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「にんげん宣言」山内きみ江さん NHK
何気に観始めたのは、やはり「砂の器」ドラマを学生の時観たから。 ライ病への偏見と差別は想像以上だったけれど、 体が崩れていく病気を、心底恐れてしまう気持ちもわかる。 薬ができて本当に良かった。 薬ができ、世界ではらい病患者の隔離や差別を無くしていく動きだったそうだけど、 日本だけ逆行し、高い生垣の塀の中に閉じ込めて隔離し続けたし、 子どもを産まないように手術を受けさせたり・・・ ただ、隔離と言っても、当時ではそこだけが生きられる場所だったのだとも思う。 国に生活させてもらっていたという言葉もあり、 確かに生きる場所を提供してもらい、医療や生活の援助を受けていたわけだけど・・・ 人として生きる、ということができなかったのは事実だろう。 それでも、生まれ育った家族と自ら決別して、22歳という若さで東京の施設に入ったきみ江さん。 夫と出会い、支え合って生きてきて、 ただ子供は作ってはいけない、そうでないなら結婚は支援できないと言われて諦めたという。 だけれど、お寺の住職さんが引き取って育てている子供の中から、 あなたが良いなと思う子を引き取って養子にすると良い、と言う提案を受け、 少し難しいところがあるかもしれないけど、この子が良い、と選んだ娘さんと67歳の時に暮らし始め、重い責任を感じたという。 「たとえが悪いかもしれないけど、りんごであれば、売り物にならない、 落ちて蹴飛ばされたり、木に残ったまま誰にも摘んでもらえなかったりするりんご」だと・・・ でも、傷物はお得 美味しくて、色々あって楽しい と、娘さんと笑い合う・・・ 本当に素敵な、知的な、美しい人。。。 番組を観始めたら、きみ江さんから目が離せなくなった。 もっと声や話を聞きたい、と思った。 口周りが少し動きが無いようだし、手先も失われてしまったようだけど、 それもまた魅力、とさえ感じる。 やむを得ない環境の中、真っすぐに生きてきて今90歳とのこと。 人はこんなにも深く温かく清々しいものなのか。。。 私はまだ65歳なんだなあ・・・ なんだかすっかり高齢者のくくりに入って、一息ついたような気分になっていたけど。 67歳から養女との親子関係を精一杯つなぎ、温め、気持ちが通じ合う関係を作れるなんてすばらしすぎる!! 私には難しすぎて無理だと思うけど、 私にもこれから、何か自分なりにできる何かがあるかもしれない。 これも縁というものなのでしょうね・・・ うーん、ともかく衝撃を受けたし、 映画などでもこの施設は見たことがあったけれども、 昭和の空気をまとい、なんだか妙に懐かしい空気も感じた。 差別に対する怒りや反省だけでなく、 この番組で生きる勇気をもらった人は多いのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.05 23:18:04
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