ジャマンガ日記#116「女一人旅~キングストン Again」
前回の続きです。すみません長いです。ビザ更新用の書類を届けに、キングストンに一人で行ってきました。モンティゴベイの知人のゲストハウスに前泊、朝4時貸し切りタクシーでバスターミナルへ、という、パスポート更新と同じコース(過去ログはこちら)。バスはトヨタのコースター(マイクロバス)。特製の補助席は木箱に合皮を張ったもの。補助席じゃなくて、よかった‥。バックではカルチャーが大音量で流れていてシュールでした。外では女性と男性が口論していて、出発待ちの乗客のいい余興になっていた。というか一方的に女性が男性をなじっているのだが、いやはやDVというのは絶対に悪いことだけど、男性が女性に手をあげる状況に追い込んでしまう女性っていますよね。窮鼠猫を噛むってやつ。今回後部座席のお兄ちゃんのダンスホール(レゲエのジャンルでイケイケ系、というのでしょうか)談義を盗み聞き、楽しい道中でした。普段こういう若者との接点がなく、ダンスホールにも遠のいているのでここで情報収集。以下再現します(興味のない方は飛ばしてください)。パピ(ポップコーン)はめっちゃカネもっとるぞ。ブラックスパイダー(三輪バイク)もってるんやから。めっちゃ高いんやぞ。アルカラインもパピには勝たれへん。パピに勝てるのはカーテルかシズラだけや。カーテルはすごいな。出す曲全部ヤバイし。てかカーテルはもうベテランやからな。若いDJのトップはやっぱりパピやろ。アイドニアはビザ持ってるしアメリカ行けるやん。パピもアルカラインも行かれへんからな。ドニア(アイドニア)は親が教師やからな…と延々と続く。解説しますとポップコーンはモンティゴベイ出身のビッグアーチスト。その他アーチスト色々出てますが説明は他に譲るとして、注目したいのは彼の厚いパピ信仰。やはり地元から勝ち上がって金持ちになるというのがポイント。お兄さんの嗜好はかなり偏っていたものの、ジェイZがキング・オブ・ヒップホップだとか要点は押さえており、網羅性・一貫性があった。アメリカで興行できないアーチストはここではめずらしくない。ビザがおりない、というのは一般市民だけじゃないのだ。今日のバスの運ちゃんは面倒見がいい人で、「ミスチン、どこまで行くん?」と声をかけてくれた。ローカルバスは降りる場所、結構融通が利きます。「ウォータールー・ロードで降りたい。デボンハウスの所」というと快く応じてくれた。月曜日に来たばかりなので周辺の景色は頭に入っているものの、自分が今グーグルマップのどの辺にいるのか見当がつかない。ダウンタウンのバスターミナルで乗客半数ほどが降り(補助席が邪魔なのでバックドアからわらわら移民集団のように飛び降りてた)、後はアメリカ大使館組。大使館につくと、手配師のような女性が「大使館、大使館」と降車客にビニール袋を配っていた。あのビニール袋は何に使うんだろう‥?気になって仕方がない。ホープ・ロードを南下、ボブ・マーリィ博物館やデボンハウスを通り過ぎる。ウォータールー・ロードの交差点で降りる時「じゃぁ後であんた探すわなぁ、ミスチン」という運ちゃん。いや、帰りは優雅に高速バスなんです。開業時間8時半に移民局に到着。即効書類を渡して9時の高速バスに乗って帰りたい、という淡い希望は消えた。ここはジャマイカ、たっぷり30分以上かけて受付。でも無事ビザ更新の手続き完了、パスポートはモンティゴベイの窓口で受け取れるよう手配してもらった。グーグルマップのスクリーンショット(モバイル通信使ってないので)を頼りに、高速バスのターミナルへ。帰りはまったりWifiとDVD鑑賞しながら帰ろうと思ったら…そう、このバスはネットで予約できたりするのだ。キャンセル待ちしても席が取れる保証はない。というわけで帰りもローカルバス、でもバスターミナルまでどうやって行こう?と思ったらいい具合に「タクシー?」と声をかけられた。「1000ドル」と言われ足元見るなぁ、と思ったけど、妥当と言えば妥当だったかも。高速バスが予約いっぱいで、と言うと「今日はあれや、トニー・レベルの」そうだった。レベル・サルートという大きなレゲエのコンサートがある日。興味がないので気にもとめてなかった。ローカルバスのターミナルはチボリ・ガーデンの近くらしい。チボリ・ガーデンの紛争からはや9年、知人も「まだ銃弾の後とか残ってるで」と言っていたな。かいつまんでいえば、ギャングのボスをめぐっての地元住民対アメリカ・ジャマイカ政府の紛争だった。当時は毎日その話題で持ち切りで、ちょうど嬢を妊娠していた折、超音波技師ですら患者の私を放置し、電話でその話題に夢中になるほど。放置されたお腹のジェルの冷たい感触がよみがえってくる。「ドゥドゥス(ギャングのボスの名前、アメリカで服役中)はお嬢さんが20歳になるまでに出てくるやろね」と運ちゃん。ドゥドゥスも出所と同時に強制送還か。ブジュ・バントンみたいに。バスターミナルにつくと、朝のバスの運ちゃんに出迎えられた。高速バスよりぶっ飛ばしてくれ、安く上がってよかった。帰りのトイレ休憩にて。後日友達に聞くと、アメリカ大使館の謎のビニール袋は、携帯を入れて保管してくれる業者なのだそうだ(大使館は携帯持ち込み禁止)。色んな商売があるんですね。