ほんわか介護とほんわか心

2006/06/23(金)14:43

グループホームについて

ほんわか介護 家庭と介護(106)

今朝の朝日新聞で、グループホーム新設を見合わせる自治体が全国で増えているとの記事がありました。 今後3年間、544の自治体は新設しない予定とのことでした。 認知症高齢者にはグループホームを、東京都でもしきりに喧伝していました。一昨年でしたか、利用者のお宅でつきっぱなしになっているテレビで東京都の担当者の方がグループホームをしきりに勧めている番組を見たことを覚えています。 番組の内容より、出演している担当者の立派な眉毛だけを覚えています。 グループホームは9人1ユニット経営です。 ホームの経営において、収入は、入居者の月の経費が12~14万円、介護保険からの報酬は23~25万円くらいで、これに9をかけます。 支出の大半は人件費と思われます。人件費は平均で9万円(非常勤)~20万円ぐらい。 9人の入居者にたいして日中3人の職員が必要です。職員は1日に6~7人必要です。ここの休日の交代要員を考えればあと2人~3人は必要となります。 この職員には施設長や調理の人、掃除専門のスタッフ、ケアマネ、相談員、運転手などの職種の人も員数の中にはいります。 介護専門ではなく兼務職員もいるので、施設内は常に慢性的な人員不足になっています。 グループホームの経営は決してらくではありません。それは以前のある事件の折、書き込みました。 さて、認知症高齢者のためによかれと考えたグループホームですが、実際は半端な施策ではなかったかと考えます。 落語で言えば3方一両損みたいです。 行政にとっては、グループホーム建設の時、補助金を出してくれるところが多いようです。金額はそれぞれでしょうが・・。 施設提供というところもあるでしょう。 そして施設ケアの落とし穴・・。それは介護保険を満額使い切ると言うことです。 在宅介護では、重度の人や家族が介護できないなどの事情があると満額使い切りますが、ほとんどのケースでは、使い切ることはありません。 そのことに行政もきづき、施設ケアの見直しを始めました。 介護報酬を下げ、その分をホテルコストとして利用者負担にしました。 行政がグループホーム新設を見送り始めたのは、介護保険費用がかさんだことが大きな原因のようです。 グループホームは行政にとって介護保険費用の増大という損、施設は介護報酬の低下による損、利用者は利用料増大の損です。 グループホームは理想的な認知症介護の方策と思われました。利用者の残存機能を生かし、共に家事をしながら、認知症の進行をくい止め、個人の尊厳を重視する介護が方針です。 実際には、家事や自分の身の回りのことができる認知症の人は、初期のころなので、問題行動でまくりの時です。 それをこすと介護者がいつも援助しながらでないと家事はこなせません。介護スタッフは常に気を配っていなければなりません。 もしかするとグループホームの役割は終わったのかもしれません。 以下の考えは外でもされているでしょう。また私自身似たようなことを何度も書いたかもしれません。今1度というか、これから何回も繰り返してしまうかもしれませんが・・。 今、ゲストハウスという宿泊施設があります。 以前で言うとユースホステルですか・・。 欧米ではルームメイトと暮らすのは普通の暮らし方のようです。 日本でもそのような暮らし方が増えてきました。 認知症になるまえに、年金や生活保護などの費用をもちよって、4,5人(9人でもいいですが)くらいで共同生活を始めてしまったらどうでしょうか。 自分の意思がしっかりしているうちに成年後見人を決めておいて、認知症や病気になっても、そこで介護や医療を受けられる体制を作っておけばいいとおもいます。 高齢者ゲストハウスの入居者が介護が必要な状態になれば、サテライト特養と変わればいいと考えます。 医療施設と併設して特養をつくり、高齢者ゲストハウスを小学校区ぐらいのなかに沢山作ればいいでしょう。 ゲストハウスは既存のマンションや家を借り上げる方式で、バリアフリー化するには補助金や低金利の資金を利用できます。 家事はボランティアを頼めば1時間700円ぐらいでお願いできますし、見守り介護などというのもあります。 食料は生協が運んでくれますし、高齢者だけでも暮らしていけそうです。 認知症にならない前の高齢者自身が運営するグループホームといえますか。 介護予防のプログラムを使えば長く自立が保てるかもしれません。

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