カレンダー【カレンダー】じじいに頼まれてカレンダーを買いに行った。 カレンダーといってもきれいな写真入りだとか予定が書き込めるモノではない。 「日めくりカレンダー」を指定されたのである。 某文具店には売ってなかったのでシビコ2階の正文館書店に行ったらあるわあるわ。 あそこってカレンダー各種やシステム手帳の品揃えがすげえんだよなあ。お薦めだよ。 さて、日めくりカレンダーには様々な情報がバッチリ記載されているのである。 釣りをする人が必要とする大潮、小潮、なんでか知らんけど月齢、吉と出る方角、 大安、仏滅、友引、先負、さんりんぼうなど、仏事の暦が1枚1枚に記されている。 高齢者になると知人が次々と旅立って行くので葬式の日取りを身近に感じるために とりわけ仏事の暦は絶対的に必要になるのであろう。 そしてもうひとつ、朝起きて日めくりの前に立ち、今日の言葉なるものを読む。 ふむふむ、「一年の計は元旦にあり」か。といって何の計画もしないのである。 なになに、「思い立ったが吉日」か。といって何も思い立たないのである。 そして日めくりをめくってゴミ箱にポイ。その時点で既に今日の格言は忘れている。 日めくりを見るという行為は無事に今日の朝を迎えられたという証にもなっているのだろう。 読者の皆さんの家にもいくつかのカレンダーがあるのではないかと思う。 居間、台所、玄関先、家によってはトイレ等なるべく目に届く場所の壁に飾るだろう。 若い世代はシステム手帳やスマホにスケジュールを入れるのでカレンダーは見ないかもな。 俺はシステム手帳もスマホも持たない主義なので、台所のカレンダーに予定を書き込む。 といっても予定なんぞというものは滅多にないのである。 せいぜい山仲間とハイキングに行く予定ができた時に「山」と書く程度だ。 予定や準備、計画という言葉は俺の頭にはないのだ。 いや、そういえば山に行く際にはネットで「月齢カレンダー」というのを見るなあ。 大抵は深夜から歩き始めるので満月前後の日ならラッキー、月明かりを頼りに ライトを持たずにムーンハイキングができるじゃん、あれは神秘的だよ。 その他、上弦の月ってことは深夜には月が沈むから星が良く見えるなあ、とか、 下弦の月ってことは夜明けに稜線に出た頃に月が昇ってくるわけか、など、 夜を絡めたハイキングは月の存在も写真撮影の重要な要素になるわけだ。 話が逸れた、カレンダーの話だったな。 日めくりカレンダーの大晦日の格言は毎年「終わり良ければ全て良し」。 むぅ~、こりゃまた随分いい加減で投げやりな格言。 この格言を読んで爺さんは「うむ、今年も生きていられた。よしよし」と首肯している。 子や孫、ヘルパーさんに迷惑をかけたことなど全く反省していないのである。 余談だが「日めくりを買ってきてくれ」と頼んできた爺さんは80歳だ。 先日は「部屋の蛍光灯のグロー球を10個買って来てくれ」と頼まれた。 いやいや、いくらなんでも彼の余命を考えるとグロー球10個は使い切れまい。 ということで「お爺さん、店には4個しか売ってなかった」と優しい嘘をついて 使わなかったお金を返してあげたのだが、4個も買う必要すらなかったかなあ...。 |