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テーマ:最近観た映画。(41127)
カテゴリ:MOVIE REVIEW
TVをつけたらたまたまやっていた「オール・イズ・ロスト ~最後の手紙」。
嵐の海、ヨットから脱出するシーン。古典映画ジョーズのワンシーンと何となくかぶり、一昔前の映画を彷彿とさせる。 セリフも効果音もほとんどなく、ただ淡々と漂流する男性の行動を写す。それがドキュメンタリータッチですごい説得力。主人公で唯一の登場人物は、ロバート・レッドフォードなのですが、私の健忘症も相まって、誰だかわからない。その老けっぷりのせいか、そこらへんのLLビーンとかノースフェイス着てそうな、品がいいけどどこか抜けている初老男性を見事に演じている。「芸能人はオーラを消したり出したりできる」と誰かが言ってたが、まさに影の薄い普通のおじさんなのだ。「キャスト・アウェイ」のトム・ハンクスなんか、どこから見てもトム・ハンクスにしか見えないのに。 ただのかわいそうな白人のおっさんに成り果てたロバート・レッドフォード。人類のヒエラルキーの頂点にいるはずの、アングロサクソン系男性が、ことごとく無様に不幸に身をやつしていく映画だ。(貧国ジャマイカにいるとそういう変な偏見が芽生えてしまって困る) 荒らしから一夜明け、救命ボードから沈みかけのヨットに戻り、食料等を物色しているシーンが一興だ。その様子がまるで、糖尿病の薬を薬箱から取り出しているかのような厭世観。見ていて胸が詰まるものだった。 人生のツケが一気に回ってきたような。あるいは、今までの人生を、大自然から全否定されているような。これでもかとばかりに降りかかる災難。ことごとく裏目に出る行動。ありますよね、トーストを落としてしまったら、バターのついた方が下になるみたいな。でもそういうものなのかもしれない。運命に翻弄され、陳腐なボートにしがみつくしかなす術がないのが人生・・みたいな。 この残酷さがトムとジェリーのような海外のナンセンス・アニメを彷彿とさせている。スポンジ・ボブしかり、海外アニメって日本の勧善懲悪や道徳的内容と違い、主人公が徹底的にいじめられるというのが多い。文化の違いだろうか。 それって舌噛んで死んだ方がマシかも?的シチュエーションが延々とツライけど、それだけに強烈でスゴイ映画だった。
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Last updated
2015/05/25 06:48:11 AM
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