カテゴリ:文学
何週間か小説を読んでないような気がしたので本屋に寄って、読んでいなかった伊坂の単行本を2冊買ってきました。 読み始めると集中して2,3冊続けざまに読みますが、在庫がなくなると他のことに追われたりして活字のことを忘れていたりします。 たまたま本屋に寄って何冊か買い込むか、新聞や雑誌の書評などで面白そうな記事を読んで買いたくなって本屋に行くかするまでは、文庫を読むことはありません。 電車で席が空いて座ってみてやることがなかったりすると、文庫を持っていないことを後悔するはめになるのです。 前から読みたかった「魔王」を買ってきました。 今までのちょっと世間離れしているエンタ的舞台設定とは違い、最初から、政治家、ファシズムや集団心理など少し違った方向性を感じますが、仲の良い兄弟や違う作品の登場人物がでてきたり、ささいな超能力など伊坂らしい味付けがところどころにあり、どんどん先を読まされます。 作家本人がテーマとしての政治的なものを否定していて、メッセージもないと言い切っていますが、2004年の小泉自民の歴史的大勝前に描かれたこの作品は、今の麻生末期的政権や経済・国際状況ととても重なる舞台設定で、それに対する回答も踏まえ、今のタイミングで読むととても興味深く、面白いのでした。 ただ、少しネタばれですが、他の作品に出ている登場人物がでてきて、主人公にかかわった段階で、主人公のこれからが推測出来てしまい、それがいいのかどうか理解できませんでした。 たまたま僕はその作品を少し前に読んでいたのでわかりましたが、読んでない人にはこの手法がいいのかどうかわかりません。 それにしても次から次によくいろんな小説やアイデアが浮かぶもので、底知れない作家です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.07.04 18:04:41
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