信じられないけど本当のこと
最愛の娘を失ってからずっと女の子がほしいと思っていました。 でも、私の子宮は痛んでしまって、これ以上子どもは生めないといわれています。「ねぇ。子どもがほしいね」「うん。養子もらおうよ」 どちらからともなく、話がまとまって申し込み用紙を取り寄せたものの、家がせまくてどうしても子どものためのスペースが取れません。「だめだね」「うん…」 そういってあきらめモードに入っていたらある日突然電話がありました。「児童相談所ですけど…。申込書が届いていますが、お家の間取りや広さが書かれていませんね。それに御主人の収入とかを証明する書類が必要です」 正直、新手の詐欺ではないかと思いました。 我が家はオレオレ詐欺とか、振り込めさぎとか、サラ金無理貸し詐欺とかに狙われていて、その手の電話が多かったからです。「書類を出した覚えはありませんが? 本当に児童相談所の方ですか? お名前はなんと仰るのでしょう? 児童相談所の電話を調べて、改めてこちらからおかけします」 と電話をかけなおしたら、本当にその方がいるのです。私は「あ、これは詐欺ではない」とあわててしまいました。「書類を出した覚えがない? じゃ、これは間違いなんですね!?」と言われてあわてて「いえ、夫が出したんだと思います。どうか、破棄なさらないでください」 と必死で頼み込みました。 その日、夫に「あなた、すごいわね! 私がこんなにうつがひどいと言うのに申込書を出したんでしょう? そんなに私を信頼してくれているなんて嬉しいわ」 というと「はい? 僕、申込書なんて出していないよ」 と言います。 そのとき、私たちははっとして目を合わせました。「神様!?」 信じてくださらなくてもかまいません。私は神様を信じます。神様が奇跡を起こされて申込書を担当者の机の上に置かれたのです。つまり、きっと誰か、私たちの家に来たい子どもがいるのだと私たちは思いました。 それから、夫の病気。職場の状況、転居。などがあって やっとこの日に書類を調えることができました。 担当者の方は私たちが書類を完成して持っていったのを見てとても喜んでくださいました。 さっそく、福祉士と連絡を取り面接したいとのことでしたが、児童福祉士の方は虐待など問題が多発していて忙しいのだそうです。 とりあえず3月の審議会にかけて知事の承認を得たいと言うことでしたが、さてはてどうなりますやら。 子どもたちが長く住んでくれるようなら、家はリフォームするつもりです。最初から増築を考えて家を建てましたから。女の子2人を希望しているのですが…。