気持ちがいい。
高良君の表情、ほとんど見惚れてました。





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Last updated  2011年06月17日 13時23分29秒



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