自然堂～幕末史蹟訪問～

2006.8.15
亀山砲台
長州藩は全国に先駆け外敵防禦策をとり、長州藩主毛利元周公は亀山八幡宮を始め、市内各地に砲台を築き攘夷戦に備えた。文久三年(一八六三)五月十一日午前二時久坂玄瑞の指揮によりアメリカ商船攻撃合図の砲弾が亀山砲台から発射され米仏蘭三国相手に六回にわたる馬関攘夷戦の火蓋が切ら亀山砲台はまさに近代日本の幕開けを告げる第一弾を発射したのであった。

唐戸市場前の高台にあり、境内には伊藤博文と後夫人となる梅子との出会いの場となる
お亀茶屋跡の碑もある。階段したには山陽道基点の碑もある。


2007.11.25
壇ノ浦砲台

壇ノ浦砲台旧址
文久癸亥歳毛利公奉　勅砲撃外艦于此地距令　五十年矣下関之人恐舊址湮没相謀建之
明治四十五年壬子三月

砲台址はレストラン前にある。撮影の為数年振りに訪れたら、砲台のレプリカが五門整列していて驚いた。ベンチ内には四国連合艦隊との交戦時に戦利品として持ち去られた当時の天保製長州砲のレプリカもある。
2007.11.25
前田砲台

前田御茶屋台場址
所在地は下関市前田1-6-12　中国電力下関寮手前にある空き地。少し分かりづらいと思う。
すぐ側に行啓記念碑がある。
文久元治ノ間我長藩首トシテ尊王攘夷ノ義ヲ唱ヘ砲台ヲ此地築キ歐米舩ト戰ヒ硝煙弾雨ノ為メ全村焦土ト化シ空シク荒涼タリ爾授事平キ漸ク菖ニ復ス大正十五年摂政皇太子殿下我県下行啓ノ際親シク玉跡ヲ移サセラレ深ク其遺跡ヲ追懐シ給フ是レ即チ其事ノ延テ明治維新ノ基ヲ樹ツルニ在レハナリ地民感涙惜ク能ハス及チ相謀リ茲ニ此碑建テ将ニ以テ其盛事ヲ于秋ニ傳ヘシトス　　　　　　　山口知事正五位勲四等　大森吉五郎　謹書

前田耕地整理組合ハ時勢ノ要求ニ應ジ八十名ノ糾合ニ依リ大正八年之ヲ組織シ爾来前田高畑及豊浦ノ一部地區域ニ於テ荒蕪ヲ興シ畦畔ヲ正シ路ヲ修シ渠ヲ浚シ以テ耕地四十餘町歩ヲ整理シ資ヲ投スルコト四萬圓九星霜ヲ経テ昭和二年末ニ至リ始メテ完成セリ乃チ相謀リ其記念トシテ本碑ヲ建設ス仍テ聊力茲ニ基由ヲ附記ス　　　　　　昭和三年一月


前田台場(砲台)は長州藩が口火を切った馬関攘夷戦の重要な拠点であっただけに、文久三年(一八六三)六月五日、元治元年(一八六四)八月五･六日二度の外艦砲撃を受け占領･破壊された。馬関攘夷戦の烽火とともに長州藩が討幕への苦難の道を辿った事を思うと前田台場は明治維新発祥の記念すべき史跡であるが、その陰には台場とともに焼き払われた前田村民家二十三戸の痛ましい犠牲があった。郷土の文化財を守る会