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アーティスト・イン・レジデンス ~忙しい一日~

2018.09.23
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地震によって、いとも簡単に我々の文明生活は敗北した。
道内が一斉に停電、都市機能は完全に麻痺。
まさに空前絶後の出来事だった。

そして、皮肉にもその中で役に立ったのが人々の知恵、つまりは生活文化だった。
これまでの知識と経験によって、人々は動く。


滞在者の内の1人、
ドイツの写真家は震災当日の昼前、少し上気した面持ちでカメラ器材を担いで街に飛び出していった。
彼も被災者ではあるが、だからこそ撮れる風景と人々がある。

半日札幌市内を歩き回り、彼がカメラで切り取ってきた景色には様々なものが写っていた。

必要物資のため長蛇の列に並ぶ人達、既に炊き出し・無料で飲み物を配る人達、
仲良く水汲みを行う人達、

自然に蹂躙されながらも、この人達の振る舞いは、
そのどれもが長い歴史を通じてこの土地が育んできた文化の在り方だ。

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当日の夜、滞在者10数名全員で食事をとることにした。
冷蔵庫の中身が腐らないよう、各自で持ち寄り鍋を煮た。

後日談にはなるが、
「みんなで集まることができて、そこでお互いに知り合うことができた」
そんな声が、あちらこちらで聞こえてきた。

普段はすれ違いの人生だが、災害という共通の話題によって
人と人が半強制的に結ばれ、そこにコミュニティーが生まれてゆく。
純粋なあり方のような気がした。


幸い当日の18時頃電気が復旧、それに伴い水も使えるようになり、
お湯を沸かすこともできるようになった。

思いのほか、人々の努力によって文明はあっという間にその姿を現し、
まるで何もなかったかのように再び我々の生活を包み込んだ。






最終更新日  2018.09.23 22:56:56
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